経年劣化の結果、うんざり感があふれ出してしまった注意看板がこちらです
立入禁止の案内や看板にもいろいろあるが、こんな言い方の看板は珍しい、と大きな話題になっているのが、この看板だ。
2020年12月11日、投稿されたツイートの写真には、
「ですから
中に入らないで
ください」
と記されている看板が見える。「ですから」が太字になってる点が、何か意味ありげだ。黄色と黒に色分けされたバーに、くくりつけられているようだが、ここはどこかの駅だろうか。バックに線路のようなものが見える。
このツイートには、なんと13万9000件もの「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(12月16日昼現在)。
ツイッターにはこんな声が寄せられていた。
「何回も言い過ぎて喉枯れたんですかね」
「あぶっ...で す か ら !!
中に入らないでください!!!って感じの臨場感すき」
「キレる寸前!って、感じ」
投稿主のオジョンボンX(@OjohmbonX)さんによると、ここは山梨県富士吉田市にある富士急行大月線の下吉田駅だという。
Jタウンネット記者は、オジョンボンXさんと富士急行に取材した。
赤字は紫外線ですぐ消える?
投稿者・オジョンボンXさんは、Jタウンネット記者の取材にこう答えた。
「この近くに、富士山の著名なフォトスポット(新倉山浅間公園)があり、下吉田駅が最寄駅のため立ち寄った次第です。
この看板は、『危ない』の文字が耐光性のない赤いインクで印字されていたために退色してしまったものと思います」
注意看板では特に注意を促したい内容を目立たせようと、一部が赤字で印字されることがよくある。
しかし、赤いインクは紫外線をうけると退色しやすいのだ。そのため時間がたつと肝心な箇所が読めなくなり、そのせいで奇妙な看板が生まれてしまう場合があるのだ。
今回の「ですから 中に入らないで ください」もそんな看板のひとつ。
オジョンボンXさんの投稿には、もちろん赤いインクが消えやすいことを承知の上、同じように肝心な箇所が読めない(そのせいで変な)表示になってしまった看板の事例が数多く寄せられ、さながら大喜利状態と化し、盛り上がっているようだ。
なお、黄色と黒のバーは、「踏切の遮断棒ではありません。カラーコーンで設置された立ち入り禁止の棒です」と、オジョンボンXさんは付け加えた。
次に、Jタウンネット記者は富士急行に電話で聞いた。鉄道管理センターの担当者がこう答えた。
「看板が設置されたのは、下吉田駅の駅舎とホームの間の通路で、保線用の車両の引込線がある場所です。写真背景に見える線路に、営業用車両が入ることはありません」
なるほど、事実関係は分かったが、看板はいったいなぜあの状態のままだったのだろう?
「下吉田駅は、新倉山浅間公園を訪れる外国人観光客をはじめ、多くの日本人観光客でにぎわっていました。2019年秋頃には大きなイベントも行われ、その際、危険を告知する看板を取り付けたものではないかと思います。
今年に入って、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、利用客が減少し、とくに外国人観光客の数が減ったため、現在、下吉田駅は無人駅となっております。看板の赤いインクが退色してしまったことに気付かず、放置されていたのもそのためかと思います。早速、新しい看板の設置を検討しております」
担当者は恐縮しながら、答えた。無人駅となってしまったことが、要因の一つだったようだ。ここにもコロナの影響が及んでいた。
ちなみに新倉山浅間公園は、「Googleで『Japan』と画像検索すると最も多く出てくる場所と言われている。手前に五重塔、背景には富士山、これぞ「ジャパン!」といった風景が美しいと、外国人には人気が高い。一度見に行かれてはいかがだろう。
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