F1マネージングディレクターのロス・ブラウンが正式に引退を表明「これからはソファでF1を見る」
F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターの役割を6年間務めたロス・ブラウンが、F1の世界から引退することを正式に表明した。
現在68歳のブラウンは、2022年シーズン末で引退する計画であることを以前明かしていたが、11月28日に掲載されたFormula1.comの連載コラムにおいて、それを正式に認め、別れのメッセージを綴っている。
ブラウンは、F1のテクニカルディレクターやチーム代表として多数のチームの成功に大きく貢献した。ミハエル・シューマッハーとともに、ベネトンに1994年、1995年、フェラーリに1999年から2004年のタイトル獲得をもたらした。2008年にホンダのチームプリンシパルを務めた後、2009年にはチームを引き継ぎブラウンGPを設立、初年度にダブルタイトルを獲得。翌年にチームをメルセデスに売却し、2013年末まで代表を務めた。
2017年に、新たにF1のオーナーとなったリバティ・メディアにおいて、ブラウンはF1のモータースポーツ担当マネージングディレクターに就任、6年間にわたりその役割を務めてきた。その間にF1は、空力レギュレーションの大規模な変更やスプリントレース導入など、大きな変化を遂げた。
「F1で過ごす時期が終わりを迎えようとしている。F1の環境で得た関わり、仲間関係、友情から離れるのは寂しいことだ」とブラウンはコラムに記している。
「私は、我々がたどり着いた場所に満足している。私がマネジメントチームに加わってからのこの6年間で、真の変化があったと考えており、そのことに満足している。今のF1はかつてないほど強力である」
「リバティはF1に関与し始めた時、F1の経済面については理解していたが、スポーツやビジネスの側面については深くは知らなかった。チェイス・キャリーを責任者に起用したのは賢明だった。F1での経験を積んだベテランではなかったものの、彼はすぐさまビジネスとスポーツ面について把握したのだ」
「私は、当初彼らが必要としていたF1経験者として、リバティからアプローチを受けた。レースの面で改善するにはどうすればよいかという異なる視点からこのスポーツの発展に取り組めるのであれば、興味深いと思った。その点において成功したと考えている。素晴らしいチームを作り上げて成し遂げたことに、私は非常に満足している」
「我々はF1を新しい道へと進ませたのだ」
ブラウンは、今が引退する最適なタイミングであるとして、これからはひとりのファンとしてF1を外から楽しむと述べた。
「この数年、自分がしてきたことすべてが好きだった」
「チームの一員として働きたいという気持ちからは遠ざかっていた。それについては十分やりつくしたと感じたのだ。しかし今の仕事には魅力を感じた。リバティにこのような機会を与えてもらえたことは非常に幸運だった。本当にこの仕事が好きだった」
「今が引退するのにちょうどいいタイミングだ。仕事の大部分を成し遂げ、今は統合していく時期に入った。2026年には新しいマシンが登場する。だが、これから4年というのは私にとってはかなり長い。そのため、それについての役割は、次のグループに任せる方がいいだろう。自分は素晴らしい形でF1から去るのだと確信している」
「46年のキャリアのほぼすべての瞬間を楽しんできた。素晴らしいチーム、素晴らしいドライバー、素晴らしい人々と共に働けたことは幸いだった。何ひとつ後悔はない。ひとつ確かなことは、妻と家族の支えがなければ、この仕事を成し遂げることはできなかったし、この仕事に取り組みたいとは思わなかったということだ」
「これからはソファに座ってF1を見て、F1ファンとして応援したり文句を言ったりしよう。このスポーツが素晴らしい状況にあり、素晴らしい未来があることを喜んでいる」
「最高のレースに乾杯しようではないか」
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