【ライターコラムfrom柏】背番号10・大津祐樹が早期復帰! ラスト6戦で「チームの力に」
サッカーキング2017年10月13日(金)18時53分
当初の予定よりも早く戦列に復帰した大津祐樹 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
前節のJ1リーグ第28節のヴァンフォーレ甲府戦、大津祐樹はスタンドから試合を見ていた。9月20日の天皇杯ラウンド16、ガンバ大阪戦で右肩鎖関節脱臼のケガを負い、「全治4週間」という診断結果を受けた彼は戦列を離れていたのだ。
甲府の守備を崩しきれず、後半アディショナルタイムにカウンターから痛恨の一撃を浴び、“MUST WIN”と位置付けていた重要な一戦を落とした柏レイソル。大津は、その甲府戦についてこう語っている。
「甲府戦は、自分がこの状況で試合に出たらどういうプレーをするか…というイメージを持って見ていました。試合に出たかったという気持ちが強かったです」
そして柏は、今週末の第29節では北海道コンサドーレ札幌と、その次の第30節では大宮アルディージャと、残留争いの渦中にあるチームとの対戦が続く。その両チームにとって、柏に土をつけた甲府の戦い方は絶好のスカウティングの材料となるだろう。そこでもし柏が引いた相手の守備を攻略できず、逆にカウンターから失点を許すという前節と同じ轍を踏めば、逆転優勝はおろかAFCチャンピオンズリーグ出場圏内の3位以内の確保すら難しい。
甲府戦では、交代の切り札として負傷明けのディエゴ・オリヴェイラを途中から投入したが、相手の守備をこじ開けるにはあと一歩届かなかった。
だが、ここで朗報がある。冒頭で述べた右肩のケガにより、10月下旬の復帰が濃厚と見られていた大津が、予定より早い戦列復帰を果たしたのだ。
「半分ぐらいの期間で復帰して、離れていた期間も短かったのでコンディションは問題ないです。使うか使わないかは監督が決めることですが、(今週末の)札幌戦から出場する準備はしています」
全体練習への復帰早々から、大津は今週末のリーグ戦での出場を見据えている。
甲府も札幌もシステムが類似しており、柏が苦手とする5バックを敷いて守備を固めてくるチームだ。その相手の守備ブロックを崩すためには何が必要か。甲府戦を「自分ならどういうプレーをするかイメージしながら見ていた」という大津に訊ねてみた。
「そういうチームには個の勝負が大事になると思う。個人の力で相手を1枚剥がせるか。そこで剝がせれば味方と2対1を作れる。仕掛けるのはリスクがあって、相手のカウンターが怖いけど、そのリスクを負わないとどうしてもズルズルいってしまう。そして結果、パスで逃げて逃げて逃げて、状況の悪いタイミングで仕掛けて、ボールを失ってカウンターを受ける。甲府戦はまさにそういう展開だった。自分たちが良い状態で『これはいける』という瞬間には、多少リスクを冒してでも勝負を仕掛けていいと思う」
勝負を仕掛け、ドリブルで相手のマーカーを剥がすことは大津が最も得意とするプレーだ。キャプテンの大谷秀和も「祐樹が前を向いて仕掛けたときには、そう簡単には止められない」と背番号10の力に太鼓判を押す。
なにより大津祐樹という男には“華”がある。豪快さと柔軟さが融合されたドリブルだけではなく、彼が点を決めればサポーターは盛り上がり、チームは勢いに乗る。今季の前半戦で柏は怒涛の8連勝を記録したが、その連勝は第7節のヴィッセル神戸戦での大津のアディショナルタイムの決勝弾から始まったものだった。
「チームの力になれるように、ここから先は1試合1試合が大事なので、頑張っていきたい」
ケガから戻ってきたばかりとあって、スタメンとはいかないだろうが、“ジョーカー”として登場する大津は必ず停滞する試合の流れを変えてくれるだろう。リーグ戦のラスト6試合、チームを上昇気流に乗せるために、背番号10が帰ってくる。
文=鈴木潤
甲府の守備を崩しきれず、後半アディショナルタイムにカウンターから痛恨の一撃を浴び、“MUST WIN”と位置付けていた重要な一戦を落とした柏レイソル。大津は、その甲府戦についてこう語っている。
「甲府戦は、自分がこの状況で試合に出たらどういうプレーをするか…というイメージを持って見ていました。試合に出たかったという気持ちが強かったです」
そして柏は、今週末の第29節では北海道コンサドーレ札幌と、その次の第30節では大宮アルディージャと、残留争いの渦中にあるチームとの対戦が続く。その両チームにとって、柏に土をつけた甲府の戦い方は絶好のスカウティングの材料となるだろう。そこでもし柏が引いた相手の守備を攻略できず、逆にカウンターから失点を許すという前節と同じ轍を踏めば、逆転優勝はおろかAFCチャンピオンズリーグ出場圏内の3位以内の確保すら難しい。
甲府戦では、交代の切り札として負傷明けのディエゴ・オリヴェイラを途中から投入したが、相手の守備をこじ開けるにはあと一歩届かなかった。
だが、ここで朗報がある。冒頭で述べた右肩のケガにより、10月下旬の復帰が濃厚と見られていた大津が、予定より早い戦列復帰を果たしたのだ。
「半分ぐらいの期間で復帰して、離れていた期間も短かったのでコンディションは問題ないです。使うか使わないかは監督が決めることですが、(今週末の)札幌戦から出場する準備はしています」
全体練習への復帰早々から、大津は今週末のリーグ戦での出場を見据えている。
甲府も札幌もシステムが類似しており、柏が苦手とする5バックを敷いて守備を固めてくるチームだ。その相手の守備ブロックを崩すためには何が必要か。甲府戦を「自分ならどういうプレーをするかイメージしながら見ていた」という大津に訊ねてみた。
「そういうチームには個の勝負が大事になると思う。個人の力で相手を1枚剥がせるか。そこで剝がせれば味方と2対1を作れる。仕掛けるのはリスクがあって、相手のカウンターが怖いけど、そのリスクを負わないとどうしてもズルズルいってしまう。そして結果、パスで逃げて逃げて逃げて、状況の悪いタイミングで仕掛けて、ボールを失ってカウンターを受ける。甲府戦はまさにそういう展開だった。自分たちが良い状態で『これはいける』という瞬間には、多少リスクを冒してでも勝負を仕掛けていいと思う」
勝負を仕掛け、ドリブルで相手のマーカーを剥がすことは大津が最も得意とするプレーだ。キャプテンの大谷秀和も「祐樹が前を向いて仕掛けたときには、そう簡単には止められない」と背番号10の力に太鼓判を押す。
なにより大津祐樹という男には“華”がある。豪快さと柔軟さが融合されたドリブルだけではなく、彼が点を決めればサポーターは盛り上がり、チームは勢いに乗る。今季の前半戦で柏は怒涛の8連勝を記録したが、その連勝は第7節のヴィッセル神戸戦での大津のアディショナルタイムの決勝弾から始まったものだった。
「チームの力になれるように、ここから先は1試合1試合が大事なので、頑張っていきたい」
ケガから戻ってきたばかりとあって、スタメンとはいかないだろうが、“ジョーカー”として登場する大津は必ず停滞する試合の流れを変えてくれるだろう。リーグ戦のラスト6試合、チームを上昇気流に乗せるために、背番号10が帰ってくる。
文=鈴木潤
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