鼻を完全喪失した美女が人工の鼻をつけない理由とは? 壮絶な闘病の果てに辿り着いた自信と美学
TOCANAでは過去に、病気によって鼻を全摘出した一人の女性について紹介している。鼻を失ったことで、”普通ではない”ことに対する社会の不寛容さに気がついた彼女は、義鼻を付けるのをやめて、ありのままの姿で生きることを決意。壮絶な闘病の末に辿り着いた ”生きていること以上に美しいことはない”という美学のもと、自信に満ちあふれた姿で社会にパワフルなメッセージを届けている。
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※こちらの記事は2021年2月17日の記事を再掲しています。
米テキサス州に住む女性、ティナさん(43)は、鼻癌のため鼻全体を摘出する手術を受けた。
ティナさんがステージ2の鼻癌であると宣告されたのは2014年の5月だった。彼女はこのとき困惑すると同時に恐怖を感じたという。放射線療法を勧められたが、視力や脳などに対する重篤な副作用の可能性があるため受け入れられなかった。そこで癌と決別する別の道を選んだ。医師からは「あなたは若くて魅力的な女性なので、私たちはこれからもずっとあなたを傷つけたくありません」と言われた。ティナさんは医師の言葉を理解しつつも、鼻を摘出する手術を受けることを決断した。
手術前、ティナさんは子供たちを抱きしめて大きく息を吸った。手術後には子供たちの匂いがわからなくなってしまうかもしれないからだ。そして、夫のうなじに鼻を押し当てた。
手術後のティナさんは「人々、特に子供たち、さらには自分の子供たちが自分を見てどういう反応をするか?」が気になって仕方なかった。もっとも年少の息子は手術後の母親と対面し、彼女の空洞になった鼻を見た時、顔を真っ赤にして震え出した。そして、「ママ、鼻に何が起こったの? 今すぐコナー先生のところに行ったほうがいいよ」と言った。コナー先生とは、息子のかかり付けの小児科医のことである。涙を流しながら笑う息子を見て、ティナさんは平然を装ったという。一方、夫は以前と変わらず愛情を持って接してくれた。
ティナさんは人々からはよく「どうやったらそんなに自信を持てるんですか?」と聞かれる。これに対して「生きていること以上に美しいことはないから」と答える。現在では、娘のクリスティーナさんと一緒にランチに出かけることを楽しみにしているほどだ。クリスティーナさんは「見た目は変わっても、彼女は私の母親です。彼女が今も生きてここにいてくれるだけで嬉しいです」と話す。
ティナさんは、鼻が無いだけで家族を激しく困惑させた経験をきっかけにして、社会が“普通”とは違うことに対して不寛容であることに気づいた。しばらくは人工の鼻を装着していたティナさんだが、それをやめて、ありのままの顔で生活するようになった。「どうして人工の鼻を着けないんですか? 鼻があればあなたはとても可愛いのに」と言う人もいるが、ティナさんは「どのみち私は可愛くないわよ」と笑って返すのだった。
「私たちは生まれた瞬間から、社会は私たちを、美しいと認められるものや見た目がよいものを入れる箱に入れようとします。私はその箱を壊したいと思っています。その箱を徹底的に粉砕したいんです。自分は美しくないと誰にも感じてほしくないからです」
ティナさんの自信に満ちあふれた姿は、彼女自身の人生を変えただけでなく、社会をも良い方向へと変えていくのだろう。
参考:「YouTube」、ほか
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