F1サンパウロGPのレース進行中に観客がバリアを乗り越えコースに侵入。4月にはオーストラリアでも同様の事象が発生
FIAはF1第21戦サンパウロGPの決勝において、レースが進行中であるにもかかわらず観客がコースに侵入した件を受け、主催者をスチュワードの下へと召喚した。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンがチェッカーフラッグを受けて今シーズン17勝目を挙げた直後、サーキットのゲートが開く予定時刻の前に観客の大集団がターン1のバリアを乗り越えた。何台かのマシンがクールダウンラップを走行中だった状況下で、自分勝手なファンがフェンスを乗り越え始めてしまい、オフィシャルは事態を収拾することができなかった。
サンパウロGPには26万7000人の観客が訪れ満員となったが、FIAは侵入行為を軽視しなかった。FIAは、CCTVカメラ映像の確認やレース主催者の事情聴取を経て、「安全対策が施行されていないか、されていたとしても不十分で、結果として危険な状況が出現していた」と結論づけ、次のように述べた。
「(レース主催者は)セキュリティ確保の手順と安全対策に問題があったことを率直に認めた」
「レース主催者はFIAスポーツ代表者およびF1レースディレクターの報告に同意し、ブラジルでは同様の事象がこれまでも起きたことがあり、今回についても重大な事故につながった可能性のある容認できない出来事だったことを認めた」
今年の4月には、オーストラリアGPが行われたアルバートパーク・サーキットでもレース進行中に観客がコースに侵入し、レース主催者はFIAの規則を図らずも破ることになった。この事例では、観客はインラップ中に停止したニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)のマシンに接近することができたが、この時まだマシンのライトは赤く点滅しており、安全ではない状態にあった。
当時FIAはこうした事態を受け、プロモーターに「公式の改善策を至急FIAに提出する」ことを求めた。サンパウロGPの主催者も同様の手続きを踏む必要があり、2024年1月30日までにFIAに宛てて「重大な懸念に適切に対処するための公式の改善策」を提出することになった。
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