クロフォードの「最高は俺だ」宣言に待った 米専門サイトが井上尚弥とのPFP論争に持論「多くの人がイノウエと感じている」
2度のタイトルマッチを制した井上。世界的な声価を高める「怪物」は、クロフォードの比較も日々続いている。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
井上尚弥(大橋)が「怪物」と呼ばれる所以を見せつけたKO劇に反響は広まった。
12月26日に東京・有明アリーナで行われたボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一戦12回戦で、井上は、WBA&IBF王者のマーロン・タパレス(フィリピン)に10回1分2秒KO勝ち。男子では世界2人目、アジア人で初めてとなる「2階級4団体統一」の歴史的偉業を史上最速の5か月で達成した。
【動画】タパレスが吹き飛ぶ強烈な拳 世界が愕然とした井上尚弥のKOシーン
タパレスを94発も上回る146発のヒットを記録するなど、文字通り圧倒的な強さを見せつけた井上。この段違いの快勝劇を受け、パウンド・フォー・パウンド(PFP)を巡る論争も白熱した。
全17階級あるボクサーの実力を比較し、体重差がなかった場合の最強選手を格付けするPFP。今回の井上の試合を受け、トップを巡っては海外メディアやSNS上では様々な議論が交わされた。そのなかでモンスターと対を成す存在として多くの声が上がったのが、今年7月に前人未到だった2階級での4団体統一をやってのけたウェルター級王者のテレンス・クロフォード(米国)だった。
当人も1位である自負を隠そうとはしなかった。日本時間28日の深夜に自身のX(旧ツイッター)を更新したクロフォードは「今年、パウンド・フォー・パウンドでトップ5のボクサーを倒したのは俺だけで、その倒し方も桁違いだった」と断言。そして「2023年の年間最優秀選手は俺だ。1試合しかしていないと言うやつもいるかもしれないけど、その1試合はほかのどの試合よりもデカかった」と続けた。
たしかにインパクトは強烈だった。7月に行った試合の相手は、PFP上位に位置付けられていたエロール・スペンスJr.(米国)。しかも、28戦無敗の王者をクロフォードは9回TKOという明確な形で決着させている。
ただ、年2試合のタイトルマッチを実施し、いずれも相手をノックアウトしている井上の実績を評価する声もある。米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』は「クロフォードが己の地位を確保するには十分すぎる結果は出している」と認めつつも、「日本のダイナモであるナオヤ・イノウエは、クロフォードとは違って2度も闘った。この1年間でイノウエがトップファイターとして値すると多くの人が感じている」と強調した。
互いに2階級での4団体統一という偉業を成し得た。どちらも甲乙つけがたいところがある。ゆえにPFPを巡る議論はしばらく落ち着かなさそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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