奈良市内の保育園・こども園で園児43人食中毒 保健所は「給食で出されたサバの塩焼きが原因」
奈良市は、市立の保育園と3つのこども園で、今月13日に提供された給食によって、園児43人が食中毒にかかったと発表。
提供されたサバの塩焼きに含まれていた、ヒスタミンが原因と断定した。
トレンドニュースキャスター取材班は、奈良市保健所から詳しく話を聞いた。
43人に発疹の症状
奈良市保健所によると、6月13日の昼に給食を食べた後、43人の園児の口や背中や顔、腹部などに発疹の症状が出たという。
うち、2人が病院を受診したが、症状は軽く、すでに全員回復している。
なお、保健所が調査したところ、給食で提供されたサバの塩焼きから、こどもが食中毒を発症する量のヒスタミンが検出された。
加熱しても減らない
ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(アミノ酸の一種)に、ヒスタミン産生菌の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成される。
なお、ヒスチジンは、カジキ、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、イワシ、アジなどの赤身魚及びその加工品に多く含まれている。
ヒスチジンが多く含まれる食品を、常温に放置するなどの不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成される。
注意すべきは、一度生成されたヒスタミンは、加熱しても減らないことだ。
赤身魚の常温解凍は危ない
奈良市保健所の担当者は、トレンドニュースキャスターの取材に「冷凍保存した赤身魚を、常温で解凍することは危ない」と話す。
冷凍した赤身魚を解凍する際は、冷蔵庫内で解凍するなど、可能な限り低温で短時間のうちに解凍することが大事だという。
また、冷蔵保存であっても、できるだけ早く食べることが必要。
なお、ヒスタミンによる食中毒は、大人でも高熱の症状を呈することがある。
そのため、食べた際に舌先がピリピリしたときには、すぐに食べるのをやめるように呼びかけている。
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