日ハム・近藤の「流出」を決定づけた指揮官の「非情発言」とは
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20日に行われたドラフト会議で日本ハムは公言していた日体大の二刀流左腕・矢沢宏太投手(22)の単独1位指名に成功。ほかにも新庄監督がかねてからラブコールを送っていた米国出身の加藤豪将(ごうすけ)内野手(28=メッツ傘下3A)を3位指名、さらに、育成3位で無名の逸材・山口アタル外野手(23=テキサス大タイラー校中退)を指名するなど、サプライズ続出となった。
早速、ドラ1の矢沢をめぐっては期待の高さを示すように20日に生出演したTBS系「速報ドラフト会議2022 THE運命の1日」の中で新庄監督は来季の外野布陣について「僕の今の頭の中では(右翼)矢沢君、(中堅)五十幡君、(左翼)松本(剛)君」と語るなど、早くもレギュラー候補として矢沢の名前を挙げてみせた。さらに続けて「そこに(割って)入ってくる浅間君、万波君、今川君。悩む、悩む」とチーム構想の一端を明かした。
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しかし前出の発言には気になるポイントも。
「すでに外野手の来季構想の中にFA宣言が確実と見られている主力の近藤選手の名前が含まれていませんでした。指揮官の発言からはすでに『近藤抜き』のチーム構想を固めつつあることが感じられます」(放送関係者)
今季で球団との3年契約が切れ、7月に海外FA権を取得している日本ハムが誇る安打製造機の近藤健介外野手(29)といえば、通算打率・307と球界屈指のバットコントロールが売り。今季は右脇腹肉離れによる離脱もあり、規定打席に到達しなかったがそれでも99試合に出場し、打率・302、8本塁打、41打点の成績を残した。19、20年に2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得するなど、選球眼の良さも知られている。選手会長としてチームのまとめ役を果たすなど、陰での役割も高く評価されている。
そんな近藤が宣言すれば、安定したパフォーマンスが期待できることから、ソフトバンク、ロッテ、オリックスなども獲得に乗り出すと見られ、西武・森友哉に並ぶFA戦線の目玉の一人に挙がっている。
球団もそんな近藤に対して複数年契約を用意するなど、必死に引き留めているが劣勢が伝わってきている。一つには今季から指揮を執る新庄体制も影響していると見られる。
「近藤は神奈川の名門横浜高校出身、勝利への執着心も人一倍強いとされる。しかし今季の新庄監督体制となり、トライアウトと称して多くの選手を起用、またころころとポジションを替え、選手の起用法が一定していないことでチーム内のミスが増えた側面もある。来季は固定メンバーで戦うともいっているが、チームは浮上できるのか、単純に『勝てるチーム』となれるか、不安を感じているかもしれません」(球界関係者)
今季は59勝81敗3分け。開幕から最下位が定位置となり、シーズン中一度も浮上できなかった。札幌ドーム最終戦となった9月のロッテ戦でも新庄監督は事前に「重大発表がある」と匂わせ発言をしながら、結局は来季の開幕投手と自身の続投を発表するなど、パフォーマンスありきの手法にはベンチの一部選手もしらけた表情を見せていた。
その新庄監督は運命のドラフトから一夜明けた21日に、自身のインスタグラムを更新。「素晴らしいドラフトになりました」とした上で、「次はエスコンフィールドで、近藤君と一緒に野球が出来る様に全力で願い続けます!!」と主力の残留を強く訴えかけたが、果たして気持ちを動かせるか。日本シリーズ終了後に始まるFA戦線。近藤本人の決断の行方に注目が高まりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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