広島、新スタジアムとキャプテン翼がコラボ!…作者の高橋陽一氏が「サッカー世界平和宣言」の巨大壁画を制作へ
サッカーキング2023年11月17日(金)11時50分
(左から)森崎氏、仙田社長、高橋氏、近賀 [写真]=湊昂大
サンフレッチェ広島は16日、新スタジアム『エディオンピースウイング広島』とキャプテン翼のコラボプロジェクト「PEACE WING HIROSHIMA PROJECT ONE」を発表した。建設中の新スタジアムが見える広島市内の「おりづるタワー」にて記者会見を行い、『キャプテン翼』原作者の高橋陽一氏らが出席した。
「PEACE WING HIROSHIMA PROJECT ONE」は、新スタジアムを世界中から人が集まる場所とし、「スポーツの力」、「夢」、「世界平和」という3つのテーマを世界に発信していくプロジェクト。世界的に人気のあるサッカーマンガ「キャプテン翼」とのコラボを通じて、広島を訪れ、平和について考えるきっかけを作っていく。
会見に出席した広島の仙田信吾代表取締役社長は、このプロジェクトについて「新スタジアムに世界中の人々が集まり、感動や体験をしていただいて、平和記念資料館だけではなく、スタジアムでも平和の思いを強くしほしい」と語り、「広島が『なぜ復興できたのか?』という問い対し、私たちはそこにスポーツの力、とりわけサッカーの力があったと伝えていきたい」と説明した。
高橋氏は、「プロジェクトキャプテン」に就任し、会見ではキャプテン翼の主人公・大空翼を描くライブドローイングも披露。「新スタジアムの建設はいちサッカーファンとしてもとても楽しみで、そのスタジアムに僕の壁画を飾っていただけることを大変光栄に思います。プロジェクトのテーマでもある『スポーツの力』、『夢』、『世界平和』はキャプテン翼を描く中でも大きなテーマだったので、それも踏まえて今回選ばれたことをとてもうれしく思います」と喜びを口にし、「スタジアム名に翼が入っていてうれしいですし、試合のない日でも見ていただけるような場所になってくれればいいなと思います」と話した。
高橋氏はプロジェクトの象徴として全長約10メートルの巨大壁画「ピースウォール」の制作を担当する。新スタジアムの外周に作られる壁画は、大空翼による「サッカー世界平和宣言」のシーンが描かれる予定。具体的な構想は未定だが、高橋氏は「(翼くんが)スピーチしている部分とスポーツマンガらしい躍動感ある絵を加えたいですし、絵だけではなくセリフも入れたほうがいいと思っている」と明かし、「『スポーツの力』、『夢』、『世界平和』のテーマが伝わるような壁画の構想を固めていきます」と意気込んだ。壁画は来年2月の新スタジアム開業までにお披露目される予定だという。
今回のコラボが実現するきっかけにもなった「サッカー世界平和宣言」は、大空翼がU-20日本代表のキャプテンとしてワールドユース制覇を成し遂げた後にしたスピーチのこと。「ボクはこの世界から戦争をなくしたい! 神様はこの世界にサッカーという素晴らしいスポーツを授けてくれた。戦うなら正々堂々サッカーで戦おう! ボクはサッカーで世界平和を訴えたい。“サッカー世界平和宣言” これがボクの優勝スピーチです!!」と力強く語っていた。
高橋氏はそのシーンを描いた当時を振り返り、「マンガを描く中、生活する中でも、この地球上で戦争が起きていて、戦争がなくなってほしいと常に思っている。マンガで描いた通り『どうせ戦うならサッカーで戦ってほしい』。それを描いたのはずっと前ですけど、その思いはずっと持っています」と話した。
なお、プロジェクトは小学生年代を対象としたサッカー大会や、スタジアムミュージアムでの『キャプテン翼』企画展示、プロジェクトに関連したカプセルトイの開発と販売、海外に向けた情報発信なども行う予定。そのほかのプロジェクトメンバーも今後改めて発表されるという。
『エディオンピースウイング広島』は、広島市中心部の中区基町に建設中で、今年12月に完成し、来年2月に開業する予定。11月14〜16日にはピッチに芝を敷く作業が行われ、いよいよ完成間近となった。
