勝間和代、高校教師の暴力問題で教員擁護の風潮に違和感 「煽られた時点でその場を離れるか助けを呼ぶべき」
東京町田市の都立高校で起きた教師から生徒への暴行問題に、賛否両論が出ている。1月21日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)でこれを取り上げると、経済評論家の勝間和代さんは「完全に傷害罪ですから、傷害罪を擁護するってあり得ないんですよ」と、教員の暴力を批判する姿勢を明らかにした。
番組では東スポWebの記事を紹介。暴力が批判される一方で、被害生徒の仲間が動画を撮影し「炎上させようぜ」とつぶやきツイッターに上げたことから、責任の所在が議論となっている。
タレントのデヴィ夫人は「こんな生徒は殴られて当然」と生徒に怒りを向ける一方、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんは、安易に挑発に乗ることの危険性を指摘。「暴力を振るわないで指導できる力をつけることが学校には求められているのです」と主張している。(文:okei)
「立場が不公平な上に殴って、しかも殴ったほうを擁護するって、あり得ないです」
番組ではマンガ家の倉田真由美さんが怒り心頭で「絶対ダメたって!殴るのがダメに決まってるじゃない」と口火を切った。生徒にも非はあるが、殴るのは犯罪であり、教師側を「擁護する意見が出るのがびっくりしますわ!」と暴力容認論に猛反発した。
これに勝間さんも「まったく同意見です」として、
「完全に傷害罪ですから、傷害罪を擁護するってあり得ないんですよ。しかも、かたや大人でかたや支配下にある高校生ですね。立場そのものが不公平ですから、不公平な上に殴って、しかも殴ったほうを擁護するって、あり得ないです。罠に乗ったとしてもダメです」
と冷静にコメントした。
さらに、「煽られた時点でその先生は冷静さを取り戻して、その場を離れるか助けを呼ぶべきです」と、あくまで冷静な対応をするべきとの意見を貫いた。
「取調室の可視化と同じ。殴らなければ何の問題もない」
しかし、実業家の三崎優太さんは、「ツイッターで炎上させようぜというのがすごい問題。先生の立場を考えると、いかなるときも録られている」などと教師の辛い立場に理解を示した。
倉田さんは「殴らなきゃいいじゃない。殴んなかったら生徒が悪いで終わってますから」と声を荒げながら突っ込むと、勝間さんもすかさず同意し、
「取調室の可視化と同じで、取調室は今までカメラがないから殴っていたわけでそれをしっかり可視化しましょうと(今ではなっている)。学校内でも殴らなければ、ぜんぶ映されてもなんの問題もないんです」
と断じた。
余談だが、去年話題になった書籍『友だち幻想』(宮城教育大学教授・菅野仁/筑摩書房)の中に、教師に対して「話せばわかるは幻想」だと説く記述がある。いまの諸問題は「みんないい子なんです」だけではやっていけず、無理に生徒の心を熱血指導でいじくろうとするよりも、「わかり合えないなと思ったときは、やはり距離をとればいい」と諭していた。勝間さんも「その場から離れる」ことを推奨していたが、筆者も同感だ。
番組では最後に、脳科学者の苫米地英人さんが「先生は暴力を振るわない、これは当然の決まりで、相手がツイッターで来るなら先生がクリエイティブに対応する方法を考えなきゃいけない」と発言。勝間さんは「そうなんです」と深く賛同していた。
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