AIは人類を滅ぼすのか?専門家が語る「ターミネーター」的シナリオの現実味

tocana2024年10月27日(日)18時0分


 映画『ターミネーター』が公開されてから、ちょうど40年が経つ。自己認識を持った機械が引き起こす核戦争、人類と機械の壮絶な戦い…。映画の世界は、もはやSFではなくなりつつあるのかもしれない。


ターミネーターは実現可能? 専門家が語る「AIの脅威」

 映画『ターミネーター』に登場する殺人ロボット「ターミネーター」は、人間そっくりの外見を持ち、強力な武器と金属製の骨格で武装している。


 データ分析企業JMANグループのナタリー・クランプ氏は、「ターミネーターのようなロボットが現実世界に登場することは可能だが、幸いなことに、私たちの生きている間には起こりそうにない」と語る。


 クランプ氏によると、現時点では人間型ロボットよりも、ドローンや自動運転車など、すでに広く普及している機械の方が、より現実的な脅威だという。


 バーミンガム大学のマーク・リー教授は、「ターミネーターのような黙示録が起こるとすれば、それは、国家防衛の制御をAIに委ねるほど愚かな政府が現れた時だろう」と語る。


 リー教授もまた、人間型ロボットよりも強力なアルゴリズムを搭載したAIシステムの方が、より差し迫った脅威だと考えている。


軍事利用されるAI 倫理的な枠組みと国際協力の必要性

 ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校のトム・ワッツ博士(アメリカ外交政策・国際安全保障)は、ロボットやAIに対する人間の制御を維持することが「極めて重要」だと指摘する。


「中国やアメリカのような超大国から小国まで、国際社会全体が協力し、地政学的な激動の時代に、AIの軍事利用がもたらす倫理的・法的課題に対処するための政治的意思を見出す必要がある」と、ワッツ博士は述べている。


 1991年に公開された『ターミネーター2』では、再プログラムされた「味方のターミネーター」が登場する。液体金属製のボディを持つ敵役ロボット「T-1000」は、驚異的な能力で人間を追い詰める。


 香港の研究チームは、液体と固体の間を変化できる小型ロボットの開発を進めており、映画の世界が現実になる日もそう遠くないかもしれない。


 映画『ターミネーター』は、公開以来、SF映画の金字塔として高く評価されてきた。しかし、その影響は映画の世界だけにとどまらない。


 イーロン・マスク氏をはじめとするテクノロジー業界のリーダーたちは、AIが人類にもたらす潜在的な脅威について、しばしば『ターミネーター』を引き合いに出して警鐘を鳴らしている。


 AIは、私たちの生活を豊かにする可能性を秘めている一方で、人類を滅亡させる可能性も孕んでいるのかもしれない。AI技術の進歩と倫理的な課題、私たちは、その両方に目を向けなければならないだろう。


参考:Daily Mail Online

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