「安くて便利が当たり前」に疲弊するサービス業の人々「繁忙期は1日12時間勤務。人がいなければ休日出勤必須」
飲食、販売、観光、アミューズメント。物だけでなく、情報や快適さ、技術、娯楽などあらゆるものが「サービス業」の商品として扱われている。人々の余暇ニーズを満たすための業界だからこそ、働く側の負担が重くなる場合もある。企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた口コミからは、サービス業界のハードな勤務形態が見えてきた。(参照元 キャリコネ「サービス業」)
「土日まったく休めない」「長期休暇が取り辛い」
「サービス業であるため、夏季休暇や年末年始、長期休暇に関して休みを取り辛い。店舗によって残業時間に違いがあり、手当は出るが土日まったく休めないこともある」(ショップスタッフ 20代後半男性 契約社員 年収350万円)
「休日出勤、深夜早朝勤務、有給のとりづらさ、勤務条件はあまりよくなかった。サービス業だから仕方ないが、もう少し改善してほしい」(代理店営業 30代前半男性 正社員 年収400万円)
圧倒的に多く見られた口コミは、「休みの取り辛さ」に関するものだ。レジャー業界などは、世の中が休みの時期ほど稼ぎ時である。物流サービスや医療、介護サービスなど、社会インフラともいうべき業界は、常に動いていなければならない。
しかし、人々の需要に応えるために「いつでも開いている」「いつでも使える」状態を目指した結果、現場スタッフの長時間労働や長期休暇の取得しにくさといった問題が生まれてしまった。
2014年に牛丼チェーン店「すき家」の「ワンオペ」体制が話題となったのは記憶に新しい。人手不足を補うため、深夜の時間帯にスタッフ1人で店を切り盛りしていたことが明らかになり、「ブラックだ」と批判された。
こうした現場の状況を理解し、改善しようとしない企業に責任があることは事実だ。しかし消費者が過剰な「便利さ」を求めることも、社員の労働環境を悪化させる一因になっていることを忘れてはならない。
「サービス残業当たり前。子どもを持つと続けにくい」
「サービス業なのでやはりしんどいです。当たり前のようにサービス残業がありますし、土日はほとんど休みが取れません。子どもを持つとなると女性は続けにくいと思います」(ショップスタッフ 20代後半 正社員 年収350万円)
「サービス業なだけあって残業は非常に多い。繁忙期である12月は1日に12時間以上働くことは普通。たとえ休日でも人がいなければ、休日出勤は必須。しかし残業代はほとんどみなしなので、お金にならないところが非常に辛い」(ホールスタッフ 20代前半男性 契約社員 年収300万円)
「サービス業なので、土日祝が仕事なのは仕方ないが、祝日の振り替え休日がもらえるわけでもなく、週に2回かっきりしか休めない。年間休日数はかなり少ない」(その他 30代前半女性 正社員 年収250万円)
休みが取れないだけでなく、労働時間に給料が見合っていないという声も多かった。長時間働いても、みなし残業制のため残業代が支払われなかったり、年収も200〜300万円台にとどまっていたりする。これでは家庭を持つことはおろか、一人暮らしもままならない。
厚生労働省が発表した2016年度の「業種別入職率・離職率」を見ると、最も離職率が高いのは宿泊・飲食系のサービス業の30%。2番目に離職率が高い生活関連サービス・娯楽業は20.3%と、いずれも他の業界と比べ群を抜いている。
企業側は、長時間の営業を維持できるだけの人員を維持し、正当な対価を支払わなければいけない。休みを確保し、労働者が働きやすい環境を整えなければ、離職率を下げることは難しいだろう。消費者側も「安くて便利が当たり前」という意識を変える必要がありそうだ。(参照元 キャリコネ「サービス業」)
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