【終戦の日】戦時中、慰問袋の常連だったふりかけ「旅行の友」を食べてみた
ロケットニュース242024年8月15日(木)12時0分
本日8月15日は終戦記念日。毎年この日が近づくと私(中澤)は死んだおばあちゃんのことを思い出す。おばあちゃんの兄(大叔父)が特攻隊員だったことは以前の記事でお伝えした通りだが、テレビで戦争特集を見るおばあちゃんの背中が忘れられないのだ。
うるさいセミの声、目が痛いくらい眩しい太陽、濃くなった庭の木影、コップについた水滴、どこか神妙なおばあちゃん。子供心にあまり好きな日ではなかった。
・思うところ
親族と言っても大叔父だから、これくらい遠めの血縁者に特攻隊員がいるって珍しいことなのかどうかは分からない。ただ、私はおばあちゃんと一緒に住んでて半分おばあちゃんに育てられたようなものなので、家系図上の印象よりは近い実感がある。生きてりゃ会うこともあっただろう。
逆に言うとその程度で、もちろん戦争反対ではあるんだけど、国のシステム面や歴史について全てを結びつけるほどディープな思想を持っているわけではない。
・靖国神社のミュージアムショップで
というわけで、先日、ホロライブシティ2024で東京ドームシティに行った際、靖国神社に行ってみた。物販が6時間待ちだったため、時間潰しのためにこの辺の観光スポットを探したところ靖国神社が表示されたのである。
事実、綺麗だし広いし、この辺では良い観光スポットだ。木陰もあって公園みたいになってるし、いち神社好きとして楽しめる神社であると言えよう。そんな感じで境内を歩いていたところ……
遊就館のミュージアムショップで「戦時中、内地からの慰問袋で人気だった」的なことがポップに書かれたふりかけが販売されていた。その名も復刻版『旅行の友(税込540円)』。
・兵食展
当時は画期的な容器だった筒型容器をそのままの形で再現したものらしい。遊就館では2024年3月16日から11月16日まで特別展の「兵食」が開催されているのだが、これは当時の軍の食事のリアルが展示されているもので、パンフレットを見ると体験できる兵食の1つとして復刻版『旅行の友』が紹介されている。
入場料300円と安かったので入ってみたところ、特別展の展示にも確かに「慰問ふりかけ」と書かれた『旅行の友』が展示されていた。色とかパッケージデザインはそのままではない模様。
・食べてみた
食べてみたところ、味としては塩味が強く鰹っぽい風味がする。シンプルだが飽きないその味に、とにかくご飯が進んだ。
『旅行の友』自体が今もあることは以前の記事でお伝えしているが、復刻版は卵が入ってないので味は違うと思われる。しかし、味の完成度としては今のふりかけとほぼ変わらない。ただ、味云々よりも……
大叔父さんもこれ食べてたのかなあ。
それとも慰問袋とかもらうほどの時間の猶予はなかっただろうか。いずにせよ、想いを馳せるものがあった。体験の大切さってこういうところにあると思う。
・人間み
兵食の展示にしても同じことが言える。例えば、カレーライスの説明にあった「海軍での食事は士官と下士官・兵に分かれていた。基本的に士官は食費を自腹で支払うことになっており、それに伴い、士官の食事は、下士官・兵のそれよりも豪華になることが度々あった」という記載とか。自腹だったらそりゃウマイもん選ぶよな。
食事は毎日食べるもの。最も身近なことゆえに人の息遣いを感じることができた。文字や歴史では存在が希薄になりがちな1人1人の人がいたことを忘れてはならないと思う。79年経った今、嵐のように流れる情報の中、1人1人が見えにくい時代だからこそ──。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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うるさいセミの声、目が痛いくらい眩しい太陽、濃くなった庭の木影、コップについた水滴、どこか神妙なおばあちゃん。子供心にあまり好きな日ではなかった。
・思うところ
親族と言っても大叔父だから、これくらい遠めの血縁者に特攻隊員がいるって珍しいことなのかどうかは分からない。ただ、私はおばあちゃんと一緒に住んでて半分おばあちゃんに育てられたようなものなので、家系図上の印象よりは近い実感がある。生きてりゃ会うこともあっただろう。
逆に言うとその程度で、もちろん戦争反対ではあるんだけど、国のシステム面や歴史について全てを結びつけるほどディープな思想を持っているわけではない。
・靖国神社のミュージアムショップで
というわけで、先日、ホロライブシティ2024で東京ドームシティに行った際、靖国神社に行ってみた。物販が6時間待ちだったため、時間潰しのためにこの辺の観光スポットを探したところ靖国神社が表示されたのである。
事実、綺麗だし広いし、この辺では良い観光スポットだ。木陰もあって公園みたいになってるし、いち神社好きとして楽しめる神社であると言えよう。そんな感じで境内を歩いていたところ……
遊就館のミュージアムショップで「戦時中、内地からの慰問袋で人気だった」的なことがポップに書かれたふりかけが販売されていた。その名も復刻版『旅行の友(税込540円)』。
・兵食展
当時は画期的な容器だった筒型容器をそのままの形で再現したものらしい。遊就館では2024年3月16日から11月16日まで特別展の「兵食」が開催されているのだが、これは当時の軍の食事のリアルが展示されているもので、パンフレットを見ると体験できる兵食の1つとして復刻版『旅行の友』が紹介されている。
入場料300円と安かったので入ってみたところ、特別展の展示にも確かに「慰問ふりかけ」と書かれた『旅行の友』が展示されていた。色とかパッケージデザインはそのままではない模様。
・食べてみた
食べてみたところ、味としては塩味が強く鰹っぽい風味がする。シンプルだが飽きないその味に、とにかくご飯が進んだ。
『旅行の友』自体が今もあることは以前の記事でお伝えしているが、復刻版は卵が入ってないので味は違うと思われる。しかし、味の完成度としては今のふりかけとほぼ変わらない。ただ、味云々よりも……
大叔父さんもこれ食べてたのかなあ。
それとも慰問袋とかもらうほどの時間の猶予はなかっただろうか。いずにせよ、想いを馳せるものがあった。体験の大切さってこういうところにあると思う。
・人間み
兵食の展示にしても同じことが言える。例えば、カレーライスの説明にあった「海軍での食事は士官と下士官・兵に分かれていた。基本的に士官は食費を自腹で支払うことになっており、それに伴い、士官の食事は、下士官・兵のそれよりも豪華になることが度々あった」という記載とか。自腹だったらそりゃウマイもん選ぶよな。
食事は毎日食べるもの。最も身近なことゆえに人の息遣いを感じることができた。文字や歴史では存在が希薄になりがちな1人1人の人がいたことを忘れてはならないと思う。79年経った今、嵐のように流れる情報の中、1人1人が見えにくい時代だからこそ──。
執筆:中澤星児
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