妻の手作り弁当が暴いた夫の悪事!?異変を察知した妻が弁当に仕込んだイタズラで意外な展開が…
All About2024年4月15日(月)22時5分
「お弁当を作って」と懇願したくせに。子どもたちの弁当作りを始めたところ夫からも弁当を希望され、早朝5時起きで作り始めた45歳のモモエさんだったが、夫の反応に異変を感じるようになり……。
子どものお弁当は作っても、夫の分は作るのがおっくう。そんな妻は多いかもしれない。
子どもと夫、比べるわけではないものの、「子どもは文句を言わないし、何でもきれいに食べてくれる」「夫は日頃の食事には何も言わないくせに、お弁当となると妙に細かな希望を出してくる」など、妻たちからはさまざまなクレームが上がる。
私は社食があるんですが、もうこうなったら節約のために自分の分もお弁当にしようと決めたんです。お弁当作りは面倒だけど、子どもたちのためならしかたがない」
モモエさん(45歳)は元気な口調でそう言った。今では夕食を作るときにお弁当のことも考えながら料理するようになり、かなり手間は省けているという。高校生の息子も、中学生の娘もスポーツをしているためか、とにかく食べる。
栄養や彩りも「一応、考えている」そうだ。自分の分は、ふたりの余り物を弁当箱に入れるだけ。それなりに節約にはなる。
でも夫は『さすがに四半世紀近く食べてると、味つけに飽きるんだよね』って。私の味がいいのかななんてちょっとうれしくなって、『じゃあ、持って行く?』と聞いたら、夫もうれしそうに『うん』と」
ところが夫の分が増えるとなったら、子どもたちの弁当を作った余りを入れればいいというわけにはいかなくなった。冷凍食品や作り置き惣菜も駆使し、毎日、写真を撮ってなるべく似たメニューが続かないように工夫した。
「5時起きですよ、毎日。その代わり夕飯後の片付けは夫に丸投げしています。子どもたちが毎日、元気に『おいしかった』と言ってくれるのが張り合いでした。
夫も最初のうちは『おいしかったよ』と言ってくれましたが、だんだん言わなくなっていった」
それどころか、「この前の煮豆、ちょっと味が甘すぎたかな」と言っても「そんなことないよ」とあやふやな答えが返ってくる。
なんだかおかしい、本当に食べてるのと聞くと、「何言ってんだよ」と夫は気色ばんだ。
「なんか嫌な予感がしたから、翌日、夫のお弁当にだけ佃煮や海苔を使って『アイシテル』とごはんの上に書いてみたんです。ついでにピンクのでんぶでキスマークもつけておきました」
すると帰宅した夫が「ああいうのはやめてくれない?」と仏頂面で弁当箱を差し出した。どうして、いいじゃない。メッセージ付きのお弁当、楽しいでしょと言ってみた。
「すると夫は、急にああいうのは困るんだ。ほら、みんなにからかわれるし……って妙に媚びたような笑みを浮かべたんです。だから翌日、もっと激しくしてやりました。『コンヤ、ベッドデネ』って(笑)。
ハートマークもつけました。すると夫は『明日から当分、弁当はいいや』と。理由も言わなかったんです」
不信感が高まり、モモエさんは翌日、たまたま代休をとっていたのでお弁当を持って夫の会社に行ってみた。受付近くで夫の携帯に電話をしようとしていると、家にも遊びに来たことのある夫の後輩が声をかけてきた。
するとさらにそこへ別の後輩の女性が通りかかった。そのときの彼女の目が、まるで射るような感じで怖かったんですよ。
あの方、なんて言う方だったっけと後輩くんに言うと、『ああ、彼女はマサミさん。先輩の大ファンで、彼女がお弁当を買うときは僕らには回ってこないんですよね』と」
そう、モモエさんの夫は後輩に弁当を売っていたのだ。しかもマサミさんという女性は、夫のことが好きらしい。夫も彼女を気にしているのだろうか。モモエさんは、黒い塊のような不安に襲われた。
「『こんなことを妻であるモモエさんに言っていいかどうかわからないけど、昨日は、マサミさん、買ったお弁当を思い切り捨ててましたよ』と後輩くんが言うんです。
『なんか最近、モモエさん、お弁当にいたずらしてるでしょ。僕はおもしろいと思ってるけど、マサミさんにはショックだったのかも』と。
そして彼は声をひそめて『マサミさん、先輩にかなり粘着してますから気をつけたほうがいいかも。いや、僕の考えすぎならいいんですけど』と、最後は笑いながら去って行きました。
確かにさっきのマサミさんの目は怖かった。夫を奪おうとしているんだろうか、あるいはすでに夫と何か関係があるんだろうか。考えていたら気分が悪くなり、モモエさんはお弁当を夫に渡さずに帰宅した」
その日、帰宅した夫は「今日来たんだって? 連絡くれればよかったのに。ずっと外回りだったんだよ。夕方、後輩に聞いた」となにげなく言った。
「ねえ、昨日のお弁当のおかず、何だったか覚えてる? と聞いたら夫はしどろもどろ。仕事をしながら食べたからほとんど覚えてないって。『マサミさんに捨てられたお弁当、かわいそうだよね』と言って、夫の反応を待たずに部屋を出ました」
それから数日間、夫は釈明もせず、最低限の発言しかしない。これは怪しいとモモエさんはにらんでいる。たかがお弁当から始まったこの一件、どこまで追求したらいいかわからないまま悩んでいると彼女は困惑していた。
(文:亀山 早苗(フリーライター))
子どもと夫、比べるわけではないものの、「子どもは文句を言わないし、何でもきれいに食べてくれる」「夫は日頃の食事には何も言わないくせに、お弁当となると妙に細かな希望を出してくる」など、妻たちからはさまざまなクレームが上がる。
