後任ライダーの選択が迫るレプソル・ホンダ。最終戦バレンシアGP後に控えるテストでの懸念/MotoGP
2023年シーズンのロードレース世界選手権は、残すところバレンシアGPの1戦のみとなった。MotoGPクラスにおいては最終戦を終えると、2日後に早くも2024年シーズンに向けてのテストが行われ、ライダーたちは準備を進めていくことになる。現在ほとんどのライダーたちのシートが確定しているが、ただひとつレプソル・ホンダ・チームのシートが未だ決まっていないため、ライダー決定に大きな注目を集めている。
今シーズンのライダー市場の話題で、最も注目を集めて衝撃を受けたのがマルク・マルケスの移籍だろう。マルケスは6度のチャンピオンに輝き、怪我に苦しんだ時期や近年では転倒も多く様々なシーズンを送り、11年間をホンダとともにした。しかし、HRCとの契約を1年前倒しさせ、2024年はグレシーニ・レーシングMotoGPへの移籍が決まり、弟のアレックス・マルケスと自身初のドゥカティ機を駆ることになる。
それにより、レプソル・ホンダ・チームはライダーを探さなければならない状況に置かれた。ホンダとしては、度々代役で起用していたイケル・レクオーナをMotoGPに昇格させ、ワークス入りするのではという噂もあった。しかし、彼は2025年までSBKに参戦することが10月末にすでに発表されたことで、ホンダとしては走らせるライダーがいない状況となった。
そんななかでふたりの候補が浮上する。ひとり目はマルケスの移籍によりシートを失ってしまった、ファビオ・ディ・ジャンアントニオだ。彼はMotoGPクラス参戦2年目のライダーで、初年度は1度のポールポジションを獲得したが、表彰台は掴めていなかった。しかし、マルケスの加入により来季のシート喪失が明らかになると、右肩上がりの活躍ぶりを発揮する。
予選でも速さを発揮して上位に食い込む走りを見せると、第16戦オーストラリアGPの決勝では初の3位表彰台を獲得。さらに第19戦カタールGPの決勝ではランキング首位のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)に競り勝ち、悲願の初優勝を飾った。MotoGPクラスで走り続けたいと願う彼は、存在感を存分にアピールしていた。そんなディ・ジャンアントニオは、レプソル・ホンダ・チームから打診を受けていたようだが、現時点ではどこまでの話し合いがあったかは公にされていない。
さらに、バレンティーノ・ロッシの異父弟であり愛弟子でもあるルカ・マリーニの元にも、その話し合いが持ちかけられていたという噂が流れている。MotoGPクラス参戦3年目を迎える彼は、ムーニーVR46レーシング・チームでドゥカティ・デスモセディチGPを走らせており、2024年も継続参戦することがすでに発表されている。
チームとの契約が残っており、さらに好調なドゥカティ勢から苦戦が続いているホンダへの移籍は今後を大きく左右する決断となるだろう。しかし、ファクトリーチームで走らせることが夢だというマリーニにとって、レプソル・ホンダ・チーム入りは決して悪くない話でもあるだろう。さらに兄のロッシもレプソル・ホンダ・チームで戦った経験があることから、助言もあったのかもしれない。
どこまで話が進んでいるかは明らかにされていないが、MotoGP公式のSNS投稿によると、ムーニーVR46レーシング・チームは「Moto2クラスから若いライダーを探している。我々は3〜4日で決めなければならない」とコメントも出しており、マリーニのレプソル・ホンダ入りも匂わせている。候補の中では一番可能性が高いと言えるのではないだろうか。
また、第17戦タイGP開催期間中にはアルベルト・プーチが「2〜3人と話をしている」との言及もしていた。そのため、ディ・ジャンアントニオとマリーニに加え、Moto2クラスから実力ある若手ライダーを引き抜くなど、様々な憶測と噂が混在している状況が続いている。そのなかでレプソル・ホンダ・チームは誰をマルケスの後任に抜擢するのか注目が集まる。
もし、バレンシアテストまでに後任のライダーが明らかにならなければ、レプソル・ホンダ・チームとしては、ライダー2名によるマシン開発が年明けの2月に行われるセパンテストまで先延ばしされることになる。不調が続くホンダ勢にとってそれは懸念したいところだが、そのためには遅かれ早かれ最終戦のバレンシアGPまでには発表する必要が出てくる。シーズン中に体制を決めることが出来るのか、はたまたライダー不在のままテストに参加することになるのか、決断を迫られているレプソル・ホンダ・チームの今後の動きに注目したい。
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