スーパー耐久第6戦岡山のグループ2は埼玉トヨペットGBクラウンが優勝。ST-Qの2台も快走をみせる
岡山県の岡山国際サーキットで開催されているスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レースin岡山』は11月14日、8時30分から3時間のグループ2の決勝レースが行われ、ST-3クラスは52号車埼玉トヨペット GB クラウンRSが優勝。ST-4は二転三転する展開を884号車林テレンプ SHADERACING 86が制し、今季チャンピオンを獲得した。ST-5は456号車odula Star5 Roadsterが優勝を飾った。
■ST-3は埼玉トヨペット GB クラウンRSが無交換作戦で逃げ切り
8時30分からスタートしたスーパー耐久第6戦岡山のグループ2決勝レース。ST-3/ST-4/ST-5、ST-Qの2台が参加する決勝レースはまだ朝日が差すなかフォーメーションラップがスタートした。
すでに39号車エアバスター Winmax RC350 TWSのチャンピオンが決まっているST-3クラスは、1周目のヘアピンで52号車埼玉トヨペット GB クラウンRSを駆る吉田広樹が39号車エアバスターRC350をオーバーテイク。トップに浮上する。39号車の背後からは三宅淳詞が駆る244号車QUEEN EYES 34Zが続き、2周目には2番手に浮上。トップグループはこの3台で構成されていった。
序盤、首位を快走していた吉田の52号車埼玉トヨペットクラウンだが、16周を過ぎたあたりで三宅の244号車QUEEN EYES 34Zが少しずつギャップを縮め始めた。スタートから1時間が近づこうかというタイミングでは、2台はテール・トゥ・ノーズに。ただストレートが速いクラウンに対し、コーナーで詰めるフェアレディZと、得意分が異なりなかなかオーバーテイクには至らなかった。
一方、上位陣のなかで最初にピットに入ったのは39号車エアバスターRC350。大島和也に交代し追撃に入ると、244号車QUEEN EYES 34Zは三宅から田中哲也に交代。最もピットインを遅らせたのは52号車埼玉トヨペットクラウンで、42周を終えピットへ。ここで川合孝汰に交代するが、タイヤ無交換作戦を敢行する。
「今週ずっと僕がロングランを行っていたので、無交換作戦を採ったときは僕が担当することになっていました。ただレースになったときのコンディションの違いなどがあったので、そのフィーリングの違いをアジャストするのは大変でした」と川合はリードを広げ、45周目に39号車エアバスターRC350をかわした244号車QUEEN EYES 34Zが続く展開となった。
2回目のピットインでは、52号車埼玉トヨペットは川合から服部尚貴に交代。フレッシュタイヤを履くと、大島から冨林勇佑に交代した39号車エアバスターRC350を52号車埼玉トヨペットがリード。一方、72周を終えピットインした244号車QUEEN EYES 34Zは田中からふたたび三宅に交代するが、終盤、52号車の服部がリードを15〜16秒ほどに守り、そのままの順位でチェッカー。52号車埼玉トヨペット GB クラウンRSが第2戦SUGO以来となる今季2勝目を飾った。2位は244号車QUEEN EYES 34Z、3位は今季チャンピオンの39号車エアバスターRC350となった。
■チャンピオン争いはまさかのドラマに。林テレンプがチャンピオン獲得
グループ2のなかでも激戦のチャンピオン争いとなっていたST-4は、1周目に884号車林テレンプ SHADERACING 86の国本雄資がトップに浮上するも、2周目に310号車GRGarage水戸インター GR86を駆る坪井翔がトップを奪還する。
ST-4のランキング首位だった884号車林テレンプは、予選でも出たエンジンのパワーが上がらない症状が起き、国本がコクピット内でエンジンのオンオフなどのトライを試みるも、17周を終えピットイン。国本から石川京侍に交代。一時はタイトルに暗雲が立ちこめるが、エンジン再始動後はまだトラブルは残っていたもののペースを取り戻し、前を追っていく展開となった。
一方トップを走る310号車GRGarage水戸インターは、45周まで走りきりタイヤ無交換作戦を実施。堀尾風允に代わりピットアウトし、884号車林テレンプに対し24秒ほどのギャップを築いていくパーフェクトなレース運びだったが、48周を終え緊急ピットイン。まさかのエンジントラブルにより大きく遅れ、チームはなんとかコースに戻すものの、無念のストップとなってしまった。
一時は苦しい展開となるかと思われた884号車林テレンプだったが、トップに立っていた18号車Weds Sport 86をかわし石川から清水英志郎に交代すると、トラブルはありながらもしっかりと走りきり、トップチェッカーを受け884号車林テレンプ SHADERACING 86が2021年のチャンピオンを決めた。
■ST-Qはカーボンニュートラルに向けた2台が並んでチェッカー
予選の結果でチャンピオンが決まったST-5は、72号車TRES☆TiR☆NATSロードスターがレース序盤をリード。66号車odula TONE MOTULロードスター、456号車とodulaの2台が続く展開。トップの72号車TRES☆TiR☆NATSは66号車odula TONE MOTUL、456号車odula Star5 Roadsterの2台に対し序盤からリードを築き、金井亮忠から岡田衛に交代する。
ただ、odula勢は燃費走行を続けており、2回のピットストップで先行。最後は3回目のピットストップで給油を行った72号車TRES☆TiR☆NATSロードスターを駆る猪爪杏奈が力走をみせるも、456号車odula Star5 Roadsterが優勝。2位は今季チャンピオンのodula TONE MOTULロードスターに。72号車TRES☆TiR☆NATSロードスターは3位となった。
そして、ST-Qクラスは、序盤ST-4クラスの上位争いに松井孝允がスタートドライバーを務めた32号車ORC ROOKIE Corolla H2 conceptが割って入る活躍をみせた。ST-4クラスの3台の車両の背後からスタートしたが、1周目に18号車をかわすと5周目には884号車林テレンプをパス。スピードの面では第3戦富士から約6ヶ月間で約20%の出力、トルクが約30%向上されているが、そのパフォーマンスを強く印象づける走りをみせた。
一方、バイオディーゼル燃料を使う37号車MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIOは、寺川和紘がスタートを担当し、1時間のスティントをきっちり消化。ピットインの回数で速さに優るORC ROOKIE Corolla H2 conceptをリードしていく。井尻薫に交代した後もST-5勢と同様に2ピット3スティントで走りきり、マツダの常務執行役員でもある前田育男がチェッカードライバーを務めた。
ORC ROOKIE Corolla H2 conceptは給水素分の時間を要したものの、松井からモリゾウ、井口、佐々木、そして最後はふたたびモリゾウと交代し、まったくのノートラブルでしっかりとチェッカーまで走破。大幅なポテンシャルアップを感じさせ、最後は37号車MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIOとともにランデブーでチェッカー。今季最終戦を締めくくった。
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