7歳の娘を強姦・殺害されたシングルマザーの復讐劇! 「性的に誘惑された」犯人の言葉に激昂、法廷で射殺=ドイツ
法廷にあらわれた我が子を殺した容疑者に私的制裁を加えた母親がいる。隠し持っていた拳銃で容疑者の背中に計8発の銃弾を撃ち込んだのだ――。
娘を殺されたシングルマザーの復讐劇
国家理性に委任することなく、自分たちの安全を守るために私的に主張する正義のことは「自警団的正義(vigilante justice)」と呼ばれ、正義に反すると思えば躊躇なく私的制裁に打って出る人々がいる。
1981年3月6日、マリアンネ・バッハマイヤー(当時30歳)は法廷に銃を持ち込み、7歳の娘を虐待して首を絞め殺したクラウス・グラボウスキー(当時35歳)の背中に銃を向けて8回発砲して銃殺した。
マリアンネの自警団的正義の行為は、当時のメディア報道を席巻し、多くの理解者や支持者を獲得した。彼女は当初、殺人罪で起訴されたが、後に過失致死罪で有罪判決を受けて懲役6年を言い渡されたのである。
順を追って振り返ってみたい。1950年6月3日生まれのマリアンネ・バッハマイヤーは幼少期に両親が別居し、母親は再婚するという家庭に育った。
マリアンネは16歳の若さで母親になり、18歳で第2児を出産したが、子供たちは両方とも養子に出された。
1973年、23歳のマリアンネはアンナを出産し、当時の西ドイツの都市、リューベックでパブを経営しながらシングルマザーとしてアンナを育てていた。自分にとって第3子のアンナだけは責任を持って育てることを決意したのだ。
1980年5月5日の朝、アンナは家を出た時に近所に住む肉屋のクラウス・グラボウスキーに一緒にネコと遊ぼうと誘われ、学校には行かずに彼の家に行ったのである。
グラボウスキーはアンナに数時間性的暴行を加えた挙句、タイツで首を絞めて殺害した。その後、アンナの遺体を箱に入れて運び出し、運河のほとりに埋めたのだった。
グラボウスキーの婚約者は明らかに彼の様子が変であったため警察に通報した後、同日の夜にグラボウスキーは逮捕された。彼は殺人を自白したが、性的虐待を否定したのだった。
クラウス・グラボウスキーは児童虐待の前科があり、1973年には6歳の子供の首を絞めた罪で執行猶予付きの判決を受け、その数年後には2人の9歳児を虐待して受刑者となった。1976年に彼は去勢手術を受けることに同意し、それと引き換えに釈放された。
去勢されたことで性欲が大幅に減衰することが見込まれていたのだが、グラボウスキーは後にホルモン剤の投与によって性欲を取り戻したといわれている。
殺人罪が取り下げられ服役後3年で釈放される
アンナを殺害したグラボウスキーの公判がはじまり、グラボウスキーの弁護人は彼の行動は、去勢手術後の継続的なホルモン剤投与によって引き起こされたホルモンの不均衡の結果であると主張した。
グラボウスキーは、7歳のアンナは彼を誘惑して身体を触らせ、そのことを母に言いつけると脅し、お金を要求したために殺害したと主張した。
マリアンネはこの主張にショックを受けて憤慨し殺意を覚えたのである。
裁判の3日目である1981年3月6日、マリアンネは大きな財布に22口径の自動拳銃(ベレッタ70)を忍び込ませて出廷した。そしてグラボウスキーが自分の前に来た時に、彼女は8回発砲して彼を銃撃したのである。マリアンネはその場で逮捕され、グラボウスキーは病院へ運ばれる途中で死亡した。
私的制裁でグラボウスキーを殺害した後、マリアンネはすぐに裁判にかけられた。裁判中、彼女は殺害前に夢の中でグラボウスキーを撃ち、法廷で娘のビジョンを見たと証言した。マリアンヌの自警団的正義は全国的な反響を巻き起こし、裁判は国際的にも注目を集めた。
1982年11月2日、マリアンネは殺人罪で起訴されたが、検察は後に殺人罪を取り下げた。4カ月後、彼女はリューベック地方裁判所で過失致死罪と銃器の不法所持で有罪判決を受け、6年の禁固刑を言い渡された。だが彼女は3年間服役した後に釈放された。殺人を犯して3年の刑期で出所したというのは異例のことである。
釈放後、マリアンネは1985年に結婚し、1988年に夫と共にナイジェリアのラゴスに移り住み、夫がドイツの学校で教鞭を執って生計を立てた。しかし2人は1990年に離婚し、マリアンネはシチリアに引っ越した。
彼女の私的制裁から13年後の1995年、マリアンネはラジオ番組に出演し、その後に自伝も出版された。
しかし残念ながらマリアンネ・バッハマイヤーは、1996年9月17日に膵臓癌のため46歳で死去した。彼女は亡くなる前に、北ドイツ放送局(NDR)のレポーター、ルーカス・マリアに自分の人生の最後の瞬間を撮影するように依頼した。彼女は現在、リューベックの墓地にある娘のアンナと同じ墓に埋葬されている。
児童虐待の常習者であったグラボウスキーを去勢手術を条件に釈放したことは正しかったのだろうか。もちろん釈放されていなければアンナの命が奪われることはなかった。
そしてすでに死刑が廃止されていたドイツで、グラボウスキーがこの先ものうのうと生き永らえることをマリアンネは許せなかったということなのだろう。多くにとってマリアンネの私的制裁を“愚行”だと言い切ることは難しいに違いない。
参考:「Bugged Space」ほか
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