【角田裕毅F1第19戦展望】タイヤの劣化に苦戦も、スタートは「しっかり対策できた」予選に向けたセットアップ変更も成功
前戦シンガポールGPでの出遅れについて、角田裕毅(RB)は次のように説明した。
「スタートのときにブレーキがスタックした状態になっていて、ブレーキがかかっていた状態で発進することなったのが大きな原因。ただ、自分自身のスタートの作業も完璧ではなかったので、その点は見直していきたい」
9番手からのスタートとなったF1第19戦アメリカGP土曜日のスプリント。「見直した部分もあったし、僕のほうで改善できるところもしっかりと対策でき、すべてが向上しました」と言う角田は、スタートで出遅れたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をかわして、スプリントでのポイント圏内となる8番手に浮上した。
その後、一時ケビン・マグヌッセン(ハース)の前に出て7番手となるも、周回を重ねるごとにタイヤのデグラデーション(劣化)に苦しみ、ハース勢に相次いで抜かれてポイント圏外へ脱落してしまう。
「(ハース勢は)スプリントでも、かなり速かったです。僕の方は序盤ハース勢とバトルして、一時7番手まで上がったんですが、そのペースを維持することができずに難しいレースとなりました」と言う角田は、その後セルジオ・ペレス(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にもオーバーテイクされて11位でフィニッシュした。
スプリントを19周走って課題が見えた角田は、午後5時に開始される予選までにセットアップを変更した。おそらくタイヤのデグラデーション(劣化)を改善させるためにダウンフォースをつけ気味にしたと考えられる。
そうなると、当然ストレートスピードが落ちる。そこでチームはパワーユニット交換で最後尾スタートが決まっているチームメイトのリアム・ローソンのスリップストリームを利用する作戦を立てる。
実行するのはQ3進出を賭けて僅差の戦いが予想されるQ2。1回目のアタックのバックストレートで角田はローソンのスリップを使うが、ローソンを抜く際にイン側のダスティな路面を走らなければならなかったため、角田は2回目のアタックに出る前にチームにこうお願いした。
「リアムにコースの真ん中を走って、最後にイン側に避けてくれと伝えてくれ」
こうして迎えたQ2の2回目のアタック。今度はホームストレートで角田はローソンのスリップストリームを利用した。
「はい、ホームストレートで指示通りにやってくれました」と語る角田は、Q2の1回目より約コンマ1秒速くセクター1を通過し、1分33秒506を叩き出して、トップ10内に入る。しかし、その後、2台に抜かれて11番手へ後退。Q2で10番手だったマグヌッセンとのタイム差は0.032秒だった。
惜しくもQ3進出を逃した角田だったが、予選後の表情は穏やかだった。それは「スプリント後に施したセットアップ変更がうまくいった」(角田)からだけでなかった。このアメリカGPからチームメイトとなったローソンとの信頼関係を築くことができたからだった。
「今日の予選はチームメイトに感謝ですか?」と尋ねると、角田は「はい」と即答して、口元を緩めた。
しかし、この日のスプリントでダブル入賞したハースにポイントで並ばれ、上位入賞の差でコンストラクターズ選手権6位の座を明け渡したRB。チームメイトのスリップストリームを使って得た11番手からスタート角田には、日曜日のレースでなんとしてでもポイント獲得が望まれる。
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