小学校教員に必要な英語授業のプロセスとは
リセマム2019年8月2日(金)12時45分
いよいよ来年度に迫った新小学校学習指導要領の完全実施。中学年から取り組むこととなった英語の授業に関して、小学校教員はどのように取り組めばよいのだろうか。2019年7月26日、イーオン教務コーディネーターの菅井幸子氏と専任講師の窪田遼氏によるセミナーが開かれた。
クラスルーム・イングリッシュから始める
菅井氏はクラスルーム・イングリッシュのプロセスを説明するうえで、集まった教員ら64名に英語に対する意識を聞いた。すると、英語に対する苦手意識のある人が圧倒的に多かった。小学校で英語教育はあったもののALT(Assistant Language Teacher)に任せきりで自身が教えることはなかったからだという。
「先生だから間違えてはいけない」「生徒に伝わるだろうか」という意識が働くのは無理もない。だが、小学校での英語教育に求められているのは正しい英語ではなく英会話を楽しむという体験ではないだろうか。クラスルーム・イングリッシュとは、生徒が英語を話したくなるような空間を自然とつくるためのツールだと菅井氏は話す。教員自身が楽しんで英語を使うことで、non-native speakerとしてのロールモデルの役割を果たすだろう。
また、小学生が理解しやすいようにするため、なるべく短い文章で話す場面は多くなる。必要なのはSSCというShort、Simple、Clearな英語だけ。そこで言語を支える手段として、話す際の表情やジェスチャーが重要だという。意識的に声に出して英語を使う練習を繰り返し行うことが円滑な授業を行うことにつながる。
セミナーでは練習時間を設けられたが参加者は表情までは気を遣えていないようすだった。しかし、隣同士での実践になると、打って変わって豊かに表現している人が多く見られた。
Small Talkに挑戦
英語に初めて触れる児童もいる中で、どのようにして会話を生み出していくのかという迷いは尽きない。窪田氏はSmall Talkを聴講者に提案した。こちらは英語を使って会話をする中で、自然とその言葉を覚えていくというアクティビティである。話すテーマを決めておくことで、聞き手は単語を知らなくても何となく意味が分かることがある。このように、意味から単語や表現を定着させるのだという。
既習表現の定着を目的としているため、それを用いる場面の例文を教員自身の話で用意しておく必要がある。つくられた話だと言葉に詰まったり、児童を惹きつけられなかったりするため、あくまで教員の体験にもとづいて児童と会話することを意識すべきだと窪田氏は言う。
原稿を用意すると、紙を見ないと話せなくなってしまうリスクがある。簡単な筋道だけを自分の中で組み立てて、授業の場において自分の言葉で話すことで、生徒からのリアクションも得やすくなるだろう。
英語の授業に必要なスキル
英会話はスピーキングとリスニングで成立するもの。教員が絶対に間違えてはならないわけではないものの、でたらめばかり話してはいけない。授業の準備段階として大切なのは多聴多読である。身近なメディアやアプリなどを活用し、教員自身が学び英語力を向上させておくと、英語の授業だからと言って気張らずに臨めるだろう。
英語の授業が他の授業とまったく別物のように思われているが、実際のところ構成や準備をすることには大差ない。単元に沿った流れを組めば良い。どんなヒントが必要で、それをどれだけ与えると子どものためになるのかを考えることは、どの授業にも共通している。あとは少しだけアクティブさをもたせると、児童の積極性を引き出すことができるだろう。
菅井氏は「生徒がどのように受け取るかはわからない。だからこそ、まずは定型文を使うなどの挑戦をして、失敗しても反復練習をして、挑戦する機会やできる表現をどんどん増やしていってください」と締めくくった。
グローバル化の進む社会の中で英語は当然欠かせないスキルである。これからを担う子どもたちのために、小学校教育での取組みは楽しく行われるべきではないだろうか。教員は必ずしも完璧でなくても良い。児童のロールモデルとして、かっこいい大人であってほしい。
クラスルーム・イングリッシュから始める
菅井氏はクラスルーム・イングリッシュのプロセスを説明するうえで、集まった教員ら64名に英語に対する意識を聞いた。すると、英語に対する苦手意識のある人が圧倒的に多かった。小学校で英語教育はあったもののALT(Assistant Language Teacher)に任せきりで自身が教えることはなかったからだという。
「先生だから間違えてはいけない」「生徒に伝わるだろうか」という意識が働くのは無理もない。だが、小学校での英語教育に求められているのは正しい英語ではなく英会話を楽しむという体験ではないだろうか。クラスルーム・イングリッシュとは、生徒が英語を話したくなるような空間を自然とつくるためのツールだと菅井氏は話す。教員自身が楽しんで英語を使うことで、non-native speakerとしてのロールモデルの役割を果たすだろう。
また、小学生が理解しやすいようにするため、なるべく短い文章で話す場面は多くなる。必要なのはSSCというShort、Simple、Clearな英語だけ。そこで言語を支える手段として、話す際の表情やジェスチャーが重要だという。意識的に声に出して英語を使う練習を繰り返し行うことが円滑な授業を行うことにつながる。
セミナーでは練習時間を設けられたが参加者は表情までは気を遣えていないようすだった。しかし、隣同士での実践になると、打って変わって豊かに表現している人が多く見られた。
Small Talkに挑戦
英語に初めて触れる児童もいる中で、どのようにして会話を生み出していくのかという迷いは尽きない。窪田氏はSmall Talkを聴講者に提案した。こちらは英語を使って会話をする中で、自然とその言葉を覚えていくというアクティビティである。話すテーマを決めておくことで、聞き手は単語を知らなくても何となく意味が分かることがある。このように、意味から単語や表現を定着させるのだという。
既習表現の定着を目的としているため、それを用いる場面の例文を教員自身の話で用意しておく必要がある。つくられた話だと言葉に詰まったり、児童を惹きつけられなかったりするため、あくまで教員の体験にもとづいて児童と会話することを意識すべきだと窪田氏は言う。
原稿を用意すると、紙を見ないと話せなくなってしまうリスクがある。簡単な筋道だけを自分の中で組み立てて、授業の場において自分の言葉で話すことで、生徒からのリアクションも得やすくなるだろう。
英語の授業に必要なスキル
英会話はスピーキングとリスニングで成立するもの。教員が絶対に間違えてはならないわけではないものの、でたらめばかり話してはいけない。授業の準備段階として大切なのは多聴多読である。身近なメディアやアプリなどを活用し、教員自身が学び英語力を向上させておくと、英語の授業だからと言って気張らずに臨めるだろう。
英語の授業が他の授業とまったく別物のように思われているが、実際のところ構成や準備をすることには大差ない。単元に沿った流れを組めば良い。どんなヒントが必要で、それをどれだけ与えると子どものためになるのかを考えることは、どの授業にも共通している。あとは少しだけアクティブさをもたせると、児童の積極性を引き出すことができるだろう。
菅井氏は「生徒がどのように受け取るかはわからない。だからこそ、まずは定型文を使うなどの挑戦をして、失敗しても反復練習をして、挑戦する機会やできる表現をどんどん増やしていってください」と締めくくった。
グローバル化の進む社会の中で英語は当然欠かせないスキルである。これからを担う子どもたちのために、小学校教育での取組みは楽しく行われるべきではないだろうか。教員は必ずしも完璧でなくても良い。児童のロールモデルとして、かっこいい大人であってほしい。
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