広島OBで現在はクラブアンバサダーを務める森﨑浩司氏は、会見後半に行われたトークセッションに登場し、「(新スタジアムは)外観だけでも迫力がある。現役時代もスタジアムがほしいと思っていたけど、こんな街中にできる想像はしていなかったので、すごくうれしい。日本サッカーや広島サッカーの発展にもつながってほしい」とコメント。
高橋氏は、新スタジアムについて「取材などでヨーロッパや南米に行くことがあるんですが、日本に足りないのはサッカー専用スタジアムの数だと思っていました。広島をはじめ国内にサッカー専用スタジアムを作る動きがあり、そういうスタジアムが増えれば、日本サッカー発展の力になると思います。もっと日本にサッカー専用スタジアムが増えることを願っています」と期待を込めた。
さらにトークセッションは「スポーツの力」、「夢」、「世界平和」をテーマに続き、サンフレッチェ広島レジーナのキャプテンを務めるDF近賀ゆかりは、なでしこジャパンでワールドカップを制したときに実感した「スポーツの力」をこう振り返った。
「2011年にW杯で優勝できたとき、その年の3月に東日本大震災がありました。復興に向けて毎日を必死に過ごしている方々の姿を見て、私たちにできることはサッカーを一生懸命にやることだけだと大会前にチームで掲げていた。復興に向けて戦う姿を目の当たりし、そこからいただいたパワーがチームに伝わって優勝できたと感じていた。優勝して日本に帰ってきたとき、多くの方から感動や勇気をもらったという声をいただき、まさにスポーツの力を感じました」
高橋氏は「世界平和」について、「まさに翼くんの優勝スピーチが僕の考える世界平和そのままです。サッカーは世界中で愛されるスポーツなので、世界平和を訴えることに適していると思います。また、広島という地も世界平和を発信するのにふさわしい街だと思っているので、今回のプロジェクトを通して改めて世界平和について発信していきたいです」と自身の思いを語った。
新スタジアムの立地は原爆ドームや広島城から近い街中にあり、国内外からの観光客も多い場所。サンフレッチェ広島は「スポーツの力」、「夢」、「世界平和」を国内外に伝える新たな拠点として新スタジアムを活用していく。
取材・文=湊昂大
「PEACE WING HIROSHIMA PROJECT ONE」は、新スタジアムを世界中から人が集まる場所とし、「スポーツの力」、「夢」、「世界平和」という3つのテーマを世界に発信していくプロジェクト。世界的に人気のあるサッカーマンガ「キャプテン翼」とのコラボを通じて、広島を訪れ、平和について考えるきっかけを作っていく。
会見に出席した広島の仙田信吾代表取締役社長は、このプロジェクトについて「新スタジアムに世界中の人々が集まり、感動や体験をしていただいて、平和記念資料館だけではなく、スタジアムでも平和の思いを強くしほしい」と語り、「広島が『なぜ復興できたのか?』という問い対し、私たちはそこにスポーツの力、とりわけサッカーの力があったと伝えていきたい」と説明した。
高橋氏は、「プロジェクトキャプテン」に就任し、会見ではキャプテン翼の主人公・大空翼を描くライブドローイングも披露。「新スタジアムの建設はいちサッカーファンとしてもとても楽しみで、そのスタジアムに僕の壁画を飾っていただけることを大変光栄に思います。プロジェクトのテーマでもある『スポーツの力』、『夢』、『世界平和』はキャプテン翼を描く中でも大きなテーマだったので、それも踏まえて今回選ばれたことをとてもうれしく思います」と喜びを口にし、「スタジアム名に翼が入っていてうれしいですし、試合のない日でも見ていただけるような場所になってくれればいいなと思います」と話した。
