SBK:鈴鹿8耐で3度優勝のアレックス・ロウズ、2019年限りでヤマハとの契約終了を発表
ヤマハ・モーター・ヨーロッパは、9月29日にスーパーバイク世界選手権(SBK)でパタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチームから参戦しているアレックス・ロウズが、2019年限りでヤマハから離脱することを発表した。
2011年にSBKデビューを果たしたイギリス人ライダーのロウズは、2014年からフル参戦を開始。2016年からはパタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチームに移籍し、今季でヤマハYZF-R1を駆り4シーズン目を迎えた。
SBKでは、これまでに18度の表彰台を獲得しており、2018年の第7戦チェコラウンドで初優勝を飾った。今季は、第11戦フランスラウンド時点で7度表彰台にのぼり、ランキングも3位につけるという活躍ぶりだ。
また、鈴鹿8時間耐久ロードレースには、2016年から4年連続YAMAHA FACTORY RACING TEAMで出場しており、2016〜2018年は3連勝を経験している。
ヤマハで数々の活躍をみせていたロウズだが、今季の10月26日に開催される第13戦カタールラウンドを最後にチームを去ると、ヤマハ・モーター・ヨーロッパが発表した。
ヤマハ・モーター・ヨーロッパのエリック・ドゥ・セーヌ社長は、「まず、アレックスに感謝している。SBKと鈴鹿8耐でともに成功を楽しんだだけでなく、最初から不可欠なものだったヤマハとスーパーバイクプロジェクトにおける彼の決意にも感謝している」とロウズに対し感謝のコメントを残した。
「アレックスと2020年シーズンは契約を継続しないという決定は難しかったが、私たちは彼がヤマハファミリーとして残留することを心から望んでいた。リスクがあることは知っていたが、残念ながらそれは現実となり、アレックスは来シーズンヤマハから参戦しない」
「この4年間、アレックスと仕事することは私にとって本当に喜びであり、私自身とヤマハを代表して、アレックスが将来成功することを願っている」
そして、ヤマハのインディペンデントチームであるが、GRTヤマハ・ワールドSBKから参戦しているマルコ・メランドリは7月に今季限りで現役引退することを発表しており、2020年のSBKに参戦するヤマハ2チームのシートが2枠空くことがわかっている。
イタリア人ライダーのメランドリは、1998年に15歳でロードレース世界選手権にステップアップし、2002年MotoGP250ccクラスのタイトルホルダーだ。
2003年からMotoGPクラスに参戦し、2005年にはバレンティーノ・ロッシに次ぎランキング2位を奪取。2011年からはSBKに戦いの場を移し、これまでにヤマハ、BMW、アプリリア、ドゥカティと数多くのチームを渡り歩き、今季は再びヤマハでYZF-R1を駆っている。
SBKでは、第11戦フランスラウンド時点で184レース中通算22勝、表彰台は75度獲得する活躍を見せている。
メランドリは「引退という決断を下すのは、僕にとって非常に難しかった。何度かこれについて考えてきて、最終的にはイモラでのレースの前に、2019年シーズンで終わりにしようと決めた。僕はまだ競争心を持っているけれど、この時点で辞める方が良いと思った」とコメント。
「今もレースを楽しんでいるけれど、楽しむことと結果を出すことが、もっと難しくなるまで待つのではなくてね。決断をしてから、とても大きな肩の荷が下りたように感じている。これが僕の最後の年だということを今やみんなが知っているし、最後の数レースで良い結果を得るためにプッシュしようとこれまで以上にやる気になっている」
「僕としては、辞めると言ったけれど、ヤマハとGRTヤマハチームが僕に示してくれた信頼に応えたい。厳しいシーズンだけど、彼らは僕が自分のポテンシャルを発揮できるようにと懸命に作業をしている。彼らは決して諦めていないし、僕の経験が、このチームがもう少し速く走れるようになって、SBKでのレースに適応することに役立つよう願っている。彼らとともに最後のシーズンを見届けることを楽しみにしている」
「すべてのラップを予選のように走り、自分自身を向上させるためにプッシュして、チームにふさわしい結果をもたらすために、僕は全力を尽くすつもりだ。僕は前に進んでいくし、自分の人生において何か違うことをする時期がくる。僕にとって、素晴らしい旅だった。ここに至るまでに出会ったすべての人に感謝している」
2020年のSBKは、大きくライダーラインアップの変更がある見込みで、スコット・レディングがドゥカティ、ユージン・ラバティがBMW、そしてアルバロ・バウティスタがホンダに移籍することがすでに発表済みだ。来季のヤマハのラインアップにも注目が集まる。
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