日本の労働生産性が低いのは「値上げ」しないから? ちきりん指摘「効率化が生産性を上げると思っている間はずっと最下位」
日本生産性本部は12月20日、日本の時間あたりの労働生産性は、OECDに加盟する35か国中20位で、先進7か国の中では最下位だったと明らかにした。
日本の時間あたりの生産性は46ドル(4694円)で、前年より1.2%上昇。GDPが上昇したのに加え、働き方改革で労働時間が短くなったことが原因としている。
それでも1位のアイルランド(95.8ドル)の約半分、アメリカ(69.6ドル)の3分の2程度にしか及ばない。データが取れる1970年以降、日本は37年連続で20位前後の順位を取り続け、7か国中最下位の記録も更新し続けている。
一人あたりの労働生産性は864万円で21位。製造業の生産性は14位で、2008年・2014年と並び過去最低だった。
「日本はみんな『経済成長したくない!』って思ってるから値上げもしたくない」
報道を受けて、著名人らから様々な反応が上がっている。
「ムダな会議、ムダな社内資料、属人的な仕事、紙とハンコ決裁、過剰品質サービス、24時間営業なんかを改めるだけでもだいぶ変わるぞ」(ブラック企業アナリスト・新田龍さん)
「日本の労働生産性が低い問題だけれども、必要のない書類や、はんこを押せといった意味のない手続きが多すぎると思う。全部電子化すればいいのに」(茂木健一郎さん)
日本の労働生産性を上げるには、慣習として続けられているハンコ文化や無駄な資料などをやめ、効率化を進めるべきだとの主張だ。
一方で著名ブロガー、ちきりんさんは自身のツイッターで「生産性を上げる方法が『効率化』だと思ってる間はずっと最下位だと思う。他国は生産性を上げるために値上げをしてるんだから」と、効率化とは別の視点から生産性向上に向けての考えを表明した。
「日本はみんな『経済成長したくない!』って思ってるから値上げもしたくないんでしょう。生産性あげると経済が成長しちゃうから、生産性も上げたくない」
日本の「飲食・宿泊」の労働生産性は米国の半分以下
2015年の国内の産業別労働生産性を見ると特に低いのがサービス業だ。全産業の平均が4531円なのに対し、「運輸・郵便業」は3434円、「宿泊・飲食サービス業」では2650円となっている。
日米で比較しても、生産性が上回っている日本の産業は「化学」「機械」の2つのみ。「飲食・宿泊」「卸売り・小売業」「運輸業」などは、米国の半分以下になっている。
日本のサービス業の価格が、諸外国と比較して安すぎるとの指摘は度々出ている。歌手のGACKTさんも今年10月に自身のブログで、日本の飲食店を例に「昼食が800〜1000円という価格は正直おかしい。その値段でまともに店はやっていけない」と言及している。最近では人手不足と原材料価格高騰を理由に値上げする飲食店も出てきたが、まだ多くはない。
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