【高校受験2021】東京都立高校入試・進学指導重点校「日比谷高等学校」講評
リセマム2021年2月23日(火)19時15分
令和3年度(2021年度)東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が、令和3年2月21日(日)に実施された。東京都が令和3年2月15日に発表した最終応募状況によると、全日制は2万9,509人の募集人員に対して3万9,785人が志願し、最終応募倍率は1.35倍。リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査・進学指導重点校「日比谷高等学校」の講評を速報する。このほかの共通問題(全5教科)と進学指導重点校(全7校)についても同様に掲載する。
日比谷高等学校<英語>講評
1.リスニング問題:小問数5
例年通り、問題Aと問題Bの2つに分かれていました。問題Aは設問ごとに対話とそれに関する質問を聞き、適切なものを選択肢から答える形式です。問題Bはある中学校へ着任した外国人の英語教師による生徒に向けた自己紹介で、その内容に関する選択問題と英文記述問題が出されました。
2.対話文の読解(約1330語):小問数10
4人の高校生が砂の色や種類、資源としての重要性について話し合う対話文でした。本文では砂に関する様々な情報が交わされ、それを素早く、かつ的確に読み取っていく力が複数の設問で求められました。また、問4は2020年同様、15語以上で書く英作文が出されましたが、本文のヒントから書くべき内容を推測する思考力と記述力を要する問題でした。
3.説明文の読解(約1090語):小問数7
成功には試行錯誤が不可欠であることを述べた説明文です。問1は接続詞や代名詞などに注意を払いながら適切な文を選択する問題、問2は本文の流れに合うように正しい順番に文を並べかえる問題で、どちらの問題も精度の高い文脈把握力が必要でした。また、問3では自分の成功体験とその手段を本文の内容をふまえ、30語以上で書く英作文が出され、英語で自分の意見を表現する力が求められました。
4.自由英作文:小問数1
3年連続でイラストを見て50語以上で書く自由英作文が出題されました。イラストでは日常的な出来事が描かれていましたが、その状況を英語で説明することが難しく、また自分の意見も書かなくてはいけなかったため2020年同様、難度の高い問題だったと言えます。
日比谷高等学校<数学>講評
1.小問集合
平方根の計算、二次方程式、一次関数の変域、カードの確率、作図の5問構成でした。〔問1〕から〔問4〕は基本問題で、ミスなく確実に正解したいところです。〔問5〕は解法が複数考えられますが、標準的な難度でした。
2.二次関数
〔問1〕は三角形の相似を利用して座標を求める基本問題でした。〔問2〕、〔問3〕は直線の傾きを利用する問題で、文字を利用して丁寧に立式することが求められました。
3.円
〔問1〕は角度を求める基本問題でした。〔問2〕(1)は合同の証明問題で、解法の道筋が立てやすいため、対応しやすかったと思われます。(2)は線分比を求める問題でした。(1)の証明ができなくても、与えられた比から線分の比を調べて正解したいところです。
4.空間図形
直方体と、その底面を拡張して考えていく設定でした。〔問1〕は三角形の面積を求める問題で、図形の合同を利用して素早く正解を導きたいところです。〔問2〕は与えられた長さを図形の相似形に活用できれば難しくなかったでしょう。〔問3〕は体積を求める際の高さの求め方に気づくことができたかどうかで所要時間に差が出たと思われます。
日比谷高等学校<国語>講評
1.漢字の読み取り
受検生になじみの薄い表現も問われていますが、漢字の音読みから推測可能であったため、とりこぼしは避けたいところでした。
2.漢字の書き取り
極端な難問はありません。合格のためには堅実に得点したいところです。
3.あさのあつこ『アスリーツ』
主人公が部活の監督と対話している場面を描いた文章です。70字の記述は、傍線部前後の内容を丁寧にまとめることで対応が可能でした。それ以外の設問はすべて記号選択で、まぎらわしい選択肢は少なく、ストレートに文章内容の理解度を試すものでした。他の大問のことを考えると、この大問はあまり時間をかけずに手早く解答したいところでした。
4.更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』
生き物の進化について論じた文章です。生物学の具体的な内容に踏み込んでいるため、面食らった受検生がいたかもしれませんが、議論自体は分かりやすく具体的だったので、丁寧に読めば十分対応可能です。大問3と同様、設問はいずれも文章の内容を把握していれば正解が可能なものでした。250字の作文を含めて、自校作成に戻った2018年以来、最も取り組みやすい難度だったといえます。
5.篠田治美『和歌と日本語』
和歌にみられる日本人の自然観について論じた文章です。主張自体は明確ですが、記号選択4問ではまぎらわしい選択肢が複数含まれていて、選択肢を丁寧に検討することが求められました。和歌から抜き出す問題も文章内容をきちんと理解していないと間違えやすく、全体的に難度が高めの設問構成でした。
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このレポートは、令和3年2月22日(月)、23日(火)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。
