予選から攻めた走りを披露した角田のアメリカGPは「今季のベストレース。本当に上出来」/ホンダ山本MDインタビュー
2021年F1第17戦アメリカGPでは、2戦連続でレッドブル・ホンダがダブル表彰台を達成し、コンストラクターズ選手権においてメルセデスとの差を縮めた。一方アルファタウリ・ホンダではピエール・ガスリーがトラブルでリタイアとなったものの、角田裕毅が9位に入賞。ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは角田のレースを振り返り、「スタートでポジションを上げて、いい仕事をした」と初走行となったCOTAでの走りを評価した。
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──今回のアメリカGPでは、ホンダが海外、特に北米で展開する高級ブランドの『Acura』(アキュラ)のロゴがリヤウイングに大きく描かれていました。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):アキュラで勝てたことは本当にうれしく思います。トルコでの特別カラーリングに続いて、今回もいい結果に繋げられたことに対しては、まずはレッドブル・レーシングに感謝です。今日はアキュラのお客さんやアメリカホンダの社長をはじめ、北米にいらっしゃる多くのレッドブル・ホンダをサポートしてくれている関係者(IMG_1712.JPG/エクソンモービルの関係者)も応援しに来てくれたので、みなさんにいいレースと結果をお届けすることができてよかったと思っています。
──『ありがとう』と『アキュラ』、メキシコ以降も何かやったらいいんじゃないかと思ってしまいます。
山本MD:他の人からも同じようなことを言われました(笑)。今回のリヤウイングの『Acura』は、2019年にアキュラから相談を受けて、アキュラのディーラーからの「F1でやったらアキュラも盛り上がるから検討してくれないか?」という声から始まりました。そこで青山(本田技研)と掛け合って実現しました。ノーズは『H』マークが入ったままで、リアウイングは『Acura』だから、ダブルネームになるのですが、それでもいいという返事をいただけたので、ホンダとアキュラのダブルネームで臨みました。実はレーシングスーツも『H』と『Acura』のダブルネームなんです。
──すべて『Acura』でもいいかなと思いますが。
山本MD:コーポレートとしてホンダはグローバルにレースをやっているので、コーポレートである『H』を外すわけにはいかないんです。
──さて、レースを振り返りたいのですが、金曜日の時点ではこんな結果は想像できませんでした。
山本MD:そうですね。確かに金曜日はメルセデスが速かった。ところがフリー走行3回目が始まったら、「ポールも行けるんじゃないの?」という雰囲気になってきました。
──レースではスタートでルイス・ハミルトン(メルセデス)に先行を許しましたが、アンダーカットで逆転に成功しました。
山本MD:でもルイスもすごい。あの終盤の猛追にはちょっと焦りました。
──そのハミルトンの追い上げにも慌てることなく、背後に迫ってくるまでしっかりとタイヤをセーブして、最後の3周の戦いで負けなかったマックス・フェルスタッペンもすごかったですね。
山本MD:本当にうまい。20代前半とは思えない冷静なドライバーです。
──コース上でのオーバーテイクはありませんでしたが、これぞレースという戦いでした。
山本MD:ガレージもアンダーカットで盛り上がっていました。
──今日はレッドブル・ホンダのふたりだけでなく、アルファタウリの角田裕毅選手もいいレースをしました。
山本MD:いい仕事をしましたよね。今シーズンのベストレースだと思います。トルコで少し自信を取り戻してきて、今回は予選もアグレッシブに攻めていた。予選トップ10のドライバーのなかで裕毅とカルロス・サインツ(フェラーリ)がソフトだったのですが、サインツもガンガン攻めていくだろうから、裕毅も攻めのレースをするしかないからと、朝ご飯のときに話していたんです。それを実行してスタートでポジションを上げて、いい仕事をしたと思います。残り5戦、楽しみです。
──レース中盤は、あのライコネンとアロンソを従えて、堂々とレースしていましたね。
山本MD:すごい。裕毅はここ初めてなんですよ。本当に上出来です。
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