高橋氏はプロジェクトの象徴として全長約10メートルの巨大壁画「ピースウォール」の制作を担当する。新スタジアムの外周に作られる壁画は、大空翼による「サッカー世界平和宣言」のシーンが描かれる予定。具体的な構想は未定だが、高橋氏は「(翼くんが)スピーチしている部分とスポーツマンガらしい躍動感ある絵を加えたいですし、絵だけではなくセリフも入れたほうがいいと思っている」と明かし、「『スポーツの力』、『夢』、『世界平和』のテーマが伝わるような壁画の構想を固めていきます」と意気込んだ。壁画は来年2月の新スタジアム開業までにお披露目される予定だという。
今回のコラボが実現するきっかけにもなった「サッカー世界平和宣言」は、大空翼がU-20日本代表のキャプテンとしてワールドユース制覇を成し遂げた後にしたスピーチのこと。「ボクはこの世界から戦争をなくしたい! 神様はこの世界にサッカーという素晴らしいスポーツを授けてくれた。戦うなら正々堂々サッカーで戦おう! ボクはサッカーで世界平和を訴えたい。“サッカー世界平和宣言” これがボクの優勝スピーチです!!」と力強く語っていた。
高橋氏はそのシーンを描いた当時を振り返り、「マンガを描く中、生活する中でも、この地球上で戦争が起きていて、戦争がなくなってほしいと常に思っている。マンガで描いた通り『どうせ戦うならサッカーで戦ってほしい』。それを描いたのはずっと前ですけど、その思いはずっと持っています」と話した。
なお、プロジェクトは小学生年代を対象としたサッカー大会や、スタジアムミュージアムでの『キャプテン翼』企画展示、プロジェクトに関連したカプセルトイの開発と販売、海外に向けた情報発信なども行う予定。そのほかのプロジェクトメンバーも今後改めて発表されるという。
『エディオンピースウイング広島』は、広島市中心部の中区基町に建設中で、今年12月に完成し、来年2月に開業する予定。11月14〜16日にはピッチに芝を敷く作業が行われ、いよいよ完成間近となった。
広島OBで現在はクラブアンバサダーを務める森﨑浩司氏は、会見後半に行われたトークセッションに登場し、「(新スタジアムは)外観だけでも迫力がある。現役時代もスタジアムがほしいと思っていたけど、こんな街中にできる想像はしていなかったので、すごくうれしい。日本サッカーや広島サッカーの発展にもつながってほしい」とコメント。
高橋氏は、新スタジアムについて「取材などでヨーロッパや南米に行くことがあるんですが、日本に足りないのはサッカー専用スタジアムの数だと思っていました。広島をはじめ国内にサッカー専用スタジアムを作る動きがあり、そういうスタジアムが増えれば、日本サッカー発展の力になると思います。もっと日本にサッカー専用スタジアムが増えることを願っています」と期待を込めた。
さらにトークセッションは「スポーツの力」、「夢」、「世界平和」をテーマに続き、サンフレッチェ広島レジーナのキャプテンを務めるDF近賀ゆかりは、なでしこジャパンでワールドカップを制したときに実感した「スポーツの力」をこう振り返った。
「2011年にW杯で優勝できたとき、その年の3月に東日本大震災がありました。復興に向けて毎日を必死に過ごしている方々の姿を見て、私たちにできることはサッカーを一生懸命にやることだけだと大会前にチームで掲げていた。復興に向けて戦う姿を目の当たりし、そこからいただいたパワーがチームに伝わって優勝できたと感じていた。優勝して日本に帰ってきたとき、多くの方から感動や勇気をもらったという声をいただき、まさにスポーツの力を感じました」
高橋氏は「世界平和」について、「まさに翼くんの優勝スピーチが僕の考える世界平和そのままです。サッカーは世界中で愛されるスポーツなので、世界平和を訴えることに適していると思います。また、広島という地も世界平和を発信するのにふさわしい街だと思っているので、今回のプロジェクトを通して改めて世界平和について発信していきたいです」と自身の思いを語った。
新スタジアムの立地は原爆ドームや広島城から近い街中にあり、国内外からの観光客も多い場所。サンフレッチェ広島は「スポーツの力」、「夢」、「世界平和」を国内外に伝える新たな拠点として新スタジアムを活用していく。
取材・文=湊昂大
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