<国士舘>総力挙げて掴んだ全国の切符、まずは学校悲願の選手権初勝利【選手権出場校紹介】
サッカーキング2018年12月25日(火)21時31分
東京都予選決勝、試合前にスタンドへ挨拶する国士舘イレブン [写真]=野口岳彦
まだ蝉が激しく競って鳴いていた8月16日。彼らの高校選手権は、インターハイの全国王者が決定したわずか3日後、すでに幕が上がっていた。そこから繰り返された“負ければ終わり”の8試合すべてに勝って、15年ぶりの全国切符を手にした国士舘。その原動力になったのは、「毎回16人全員使い切っているので、本当に今年は全員で繋いで、ここまで来てくれたなと思っています」と上野晃慈監督も言及する、サブメンバーたちの献身と奮闘だった。
2次予選2回戦の多摩大目黒戦。チームは正ゴールキーパーの小松直登(3年)を負傷で欠くことになる。1回戦ではPK戦で2本のキックを弾き出し、勝利の立役者となった守護神の不在。ただ、指揮官は「本当にマジメにやってくれていたし、よく準備してくれていた」と評価する、小松と同じ3年生の山田大晴に絶対的な信頼を置いてピッチへ送り出す。
すると、開始早々にフリーキックのピンチを防いだ山田は、後半にも2つのビッグセーブを披露して完封勝利に貢献してみせる。「あの試合は大晴が全部止めて、周りで見ている人にも『オマエもういらないんじゃね?』って言われましたし、本当に嬉しい半面、危機感があって『大晴、ちょっとやり過ぎかな』と思いました(笑)」と笑って振り返る小松は、戦列に復帰した準々決勝と決勝でも試合中のPKをストップ。一躍脚光を浴びる形になったが、その陰で“やり過ぎた”山田の存在がポジティブに作用していたことは間違いない。
準決勝の都立国分寺戦。なかなかゴールを奪えない展開の中、61分に井上優太(3年)が、63分に福田竜之介(3年)が相次いで投入される。そして何とか先制し、さらに突き放したい時間帯の71分。井上のスルーパスに抜け出した福田がエリア内で倒されると、主審の笛が鳴る。自らスポットに向かった福田は「決める自信しかない感じが最近あるんです」というPKを真ん中にグサリ。途中出場した2人の連係で大きな2点目を手にしたチームは、1年前に越えられなかった西が丘の壁を突破し、ファイナルへと勝ち上がった。
試合後に福田は正直な気持ちを明かしてくれる。「サブ組に回されて、一時期ちょっとふてくされていたんですけど、だんだん勝つにつれて『チームのためにやるべきだな』と思い始めて、気持ちを入れ直してやりました」。今では彼が登場すると、応援団のボルテージは一段階上がる。「それはたまに親から聞くことがあります」と照れくさそうに笑った福田。上野監督も「チームに対して凄く献身的な部分が出てきたので、頼りにしています」と語る“スーパーサブ”がチームを救うタイミングは、またきっと来るはずだ。
目標は過去3度の出場で果たせていない初戦突破。ファイナルで決勝ゴールを挙げた濱部響乃介(3年)が「まずは1試合目を勝って、また新しい歴史を刻めたらなと思います」と言い切れば、キャプテンの長谷川翔(3年)も「まず1勝して国士舘の歴史を塗り替えて、仲間と全国の舞台を楽しみたいと思います」と強い意気込みを口に。16人の出場選手や、30人の登録メンバーだけではなく、180人の部員全員で醸し出す一体感を武器に、国士舘は1勝の先へ秘めたる野望の実現を虎視眈々と狙っている。
取材・文=土屋雅史
2次予選2回戦の多摩大目黒戦。チームは正ゴールキーパーの小松直登(3年)を負傷で欠くことになる。1回戦ではPK戦で2本のキックを弾き出し、勝利の立役者となった守護神の不在。ただ、指揮官は「本当にマジメにやってくれていたし、よく準備してくれていた」と評価する、小松と同じ3年生の山田大晴に絶対的な信頼を置いてピッチへ送り出す。
すると、開始早々にフリーキックのピンチを防いだ山田は、後半にも2つのビッグセーブを披露して完封勝利に貢献してみせる。「あの試合は大晴が全部止めて、周りで見ている人にも『オマエもういらないんじゃね?』って言われましたし、本当に嬉しい半面、危機感があって『大晴、ちょっとやり過ぎかな』と思いました(笑)」と笑って振り返る小松は、戦列に復帰した準々決勝と決勝でも試合中のPKをストップ。一躍脚光を浴びる形になったが、その陰で“やり過ぎた”山田の存在がポジティブに作用していたことは間違いない。