SAPIX中学部は、新小学5・6年生、新中学1・2・3年生(現小4・5・6生、現中1・2生)を対象に「高校入試分析会 ~地域別 入試概況~」および「高校入試分析会 ~志望校別 データ分析~」をオンライン配信する。3月19日(金)から視聴可能。講演内容や視聴方法などの詳細は、SAPIX中学部のWebサイトで確認できる。
協力:SAPIX中学部
日比谷高等学校<英語>講評
1.リスニング問題:小問数5
例年通り、問題Aと問題Bの2つに分かれていました。問題Aは設問ごとに対話とそれに関する質問を聞き、適切なものを選択肢から答える形式です。問題Bはある中学校へ着任した外国人の英語教師による生徒に向けた自己紹介で、その内容に関する選択問題と英文記述問題が出されました。
2.対話文の読解(約1330語):小問数10
4人の高校生が砂の色や種類、資源としての重要性について話し合う対話文でした。本文では砂に関する様々な情報が交わされ、それを素早く、かつ的確に読み取っていく力が複数の設問で求められました。また、問4は2020年同様、15語以上で書く英作文が出されましたが、本文のヒントから書くべき内容を推測する思考力と記述力を要する問題でした。
3.説明文の読解(約1090語):小問数7
成功には試行錯誤が不可欠であることを述べた説明文です。問1は接続詞や代名詞などに注意を払いながら適切な文を選択する問題、問2は本文の流れに合うように正しい順番に文を並べかえる問題で、どちらの問題も精度の高い文脈把握力が必要でした。また、問3では自分の成功体験とその手段を本文の内容をふまえ、30語以上で書く英作文が出され、英語で自分の意見を表現する力が求められました。
4.自由英作文:小問数1
3年連続でイラストを見て50語以上で書く自由英作文が出題されました。イラストでは日常的な出来事が描かれていましたが、その状況を英語で説明することが難しく、また自分の意見も書かなくてはいけなかったため2020年同様、難度の高い問題だったと言えます。
日比谷高等学校<数学>講評
1.小問集合
平方根の計算、二次方程式、一次関数の変域、カードの確率、作図の5問構成でした。〔問1〕から〔問4〕は基本問題で、ミスなく確実に正解したいところです。〔問5〕は解法が複数考えられますが、標準的な難度でした。
2.二次関数
〔問1〕は三角形の相似を利用して座標を求める基本問題でした。〔問2〕、〔問3〕は直線の傾きを利用する問題で、文字を利用して丁寧に立式することが求められました。
3.円
〔問1〕は角度を求める基本問題でした。〔問2〕(1)は合同の証明問題で、解法の道筋が立てやすいため、対応しやすかったと思われます。(2)は線分比を求める問題でした。(1)の証明ができなくても、与えられた比から線分の比を調べて正解したいところです。
4.空間図形
直方体と、その底面を拡張して考えていく設定でした。〔問1〕は三角形の面積を求める問題で、図形の合同を利用して素早く正解を導きたいところです。〔問2〕は与えられた長さを図形の相似形に活用できれば難しくなかったでしょう。〔問3〕は体積を求める際の高さの求め方に気づくことができたかどうかで所要時間に差が出たと思われます。
日比谷高等学校<国語>講評
1.漢字の読み取り
受検生になじみの薄い表現も問われていますが、漢字の音読みから推測可能であったため、とりこぼしは避けたいところでした。
2.漢字の書き取り
極端な難問はありません。合格のためには堅実に得点したいところです。
3.あさのあつこ『アスリーツ』
主人公が部活の監督と対話している場面を描いた文章です。70字の記述は、傍線部前後の内容を丁寧にまとめることで対応が可能でした。それ以外の設問はすべて記号選択で、まぎらわしい選択肢は少なく、ストレートに文章内容の理解度を試すものでした。他の大問のことを考えると、この大問はあまり時間をかけずに手早く解答したいところでした。
4.更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』
生き物の進化について論じた文章です。生物学の具体的な内容に踏み込んでいるため、面食らった受検生がいたかもしれませんが、議論自体は分かりやすく具体的だったので、丁寧に読めば十分対応可能です。大問3と同様、設問はいずれも文章の内容を把握していれば正解が可能なものでした。250字の作文を含めて、自校作成に戻った2018年以来、最も取り組みやすい難度だったといえます。
5.篠田治美『和歌と日本語』
和歌にみられる日本人の自然観について論じた文章です。主張自体は明確ですが、記号選択4問ではまぎらわしい選択肢が複数含まれていて、選択肢を丁寧に検討することが求められました。和歌から抜き出す問題も文章内容をきちんと理解していないと間違えやすく、全体的に難度が高めの設問構成でした。
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このレポートは、令和3年2月22日(月)、23日(火)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。
SAPIX中学部は、新小学5・6年生、新中学1・2・3年生(現小4・5・6生、現中1・2生)を対象に「高校入試分析会 ~地域別 入試概況~」および「高校入試分析会 ~志望校別 データ分析~」をオンライン配信する。3月19日(金)から視聴可能。講演内容や視聴方法などの詳細は、SAPIX中学部のWebサイトで確認できる。
協力:SAPIX中学部
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