世界が注目する「Naked Festival」 岡山県西大寺のはだか祭り、各国テレビ局も続々取材に
全国に数多くある「はだか祭り」の中でも、比較的規模が大きく知名度があるのが、岡山県岡山市にある西大寺(さいだいじ)で毎年2月に行われている「会陽(えよう、はだか祭り)」だ。
2018年は2月17日に行われたが、この西大寺会陽に外国人参加者(観光客としてではなく実際にはだか祭りへ参加する人)が増加しているという報道が、ここ数年よく見られる。今年も2月18日付で朝日新聞デジタルによって報じられていた。
日本三大奇祭のひとつとされることもあり、有名なはだか祭りであることは確かだが、国外からも参加者が集まっているというのは本当なのだろうか。
参加者はもちろんテレビ局の取材も続々
西大寺のサイトに記載された説明によると、会陽が始まったのは奈良時代。室町時代には祈祷の際に配られる守護札を手に入れると福が得られると話題になり、希望者が殺到。やむを得ず参詣者の頭上に撒いたところ奪い合いになり、いつの間にか裸に。さらに身を清めるために水行などが組み合わさっていったという。
ちなみに現在では本堂内で2本1対の宝木を奪い合うことになっており、いずれか1本を持って寺の門外に出た人がその年の福男になる。はだか祭りなので、当然参加者はまわし1枚だ。
まさにTheはだか祭りといった内容だが、外国人がまわし1枚になって宝木を奪い合う、というのはかなりハードルが高いようにも思える。本当に参加者が増加しているのだろうか。
ツイッター上の投稿を確認してみると、YouTube上で「ONLY in JAPAN」という動画を投稿している、米国人ジョン・ドーブさんのツイートなどが確認できる。ただし、これはドーブさん本人が2013年に参加した際の動画だ。
The #naked man festival in Japan known as #hadakamatsuri #裸祭りjust took place in #okayama and it was I was there in 2013 to make this guide. https://t.co/NTylN3WoZM #西大寺会陽 #onlyinjapantv -john
- John Daub (@ONLYinJAPANtv) 2018年2月18日
AFP東京支局のツイートもあるが、こちらも国内からの情報発信。
Ready to rumble at Japan's naked festival https://t.co/SRJy09bs52 photo @BEHROUZZZZ @AFP pic.twitter.com/fMYw8QlkwR
- AFP Tokyo (@AFPTokyo) 2017年2月20日
これだけでは、「外国人参加者が増加!」しているのかどうかはわからない。実態はどうなっているのか。Jタウンネットが18年3月、「西大寺会陽奉賛会」のある岡山商工会議所西大寺支所に取材をしたところ、担当者は次のように話してくれた。
「実数を調査しているわけではないのですが、近年外国人の参加者が増加していることは間違いありません。岡山県内でALT(英語授業のティーチングアシスタント)として来日している方々が団体で参加している例などもありますが、海外から来る人も多くいます」
海外からの商工会議所への問い合わせも増加しており、会陽の公式サイトにも去年から英語ページを追加。今年は中国語、韓国語ページも追加したという。
「地元住民の方々が参加者のためにボランティアで着替え所を提供しているのですが、そちらからも、『外国人の方が多くなりましたよ』というお話を聞いています」
どうやら、ちょっと観光客が増えているといった状況ではないようだ。海外のインターネットニュースを調べてみたところ、イギリスのタブロイド紙「Daily Mail」や「The Sun」「Mirror」などが会陽についての記事を出していた。
「Daily Mail」と「The Sun」は「Bun Fight!」の見出しと共に、「祝福されたスティックを巡る裸の男たちの戦い」と紹介。「Mirror」に至っては、2017年12月28日付で「The most iconic photos of 2017」という記事を公開しており、その中でも「the annual Naked Man Festival or 'Hadaka Matsuri' at Saidaiji Temple in Okayama, Japan」として会陽を紹介するなど、かなりの力の入れようだ。
話題にしているのはタブロイド紙だけではない。
「去年はイギリスのBBC、フランスのCanal+、オーストラリアのABC Newsが取材に来ました。こうした報道を見て、参加しようと考える方が増えているようです。今年もいくつかの国から取材が来ていたようで、米国のテレビ局の女性キャスターの方が、女性も参加できる『女性はだか』を体験されたと聞いています」
海外からそれだけ熱視線が向けられている理由は何なのだろうか。商工会議所でも疑問に思い、取材に訪れたテレビ局に確認してみると、「ネットで検索したら見つかった」と言われたとのこと。
「確かに『Japan Naked Festival』などと検索をすると、西大寺会陽が検索結果によく挙がります。なぜ会陽なのか明確な理由はわからないのですが、奇祭と言われたり、国内のはだか祭の中ではかなり規模が大きいためではないでしょうか」
もはや、「国際的な、祝福されたスティックを奪い合うフェス」の様相を見せている西大寺会陽。読者の方々も負けじと参加してみてはいかがだろうか。
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