準決勝の都立国分寺戦。なかなかゴールを奪えない展開の中、61分に井上優太(3年)が、63分に福田竜之介(3年)が相次いで投入される。そして何とか先制し、さらに突き放したい時間帯の71分。井上のスルーパスに抜け出した福田がエリア内で倒されると、主審の笛が鳴る。自らスポットに向かった福田は「決める自信しかない感じが最近あるんです」というPKを真ん中にグサリ。途中出場した2人の連係で大きな2点目を手にしたチームは、1年前に越えられなかった西が丘の壁を突破し、ファイナルへと勝ち上がった。
試合後に福田は正直な気持ちを明かしてくれる。「サブ組に回されて、一時期ちょっとふてくされていたんですけど、だんだん勝つにつれて『チームのためにやるべきだな』と思い始めて、気持ちを入れ直してやりました」。今では彼が登場すると、応援団のボルテージは一段階上がる。「それはたまに親から聞くことがあります」と照れくさそうに笑った福田。上野監督も「チームに対して凄く献身的な部分が出てきたので、頼りにしています」と語る“スーパーサブ”がチームを救うタイミングは、またきっと来るはずだ。
目標は過去3度の出場で果たせていない初戦突破。ファイナルで決勝ゴールを挙げた濱部響乃介(3年)が「まずは1試合目を勝って、また新しい歴史を刻めたらなと思います」と言い切れば、キャプテンの長谷川翔(3年)も「まず1勝して国士舘の歴史を塗り替えて、仲間と全国の舞台を楽しみたいと思います」と強い意気込みを口に。16人の出場選手や、30人の登録メンバーだけではなく、180人の部員全員で醸し出す一体感を武器に、国士舘は1勝の先へ秘めたる野望の実現を虎視眈々と狙っている。
取材・文=土屋雅史
(C) SOCCERKING All rights reserved.
「全国」をもっと詳しく
「全国」のニュース
-
TVアニメ『東京リベンジャーズ』スマートフォン向けゲームアプリ、「東京リベンジャーズ ぱずりべ! 全国制覇への道」が1.5周年記念キャンペーンを開催!6月8日15時16分
-
【夏の高校野球】全国一番乗りで神奈川抽選 昨夏は慶応が日本一 横浜、東海大相模など強豪そろう6月8日15時15分
-
「令和の五右衛門」と呼ばれた男、窃盗容疑で御用…全国を転々とし泥棒「生活費稼いでいた」6月8日14時48分
-
【株式会社コクメイ】 全国エリア対応の中古制服買取サイトをオープン6月8日14時46分
-
アニメ『【推しの子】』第2期、番宣CM公開! 全国35局で放送、ABEMAで地上波同時配信6月8日14時20分
-
Kis-My-Ft2、全国アリーナツアー映像化決定 最終日サプライズ・ソロ企画など収録【For dear life】6月8日14時0分
-
夏にむけて用意したいメイク関連アイテムを調査|まつ毛・眉毛サイト運営がアンケート6月8日13時16分
-
『ぼくのお日さま』カンヌ映画祭の裏側写真到着 9月6日先行公開決定6月8日12時5分
-
映画『ぼくのお日さま』池松壮亮らが参加したカンヌ国際映画祭の裏側を公開! 9.6から先行公開へ6月8日12時0分
-
九州南部が梅雨入り 平年・昨年より9日遅く 全国3番目の梅雨入り発表6月8日11時58分
スポーツニュースランキング
-
1西田「世界一のオポジットになりたいので」、藍「皆さん大好きです」バレー男子日本、全勝のスロベニアに勝利!【試合後インタビュー】 TBS NEWS DIG
-
2浦和移籍の噂も…中山雄太にスペイン3部関心か「高額年俸が問題」と現地報道 FOOTBALL TRIBE
-
3巨人 12球団ワーストタイ今季10度目零敗 阿部監督「2秒でいこう。何もない」 スポーツニッポン
-
4アイスショー「氷艶」5年ぶり開幕 高橋大輔さんら「銀河鉄道の夜」世界観を表現 スポーツニッポン
-
5えっ?マジかよ! 一体、何が起こった…!? 大谷翔平、まさかの判定で“異変”が起きた…! 一瞬だけ見せた“表情”にファン注目「普通ならキレるw」「どう見てもボールだろ」 ABEMA TIMES