ニッサン『GT-R(X)2050』発表。インターンシップ生が描いた未来のGT-Rを具現化
ニッサンUSAおよびニッサンデザインは12月17日、将来のカーデザイナーが描いた超自立型未来の“ビジョン”を基に製作した『GT-R(X)2050』の1分の1スケールモデルを発表した。
これまで世に送り出されてきた、どのGT-Rともまったく異なるスタイリングが与えれたGT-R(X)2050。“未来のGT-R”のひとつのかたちとして発表されたこのクルマは、韓国出身のアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン卒業生、チェ“JB”ジェボムが描いたビジョンを具現化したものだ。
カリフォルニア州ラホヤにあるニッサン・デザイン・アメリカ(NDA)のインターンシップに参加したJBは、クルマが物理的な接続を通じドライバーの感情を具現化することができる“将来の自律時代”のデザインを専攻。そんな彼が最終論文の題材として選んだのが、反逆の魂を持ったクルマ、ニッサンGT-Rだった。
「1月にNDAでインターンシップを開始し、約2カ月間企業プロジェクトに参加した。その後、COVID-19の影響で自宅で仕事をしながら残りのインターンシップで“ビジョンヒューマノイド”プロジェクトを開始したんだ」と述べたJBは「当時、NDAのチームが彼らのウイングの下に僕を招き、フルサイズモデルの作成を手伝ってくれるなんて想像もしていなかった」と続けた。
このプロジェクトを通じて完成したクルマは、全長10フィート弱に対して全高は2フィート強というサイズで、形状はその名を示すとおり“X”字型となっている。
デザインの中には現行GT-Rからヒントを得た箇所もあり、大胆でドラマチックな表面や一枚岩のようなボディボリューム、Vモーションデザインなどがその一例だ。また、GT-Rのシンボルでもある象徴的な丸形テールランプと、GT-R NISMOのレッドストライプもこれに含まれる。
乗車体勢はユニークだ。ドライバーは両手足を左右に広げ、うつ伏せの状態で身体をクルマに預ける。その際、ライダー用の装備に似たヘルメットや身体にフィットするスーツを着用する。
これはドライバーとクルマを“ドッキング”させるための装備だ。ヘルメットはVRビジョンと共有するフロントビジョンカメラ用のスロットに差し込むように設計された。また、内蔵される脳からコアへの送信機は、人間の脳がデジタル信号を活性化さsるのに役立つという。
■“クルマを着る”という発想から生まれたかたち
JBは“ウェアラブルマシン”として、人間の脳をコンピューターに接続することで、通常の自動運転車よりも優れたパフォーマンスを提供できると考えている。X字型の車両は人体の形を模しているため、脳を効率的に保護できると彼は述べた。
「今日のエキソスケルトンは、機械的な構造物を身につけることで人間をより強くしている。僕はまるでクルマを着ているかのように、できるだけ人の身体のサイズに合わせようとした」と、ボディレイアウトについて説明したJB。
「単なる乗り物ではなく、機械と人間がひとつになる空間、新しいかたちのマシンを作りたかったんだ」
NDAのデイビッド・ウッドハウス副社長は「JBは非常に才能豊かで、超創造的なデザイナーだ。ブレイン・トゥ・ビークル(B2V)によって駆動する未来のスーパーカーに関する彼のアイディアは、B2V分野におかえるニッサンの先進的な取り組みと完璧に一致している」と述べた。
「彼の論文は、テクノロジーが生み出す感情的な繋がりと、それが顧客にもたらすメリットを実証することに関するものだった。NDAチームにとっても、JBのアイディアを1分1スケールモデルとして形にすることを支援できたことは非常に刺激的だった」
「JBは従来の車両形式である“キャリッジ”ではなく、衣服のように“ウェアラブル”に体験できる新しい交通手段を構想した」
「これはNDAでつねに奨励されてきた一種の型破りな考え方だ。彼のビジョンを実現する手伝いができたことを光栄に思っているよ」
■ニッサンGT-R(X)2050 主要諸元
項目 | データ |
---|---|
乗員 | 1名 |
乗車体勢 | うつ伏せ(前向き) |
コントロール | ブレイン・トゥ・コンピューター・インターフェイス |
全長 | 2908mm |
全幅 | 1537mm |
全高 | 658mm |
ホイールベース | 1756mm |
ホイールサイズ | 15インチ |
タイヤサイズ | 21インチ |
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