畜産現場で働く女性の4割が「結婚」を機に就農 「男尊女卑の精神が根強く、育った環境が違いすぎる」
日本全薬工業は1月19日、「畜産の現場で働く女性」に関する調査結果を発表した。調査は昨年12月〜21年1月にネット上で実施し、18〜65歳のFacebookユーザー190人から回答を得た。
畜産業に就いたきっかけを聞くと、最多は「畜産家と結婚」(62人)だった。次いで「動物が好きだった」(37人)、「家業を継いだ」(30人)、「昔からの夢だった」(15人)、「学生時代に研修に参加した」(9人)と続いた。
「女の子が生まれたら勝手に残念がられた」
回答者からは「酪農家になりたかったから、良い酪農家の旦那に出会えて良かった」といった声が挙がった。一方、
「お嫁に来たら稼業をしなければいけないという縛りが強い。男尊女卑の精神が根強く、育った環境が違いすぎて価値観のズレが半端ない」(北海道・乳牛・経営者の家族)
「子どもができるまでは『早く跡取りを!』と周りから急かされ、女の子が生まれたら勝手に残念がられて『次こそは男の子を』と言われた」(高知県・乳牛・経営者の家族)
などの体験談がよせられた。
続いて「同業の男性にキュンとする瞬間」を聞くと、1位は「トラクターの運転がうまい」だった。具体的には「私は牽引の免許持ってるけど、バックが苦手で乗ってません」「トラクターなど大型機械で作業をサクッとこなしている時」といった声が寄せられた。
2位以降は「力仕事をする姿」、「動物愛を垣間見た時」と続き、4位には「牛の扱いが上手」がランクイン。回答者からは、
「トラックに乗せる時など、私が押したり引っ張ったりしても乗らないのに、男の人が簡単に乗せてしまう時」(福島県・肉牛・経営者の家族)
「牛を怒鳴ったりせず軽やかに捕まえたり優しい姿を見た時」(鹿児島県・肉牛・経営者)
などの意見が多かった。
「女性用トイレ/更衣室を設置して欲しい」
また、職場で改善してほしいことを聞くと、「女性用トイレ/更衣室を設置してほしい」「女性の意見ももっと聞き入れてほしい」といった声が目立った。具体的には、トイレが男女兼用だったりするケースもまだまだ多いようだ。
続いて、畜産業の"あるある"を聞くと、
「人間の子どもの話をしてるのに基準が牛になってることがある。例えば人間の赤ちゃんがあまりミルク飲まないという悩みを聞き、『一日何リットル飲むの?』と聞いたり」(北海道・肉牛・従業員)
「結婚相手はトラクター運転できて健康で力持ちであれば誰でも良いという畜産女子が多い」(北海道・養豚・経営者の家族)
といった声が多い。また、子育てについては、
「もし、結婚して子どもが産まれたら、育児しながらの牛の管理は余裕が無くなりそう」(栃木県・肉牛・従業員)
「しわ寄せが子どもか、牛かのどちらかに行くような気がする」(宮崎県・肉牛・経営者の家族)
などと仕事との両立に悩む声が寄せられた。
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