大混戦のJ1残留争い、どれほど異例の状況なのかブンデスリーガを例に検証してみた
サッカーキング2018年9月24日(月)11時11分
大混戦のJ1リーグ残留争い [写真]=Getty Images
明治安田生命J1リーグが史上稀に見る残留争いを繰り広げていると話題になっている。
21日から23日にかけて行われた第27節の結果、10位清水エスパルス以下、勝ち点7差の中に9チームがひしめき合う大混戦。18位で最下位のV・ファーレン長崎もベガルタ仙台に勝利し、勝ち点を「27」に伸ばしている。
J1が18チーム制になった2005シーズン以降、最下位チームの最多勝ち点は2009シーズンのジェフユナイテッド千葉が記録した「27」。残り7試合を残して、長崎は早くも9年前の千葉の勝ち点に並んだ。長崎が勝ち点を「30」にのせれば、全18チームが年間勝ち点30以上という史上初のケースになる。
最終盤まで熾烈な戦いが続くのがJリーグの特徴の一つだとはいえ、これだけもつれるのは過去に例がない。では、今シーズンの状況は世界的に見てもどれほど異例のことなのか。今回は比較対象として、J1と同じ18チーム制を採用するブンデスリーガを例にとり、検証してみた。
以下は、2000-01シーズン以降の、ブンデスリーガ第27節終了時の、最下位チームの勝ち点である。
■ブンデスリーガ第27節終了時の最下位チーム(2000-01シーズン以降)
2017-18 ハンブルガーSV 勝ち点18
2016-17 ダルムシュタット 勝ち点15
2015-16 ハノーファー 勝ち点17
2014-15 シュトゥットガルト 勝ち点23
2013-14 ブラウンシュヴァイク 勝ち点21
2012-13 グロイター・フュルト 勝ち点15
2011-12 カイザースラウテルン 勝ち点20
2010-11 ボルシアMG 勝ち点23
2009-10 ヘルタ・ベルリン 勝ち点18
2008-09 カールスルーエ 勝ち点18
2007-08 デュイスブルク 勝ち点22
2006-07 ボルシアMG 勝ち点25
2005-06 ケルン 勝ち点19
2004-05 フライブルク 勝ち点17
2003-04 ケルン 勝ち点20
2002-03 エネルギー・コットブス 勝ち点23
2001-02 ケルン 勝ち点19
最多勝ち点を記録したのは、2006-07シーズンのボルシアMG。勝ち点「25」で、現在の長崎を2ポイント下回っている。「21世紀以降」という条件付きだとはいえ、ブンデスリーガでも起こり得ない現象が、いまJ1リーグで発生していることになる。
なお2006-07シーズンのブンデスリーガでも、第27節終了時には最下位ボルシアMGを含めて9チームが勝ち点7差の中にひしめきあう混戦状態だった。しかし最終的には、ボルシアMGが1ポイントしか伸ばせず、断トツの最下位で降格。一方、15位で残留を果たしたウォルフスブルクは勝ち点を「37」まで伸ばしたが、同リーグの残留ラインの平均を少し上回ったほどだった
では次に、2000-01以降の全日程終了時の、ブンデスリーガ最下位チームの勝ち点を見てみる。
■ブンデスリーガ全日程終了時の最下位チーム(2000-01シーズン以降)
2017-18 ケルン 勝ち点22
2016-17 ダルムシュタット 勝ち点25
2015-16 ハノーファー 勝ち点25
2014-15 パーダーボルン 勝ち点31
2013-14 ブラウンシュヴァイク 勝ち点25
2012-13 グロイター・フュルト 勝ち点21
2011-12 カイザースラウテルン 勝ち点23
2010-11 ザンクト・パウリ 勝ち点29
2009-10 ヘルタ・ベルリン 勝ち点24
2008-09 ビーレフェルト 勝ち点28
2007-08 デュイスブルク 勝ち点29
2006-07 ボルシアMG 勝ち点26
2005-06 デュイスブルク 勝ち点27
2004-05 フライブルク 勝ち点18
2003-04 ケルン 勝ち点23
2002-03 エネルギー・コットブス 勝ち点30
2001-02 ザンクト・パウリ 勝ち点22
21世紀以降のブンデスリーガで、最も多くの勝ち点を稼いだ最下位チームは、2014-15シーズンのパーダーボルンで勝ち点「31」だった。「勝ち点30」のラインに到達したのも、パーダーボルンと2002-03シーズンのエネルギー・コットブス(勝ち点30)の2チームのみ。平均勝ち点に至っては「25.2」と、現在の長崎の勝ち点(27)を下回っている。
長崎が残り7試合で勝ち点「31」を上回る可能性は十分にあり、今シーズンのJ1最下位チームは欧州でもなかなか例がないほどの高い勝ち点を稼ぎ出しそうだ。「J1史上最強の最下位」が誕生するのは時間の問題であり、ハイレベルな残留争いは12月1日の最終節まで繰り広げられることだろう。
「スポーツは筋書きのないドラマ」という言葉を証明するかのように、まったく予測不可能な今シーズンのJ1。果たしてどんなフィナーレを迎えるのか。最後の最後まで見逃せない。
