時間差の2度揚げが旨さの秘訣! 絶品すぎる「鶏の素揚げ」を明大前駅で堪能してきた
『鶏料理酒場 あほうどり』の「鶏の素揚げ・半身」 | 食楽web
家で鶏のからあげを食べる機会は多いと思いますが、丸鶏の素揚げとなると、やっぱり専門店で味わう、という人がほとんどではないでしょうか。素揚げの魅力は、何と言ってもモモ肉からムネ肉、手羽先まで一気に楽しめること。手づかみでわしわし鶏肉に喰らいつくワイルドさも楽しいですよね。
今回、ご紹介するのは2021年の元旦に東京・明大前駅にオープンした『鶏料理酒場 あほうどり』。名物は大山どりを使った「鶏の素揚げ」です。店主の寺崎光亮さんが、『鳥房』(京成立石)や『丸鶏るいすけ』(新宿)など、東京の素揚げの名店を食べ歩き、研究に研究を重ねた末に完成させた絶品すぎる素揚げを味わえるとのウワサ。
今回、実際に食べてみて、味覚を優しく包み込んでくれるような味わいの素揚げに感激しまくり。というわけで、その魅力をご紹介していきましょう。
味覚を優しく包み込んでくれるような味わいの素揚げに感激!
『鶏料理酒場 あほうどり』があるのは明大前駅の南側。落ち着いた住宅街を少し歩くと見えてきます
鶏の素揚げは半身(1300円)と全身(2500円)が選べますが、今回は一人なので半身をオーダー。待つこと10分で半身揚げが登場。早っ! 半身揚げといえば、からあげに比べてサイズが大きいうえに骨や部位も多いため、揚げ上がりまで20〜30分ほどかかることもザラ。この提供スピードには少し驚きました。
店主の寺崎さんによれば、開店前に一度揚げておき、オーダーが入ってからもう一度揚げているからとのこと。時間差で2度揚げすることで最適な火入れができると同時に、パリッとした皮の食感もさらに際立つわけですね。揚げ方に各店ともさまざまな工夫を凝らしているのも素揚げの面白さの一つです。
「鶏の素揚げ・半身」。揚げたてのいい香りで食欲が爆発しそうになります
素揚げなので衣は当然なし。味付けは塩のみというシンプルさですが、こちらの半身揚げには特製ニラダレが付いてくるのが特徴。これはニラ、醤油、みりん、ニンニク、ショウガ、ネギなどを使ったオリジナルのタレです。
まずは何もつけずにいただきます。皮はパリッ! そしてムネ肉の部位はしっとりとした歯ざわりで、あっさりとしていながらもコクのある味わい。「うん、ウマい!」と思わずつぶやいてしまいました。この時点でこの半身揚げは間違いないと確信。そしてモモ肉は肉汁をたっぷりたたえた「プリン!」とした舌触りで、これまた濃厚でコク深い旨みが口いっぱいに広がります。肉本来の美味しさが存分に引き出されているのがよくわかります。
特製ニラダレは甘辛く、ちょっと酸味もあって、これをつけると肉の味がグーンと引き締まります。うーん、このタレも実にウマし。鶏肉だけでなく、何にでも合いそうなタレです。
いろいろな部位を楽しめるのが半身揚げの魅力!
あっという間に食べ尽くしてしまったのですが、しっかり揚がっているので、小さい骨までバリバリと食べることができます。これがまた香ばしくて美味しい。半身だけでもけっこうなボリュームです。
印象としては、歯や舌を、旨みたっぷりのやわらかい真綿でふんわり包み込むような、非常に優しく滋味深い味わいでした。『鳥房』や『丸鶏るいすけ』がアグレッシブな騎士ならば、こちらはおしとやかな淑女といったところでしょうか。
食べ始めると止まらない「ぼんじりの素揚げ」も最高!
「ぼんじりの素揚げ」は食べ始めると止まらない旨さ
今回はもうひと品、「ぼんじりの素揚げ」(580円)もいただきました。今さら説明不要かとは思いますが、ぼんじりとは鶏のお尻の骨周りの肉。一羽から少ししかとれない希少部位です。聞けば、店主のご祖母様が北九州の方で、幼い頃によく食べさせてもらっていたものを思い出してメニュー化したんだそう。筆者も九州・大分出身ですが、九州は鶏肉文化圏。鶏のさまざまな部位を揚げて食べる習慣は古くからあるので大いに納得。
さて、ブラックペッパーがふりかけられたぼんじりの素揚げをいただきます。口にすると、軽い反発力のあるコリフワ感が実に心地よい歯ざわり。旨みも強く、ブラックペッパーのピリッとした刺激も手伝って、一度食べ始めると止まらなくなる“底なし沼”系の美味しさ。これはビールと相性ピッタリです。食べ終えてもしばらくは口の中に旨みが残ってやみつきに。思わず追加オーダーしてしまいたくなる逸品でした。
●SHOP INFO
[食楽web]
店名:鶏料理酒場 あほうどり
住:東京都世田谷区松原2-28-20 サンクレール 1F
TEL:03-6379-0515
営:火〜木・日17:00〜24:00
金・土・祝前日18:00〜翌1:00
休:月曜
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。
(c)TOKUMA SHOTEN@All Rights Reserved
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