『閃光のハサウェイ』ヒロインの作画が驚異的! とにかく丁寧に作られた映画だった
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が先日ついに公開された。僕もやっと映画館に行く時間が取れた。そしてこのコラムも、映画を観終わった直後に書いている。
そもそも原作小説は大昔に出ているので多くの人が見る前から結末を知っている状況だが、一応ネタバレ要素には触れないようにしつつ、感想を述べていきたい。(文:松本ミゾレ)
焦らしに焦らされてやっと観た感想の第一は「気合の入ったギギ作画だなぁ」本作は1989年から90年にかけて刊行された、富野由悠季氏によるSF小説のアニメ版作品だ。長らく映像化が望まれていた。一部ガンダムゲームでは、本作の登場キャラクターやMSが少しばかり出ていたが、本格的な映像表現は今回の劇場版が初めてだ。
なにせ原作小説がかなり古い時代の作品。本作の12年前が舞台の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』とはハサウェイの声を担当した声優さんが違うが、これも時間の流れのせいとか、事情あってのことなのだろうからしょうがない。
最初は「え? ハサウェイの声が佐々木望さんじゃないの?」と肩透かしを食らったが、実際に映画館で本作でのハサウェイ役である小野賢章さんの声を聞いてみたところ、あんまり違和感を抱かなかった。この部分が気になると本当に最後まで「ちょっとなあ」という気持ちが拭えないものなので、キャスティングの巧みさを感じた次第である。
あと、ケネス・スレッグもいいキャラをしていた。どうしても僕なんかは2000年に発売されたプレイステーション用ソフト『SDガンダム GGENERATION-F』の印象から、ケネスは金髪ってイメージが強かったんだけども、これも実際動いてる絵を見ると気にならなくなった。
そんなことより、この映画の見どころはヒロイン、ギギ・アンダルシアである。彼女は原作版でも結構パンチの効いたキャラだったが、この映画ではマジでギギ描写に力が入っている。
極限まで魅力的な女性として描かれており、無重力空間での髪のそよぎ方や、地球に降りてからも風になびく髪の描写など、この子だけ作画の熱量が別格! 本作には他にも女性が多数登場するが、「ギギか、それ以外か」って感じで本当にヒロインヒロインしている。
そこまで魅力的に描かれると、嫌いになる理由がもはやないよね。作中でも女神と呼ばれているけども、看板に偽りなしの美人描写だった。
MS同士の空中戦もかっこいいぞ!あとペーネロペーの駆動音が凄くいい!何よりこの映画は『機動戦士ガンダム』だ。だから「人物のことはいい! ガンダムの話をしろ!」とテム・レイみたいな人も多いだろう。結論から言うと、今回のメインの戦闘シーンは夜間なので、そういう意味ではMSの細部があまりよく見えなかった感はある。
だけど、実際に戦っているシーンを見れば(特にメッサーがかっこいい動きをしている)、それも欠点とは言えないレベルに白熱していたのは事実。何よりハサウェイがクスィーガンダムに乗っていきなりなかなかの空中機動を見せたシーンは、軽く目眩がした。カッコよすぎて。まあ、これぐらいはネタバレとは呼ばないはずなので、皆さんも気にしないで読み進めてね。
それと個人的に、この映画で一番印象に残ったのが、連邦軍の新型ガンダム、ペーネロペーの駆動音だ。未知の円盤が発する宇宙的な音というか、やけに耳に残る気持ちいい音を発しながらビュンビュン飛ぶのだ。
あれって感覚としては昔のウルトラシリーズで、宇宙人が登場している間にずっと鳴っていた音によく似ている。古くからのマニアが、「存在音」と呼んでいたそれと、ペーネロペーの駆動音の耳に残る感触が、非常に似ているのだ。これが、妙に魅力的なのである。
さらにペーネロペー自体の劇場版でのデザインも素晴らしいので、ちょっとガンプラ欲しくなってしまった。まあ、転売屋のせいでプレ値じゃないと当分入手できないっぽいけど。
それにしてもギギの作画すごかった。エレベーターの中での魚眼レンズ越しみたいな作画ですら美人に見えるって本当にえらいことだよ。
あ、ちなみに18日から劇場公開2週目記念とのことで、入場者を対象にした「週替わり歴代ガンダム劇場フィルム」第2弾配布というキャンペーンがスタートしている。このキャンペーンは5週連続で開催されているとのことで、2週目は『機動戦士Zガンダム』とその劇場版3部作、『機動戦士ガンダムZZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の名場面フィルムがランダムでもらえる。
こういう来場者プレゼントっていいよね。ちなみに僕は劇場版『Z』の1シーンとおぼしき、カミーユとファのショットをゲットしたぞ! 君も今すぐ劇場に行って、かっこいいシーンのフィルムをゲットしよう! そしてもし最強最高デザインMSことジ・Oの写っているフィルムを引き当てたら、僕と交換だ! 約束だぜ!
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