地域を繋ぐきっかけに 日本初の「廃校学会」、九州に誕生
2018年10月13日、大学教授や有識者が廃校活用を科学する組織として日本初となる「九州廃校学会」の発足宣言がなされた。
発足宣言は、福岡県田川市の廃校活用施設「いいかねPalette」で開催された「第2回九州廃校サミット」で行われた。
文部科学省などによると、九州では過去20年間で1000校近い小中高が廃校になっているという。しかし、廃校を活用した事例は約100校にとどまっており、まだまだ課題は多そうだ。
人口減少が叫ばれる昨今、廃校をどう活かしていくかは九州だけに限らず全国でも共通の問題だ。今後の展望へ何かしらのヒントが得られるかもしれない。
「理論」と「実践」の両面から
九州廃校サミット当日に参加した人からは「勉強になった」との声も上がり、好評だったようだ。
#九州廃校サミット 勉強になた! #いいかねPalette pic.twitter.com/QissMWdFc0
- zmape (@zmape) 2018年10月14日
Jタウンネット編集部は15日、九州廃校サミットを運営している福岡地域戦略推進協議会の内保徹平さんに話を聞いた。
内保さんによれば、発足宣言をした廃校学会では、廃校を巡る問題に対して学術的な理論づけを行っていくという。宮崎大学の根岸裕孝教授を会長として、廃校運営事業社らと調査結果を共有し、法令の緩和などの政策提言なども行っていく。
また、今後も併せて開催される九州廃校サミットでは、廃校活用事例の共有を行いながら、実践的な面を担う。九州廃校サミットは4月21日に発足され、同日に1回目の会合が行われた。今後も年2回の開催が予定され、活動報告などを行い、学会とサミットで「理論」と「実践」の両面から廃校の活用に向けて活動していくそうだ。
「九州という地域を繋ぐ一つのきっかけとして廃校を位置付け、ブランド価値を高めていけたら」(内保さん)
廃校学会発足ということもあり、サミット当日は実践者のみならず、学術関係者も多く集まったという。事業者間での相談ごとなども多くあり、今後に向けて議論が深まりそうだ。九州から始まる活動で廃校の未来が変わってくるかもしれない。
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