結婚パーティー200人招いても「ごみゼロ」に! 徳島の花嫁がこだわったワケを聞いた
もし、自分が結婚式をひらくとしたら、何か思い出に残る演出をしたいと思う人は多いだろう。実際、多様なスタイルの結婚パーティーが各地で行われている。
そんな中、2017年9月17日に徳島県上勝町で行われた結婚パーティーは、「ごみゼロ」という一風変わったテーマだった。いったい、どんなパーティーだったのか、Jタウンネット編集部は新婦の坂野晶さんに話を聞いた。
案内はメールやFacebookで
徳島県上勝町は、「2020年までにごみをゼロに」することを目標に、2003年から取り組みを続けている。坂野さんは、その活動の中心となっているNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの理事長で、縁あって昨年、地元企業に勤める男性と結婚した。
そこで、やはり何か上勝らしいことをしたいと「ごみゼロ」をテーマにした結婚パーティーを企画した。なぜ、このテーマを選んだのか。
「ごみを減らし、再利用や再資源化を進めるゼロ・ウェイストに日々取り組んできて、まず、自分がやっていることをみんなに知ってもらういい機会だと思ったんです。そして、結婚パーティーというハレの日も普通の暮らしの延長線上にあり、ゴミ問題もそれと同じだということも感じてもらいたかった」
参列者を招待するために、案内状は使わず、すべてメールやFacebookなどの電子媒体を使った。当日は、台風18号の影響で飛行機が欠航するなどして来られなかった人もいたというが、それでも2人を祝うために国内外から約200人が集まった。
引き出物はマイバッグでお持ち帰り
会場は町内にある、月ケ谷温泉のホールを借りたという。飾り付けは、使わなくなった鯉のぼりの生地を使ったり、着物の帯をテーブルセンターとして再利用したりした。料理は、ごみゼロを実践しているレストランやカフェに頼んで、地元の食材を使ったメニューを届けてもらった。
鏡開きをしてお酒もふるまったが、樽は再利用できるもので、皿やグラス、おちょこなどの食器は、参加者らが自分で持ってきたものを使うか、イベントなどで使っているリユース食器を用意したという。引き出物は、瓶詰のジャムで、これもラッピングはせず、参加者自身が持ってきたマイバッグで持ち帰った。
パーティーで出たごみは、わずかなテープと堆肥化できる紙製のストローくらいだった。
「本当は屋外パーティーの予定でしたが、雨で急きょ室内になりました。それでも参加してくれた方々は、みんなこの体験を面白いといって喜んでくれてうれしかったです」
現在、上勝町のごみリサイクル率は約80%だという。あとの20%をなんとかするには、リサイクルできない紙おむつやタバコの吸い殻、汚れたティッシュ、使い捨てカイロ、革製品などのごみの発生量を減らしていくことを考えていかなくてはと坂野さんは言う。
「次のステップとして、商品を設計する段階からごみにならないように考えることも必要だと思っています。日々、忙しく過ごしていると気がつかない問題ですが、まずは自分が出すごみがどこからきて、どこに行くのかを考えてもらうきっかけになれば幸いです」
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