小林可夢偉、一閃! 7号車トヨタがポール獲得で貴重な1ポイントを上乗せ/WEC第6戦バーレーン予選
11月5日、WEC世界耐久選手権第6戦バーレーン8時間レースの公式予選がバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、小林可夢偉が最速ラップタイムを記録したトヨタGAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)がポールポジションを獲得した。
現地時間17時40分、LMGTEの予選セッション後にコースがオープンとなり、ハイパーカー&LMP2車両のための10分間の予選セッションが開始された。すっかり夜となったバーレーン・インターナショナル・サーキットの気温は28度、路面温度は33度だ。
トヨタのアタックドライバーは7号車GR010ハイブリッドが可夢偉、8号車はブレンドン・ハートレー。フリープラクティスの各セッション開始直後に、予選シミュレーションと思われるアタックを繰り返してきたふたりだ。ハイパーカークラスのライバルであるアルピーヌ・エルフ・マットミュートの36号車アルピーヌA480・ギブソンでは、マシュー・バキシビエールがアタッカーを務めている。
最初のアタックラップで、まずは8号車のハートレーが1分46秒895をマークするが、直後に可夢偉が1分46秒250を叩き出し、トップを奪う。ハートレーは続けて2周目のアタックへと突入していったが、途中でオーバーシュートがあり、これでトヨタ2台はピットへと戻ることに。アルピーヌのバキシビエールは1分47秒025をマークし、8号車へと迫った。
残り3分、ハートレーは再びコースイン。続いて可夢偉もコースへと戻っていく。ハートレーはこのアタックで1分46秒540と自己ベストを更新するも、可夢偉のタイムには0秒290届かない。これを見た可夢偉はそのままピットへとマシンを戻し、7号車のポールポジションが確定した。
FP1からFP3までは僚友8号車の後塵を拝していた7号車の3人は、可夢偉のポールポジション獲得により貴重な1ポイントを手にし、この時点でのドライバー・チャンピオンシップでのリードを『16』へと拡大している。
LMP2クラスは、セッション序盤にリアルチーム・レーシングの70号車オレカ07・ギブソンを駆るノルマン・ナトがクラストップに立ち、JOTA38号車オレカのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが続く展開に。
セッション終盤を迎えると、レーシングチーム・ネーデルランド29号車オレカのギド・バン・デル・ガルデが3番手へと浮上する。
これで順位確定かと思われたが、チェッカーが振られるなか最後のアタックを敢行していたユナイテッド・オートスポーツUSA22号車オレカのフィリペ・アルバカーキがコントロールラインを通過すると、ナトのタイムを約コンマ3秒更新、逆転でクラスポールを奪った。
■LMGTEプロは僅差でポルシェがポール獲得
ハイパーカー&LMP2に先立ち、現地時間17時20分からはLMGTEプロ&アマクラスの予選が行われた。
ポルシェ2台、フェラーリ2台で争われるLMGTEプロクラスでは、4台がともにセッション開始からしばらくはピット前で待機。その後、LMGTEアマ勢がアタックを敢行するなか続々とコースインしていくと、まずはAFコルセ52号車フェラーリ488 GTE Evoのダニエル・セラがトップに立つ。
しかしこれを上回るタイムをマークしてきたのが、ポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSR-19をドライブするケビン・エストーレだった。エストーレは1分56秒041をマークした。
残り1分を切ると、92号車とタイトルを争うAFコルセ51号車のジェームス・カラドがタイムアップに成功。92号車に0秒160差まで迫る2番手に入るが、これ以上のタイムアップはならなかった。3番手には91号車ポルシェのジャンマリア・ブルーニ、4番手がセラという予選オーダーとなり、タイトル決戦を迎える。
LMGTEアマクラスでは、チェティラー・レーシング47号車フェラーリのロベルト・ラコルテがセットした暫定ポールタイムを、一度はAFコルセ83号車フェラーリのフランソワ・ペロードが上回る。しかし残り1分を切ってからラコルテがタイムを縮め、再逆転でクラスポールを獲得した。
木村武史がアタックを担当したケッセル・レーシングの57号車フェラーリはクラス10番手、星野敏がアタックを担当したDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMRはクラス11番手で予選を終えている。
WECの2021年最終戦となる第6戦バーレーン8時間レースは、11月6日(土)の現地時間14時(日本時間20時)に、決勝スタートを迎える予定だ。
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