子どものお弁当を作るようになったら
「昨年から、上の子が高校、下の子が私立中学に入り、一気に私のお弁当作り人生が始まりました。私は社食があるんですが、もうこうなったら節約のために自分の分もお弁当にしようと決めたんです。お弁当作りは面倒だけど、子どもたちのためならしかたがない」
モモエさん(45歳)は元気な口調でそう言った。今では夕食を作るときにお弁当のことも考えながら料理するようになり、かなり手間は省けているという。高校生の息子も、中学生の娘もスポーツをしているためか、とにかく食べる。
栄養や彩りも「一応、考えている」そうだ。自分の分は、ふたりの余り物を弁当箱に入れるだけ。それなりに節約にはなる。
「オレもお弁当がいいなあ」と夫
「ところが今年の初めから、夫が『オレもお弁当がいいなあ』と言いだした。夫の会社は社食が充実しているんですよ。食品関係の会社だからメニューも豊富だし、私はいつも羨ましいと思っていた。でも夫は『さすがに四半世紀近く食べてると、味つけに飽きるんだよね』って。私の味がいいのかななんてちょっとうれしくなって、『じゃあ、持って行く?』と聞いたら、夫もうれしそうに『うん』と」
ところが夫の分が増えるとなったら、子どもたちの弁当を作った余りを入れればいいというわけにはいかなくなった。冷凍食品や作り置き惣菜も駆使し、毎日、写真を撮ってなるべく似たメニューが続かないように工夫した。
「5時起きですよ、毎日。その代わり夕飯後の片付けは夫に丸投げしています。子どもたちが毎日、元気に『おいしかった』と言ってくれるのが張り合いでした。
夫も最初のうちは『おいしかったよ』と言ってくれましたが、だんだん言わなくなっていった」
それどころか、「この前の煮豆、ちょっと味が甘すぎたかな」と言っても「そんなことないよ」とあやふやな答えが返ってくる。
なんだかおかしい、本当に食べてるのと聞くと、「何言ってんだよ」と夫は気色ばんだ。
夫が逆ギレするときは怪しい
長年の付き合いで、夫が逆ギレしたり気色ばんだりするときは何か負い目があるときだとモモエさんはわかっていた。「なんか嫌な予感がしたから、翌日、夫のお弁当にだけ佃煮や海苔を使って『アイシテル』とごはんの上に書いてみたんです。ついでにピンクのでんぶでキスマークもつけておきました」
すると帰宅した夫が「ああいうのはやめてくれない?」と仏頂面で弁当箱を差し出した。どうして、いいじゃない。メッセージ付きのお弁当、楽しいでしょと言ってみた。
「すると夫は、急にああいうのは困るんだ。ほら、みんなにからかわれるし……って妙に媚びたような笑みを浮かべたんです。だから翌日、もっと激しくしてやりました。『コンヤ、ベッドデネ』って(笑)。
ハートマークもつけました。すると夫は『明日から当分、弁当はいいや』と。理由も言わなかったんです」
不信感が高まり、モモエさんは翌日、たまたま代休をとっていたのでお弁当を持って夫の会社に行ってみた。受付近くで夫の携帯に電話をしようとしていると、家にも遊びに来たことのある夫の後輩が声をかけてきた。
妻の勘は、ある意味正しかった
「モモエさんじゃないですか、ごぶさたしてますって。しかも彼、『お弁当、ありがとうございます。みんなで買わせてもらってます』と。買わせてもらってるって何、と思いながらも、私も一応大人なので、ヘラヘラと挨拶しておきました。するとさらにそこへ別の後輩の女性が通りかかった。そのときの彼女の目が、まるで射るような感じで怖かったんですよ。
あの方、なんて言う方だったっけと後輩くんに言うと、『ああ、彼女はマサミさん。先輩の大ファンで、彼女がお弁当を買うときは僕らには回ってこないんですよね』と」
そう、モモエさんの夫は後輩に弁当を売っていたのだ。しかもマサミさんという女性は、夫のことが好きらしい。夫も彼女を気にしているのだろうか。モモエさんは、黒い塊のような不安に襲われた。
「『こんなことを妻であるモモエさんに言っていいかどうかわからないけど、昨日は、マサミさん、買ったお弁当を思い切り捨ててましたよ』と後輩くんが言うんです。
『なんか最近、モモエさん、お弁当にいたずらしてるでしょ。僕はおもしろいと思ってるけど、マサミさんにはショックだったのかも』と。
そして彼は声をひそめて『マサミさん、先輩にかなり粘着してますから気をつけたほうがいいかも。いや、僕の考えすぎならいいんですけど』と、最後は笑いながら去って行きました。
確かにさっきのマサミさんの目は怖かった。夫を奪おうとしているんだろうか、あるいはすでに夫と何か関係があるんだろうか。考えていたら気分が悪くなり、モモエさんはお弁当を夫に渡さずに帰宅した」
その日、帰宅した夫は「今日来たんだって? 連絡くれればよかったのに。ずっと外回りだったんだよ。夕方、後輩に聞いた」となにげなく言った。
「ねえ、昨日のお弁当のおかず、何だったか覚えてる? と聞いたら夫はしどろもどろ。仕事をしながら食べたからほとんど覚えてないって。『マサミさんに捨てられたお弁当、かわいそうだよね』と言って、夫の反応を待たずに部屋を出ました」
それから数日間、夫は釈明もせず、最低限の発言しかしない。これは怪しいとモモエさんはにらんでいる。たかがお弁当から始まったこの一件、どこまで追求したらいいかわからないまま悩んでいると彼女は困惑していた。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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