(記事/Footmedia)
21日から23日にかけて行われた第27節の結果、10位清水エスパルス以下、勝ち点7差の中に9チームがひしめき合う大混戦。18位で最下位のV・ファーレン長崎もベガルタ仙台に勝利し、勝ち点を「27」に伸ばしている。
J1が18チーム制になった2005シーズン以降、最下位チームの最多勝ち点は2009シーズンのジェフユナイテッド千葉が記録した「27」。残り7試合を残して、長崎は早くも9年前の千葉の勝ち点に並んだ。長崎が勝ち点を「30」にのせれば、全18チームが年間勝ち点30以上という史上初のケースになる。
最終盤まで熾烈な戦いが続くのがJリーグの特徴の一つだとはいえ、これだけもつれるのは過去に例がない。では、今シーズンの状況は世界的に見てもどれほど異例のことなのか。今回は比較対象として、J1と同じ18チーム制を採用するブンデスリーガを例にとり、検証してみた。
以下は、2000-01シーズン以降の、ブンデスリーガ第27節終了時の、最下位チームの勝ち点である。
■ブンデスリーガ第27節終了時の最下位チーム(2000-01シーズン以降)
2017-18 ハンブルガーSV 勝ち点18
2016-17 ダルムシュタット 勝ち点15
2015-16 ハノーファー 勝ち点17
2014-15 シュトゥットガルト 勝ち点23
2013-14 ブラウンシュヴァイク 勝ち点21
2012-13 グロイター・フュルト 勝ち点15
2011-12 カイザースラウテルン 勝ち点20
2010-11 ボルシアMG 勝ち点23
2009-10 ヘルタ・ベルリン 勝ち点18
2008-09 カールスルーエ 勝ち点18
2007-08 デュイスブルク 勝ち点22
2006-07 ボルシアMG 勝ち点25
2005-06 ケルン 勝ち点19
2004-05 フライブルク 勝ち点17
2003-04 ケルン 勝ち点20
2002-03 エネルギー・コットブス 勝ち点23
2001-02 ケルン 勝ち点19
最多勝ち点を記録したのは、2006-07シーズンのボルシアMG。勝ち点「25」で、現在の長崎を2ポイント下回っている。「21世紀以降」という条件付きだとはいえ、ブンデスリーガでも起こり得ない現象が、いまJ1リーグで発生していることになる。
なお2006-07シーズンのブンデスリーガでも、第27節終了時には最下位ボルシアMGを含めて9チームが勝ち点7差の中にひしめきあう混戦状態だった。しかし最終的には、ボルシアMGが1ポイントしか伸ばせず、断トツの最下位で降格。一方、15位で残留を果たしたウォルフスブルクは勝ち点を「37」まで伸ばしたが、同リーグの残留ラインの平均を少し上回ったほどだった
では次に、2000-01以降の全日程終了時の、ブンデスリーガ最下位チームの勝ち点を見てみる。
■ブンデスリーガ全日程終了時の最下位チーム(2000-01シーズン以降)
2017-18 ケルン 勝ち点22
2016-17 ダルムシュタット 勝ち点25
2015-16 ハノーファー 勝ち点25
2014-15 パーダーボルン 勝ち点31
2013-14 ブラウンシュヴァイク 勝ち点25
2012-13 グロイター・フュルト 勝ち点21
2011-12 カイザースラウテルン 勝ち点23
2010-11 ザンクト・パウリ 勝ち点29
2009-10 ヘルタ・ベルリン 勝ち点24
2008-09 ビーレフェルト 勝ち点28
2007-08 デュイスブルク 勝ち点29
2006-07 ボルシアMG 勝ち点26
2005-06 デュイスブルク 勝ち点27
2004-05 フライブルク 勝ち点18
2003-04 ケルン 勝ち点23
2002-03 エネルギー・コットブス 勝ち点30
2001-02 ザンクト・パウリ 勝ち点22
21世紀以降のブンデスリーガで、最も多くの勝ち点を稼いだ最下位チームは、2014-15シーズンのパーダーボルンで勝ち点「31」だった。「勝ち点30」のラインに到達したのも、パーダーボルンと2002-03シーズンのエネルギー・コットブス(勝ち点30)の2チームのみ。平均勝ち点に至っては「25.2」と、現在の長崎の勝ち点(27)を下回っている。
長崎が残り7試合で勝ち点「31」を上回る可能性は十分にあり、今シーズンのJ1最下位チームは欧州でもなかなか例がないほどの高い勝ち点を稼ぎ出しそうだ。「J1史上最強の最下位」が誕生するのは時間の問題であり、ハイレベルな残留争いは12月1日の最終節まで繰り広げられることだろう。
「スポーツは筋書きのないドラマ」という言葉を証明するかのように、まったく予測不可能な今シーズンのJ1。果たしてどんなフィナーレを迎えるのか。最後の最後まで見逃せない。
(記事/Footmedia)
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