丁寧に接しても相手に伝わらないと嘆く人が読むと「人生が好転する『伝え方』最古の古典」

2024年3月30日(土)6時0分 ダイヤモンドオンライン

丁寧に接しても相手に伝わらないと嘆く人が読むと「人生が好転する『伝え方』最古の古典」

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「忙しすぎて本を読む時間がない」「1冊読み切るのに時間がかかる」「読んでも読んでも身につかない」——そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。本を読めばいいことはわかっているのに、自主的に読めない人もいるでしょう。何の本をどう読み、どう活かしていくか——働くうえで必携のビジネススキルを良書から抜き出したのが『ひと目でわかる! 見るだけ読書』。本書は、コスパやタイパを重視する現代的な読書スタイルを重視する人にとっても、魅力的な読み解き&活用法です。たった「紙1枚」を見るだけで本の最も大事なポイントが圧倒的なわかりやすさで理解でき、用意したワーク1枚を埋めるだけで即スキル化できる1冊。それも1万冊の読書体験と1万人を教えてきた社会人教育の経験から、絶対に読んでほしい24冊+αを紹介。ただ、エッセンスをまとめただけでなく、読後には、紹介した本が有機的につながっていく仕掛けがあなたのビジネススキルを飛躍的に向上させます。

Photo: Adobe Stock

「理解」に加え、「信頼」や「共感」を極めれば相手に伝わる

「いろいろ学んできたので、わかりやすく伝えるのは得意です……」「それなのに上司が納得してくれず、仕事が停滞します……」「理路整然と話しているのに、相手が動いてくれないのはなぜ……」

 そんなことを考えている人たちは、すでに『伝え方が9割』(佐々木圭一著、ダイヤモンド社)や『人は話し方が9割』(永松茂久著、すばる舎)を読んでいるかもしれません。

 今回紹介するのは本書の中で最古の本であり、コミュニケーションに関する深い洞察・本質に満ちた名著の筆頭格である、古代ギリシャの哲学者・アリストテレスによる『アリストテレス 弁論術』(以下、『弁論術』)です。

 タイトルこそ「弁論」となっていますが、コミュニケーション力を高めていきたい人であれば、人生で一度は向き合ってほしい本です。

 本書を私なりに簡潔にまとめると、「伝わるかどうかは、3つのアプローチで考える」。その3つとは、「理解=わかりやすく伝えて納得してもらう」「信頼=この人なら大丈夫という前提で伝える」「共感=心に響くように、心が動くように伝える」です。

 ここが最重要ポイントなので、『弁論術』の該当箇所を引用します。

弁論家は、(1)言論に注目して、それが証明を与え、納得のゆくものとなるように配慮するだけでなく、(2)自分自身を或る人柄の人物と見えるように、そして同時に、(3)判定者にも或る種の感情を抱かせるように仕上げをしなければならない。

 この引用文のうち、まず「(1)言論・証明・納得」と書かれている部分が、「理解」アプローチに対応しています。以下、「(2)或る人柄の人物と見えるように」「信頼」「(3)或る種の感情を抱かせる」については「共感」という言葉で、現代的に置き換えているのだと理解してください。

 さて、なぜこの3分類が重要なのか。

 最大の理由は、この3つをチェックポイントにしておけば、「なぜ、伝わらなかったのか?」の分析ができるようになるからです。

 というのも、コミュニケーションスキルといえば「どうすればわかりやすく伝えられるか?」がメインテーマになりがちですが、大半の場合、これは「理解」「信頼」「共感」のうちの「理解」アプローチしかカバーしていません。

 有名な「ピラミッド・ストラクチャー」や「PREP法」等のスキルを学べば、確かにわかりやすく伝えることは可能になるでしょう(「PREP法」とは、「Point=言いたいこと」「Reason=理由」「Example=事例」「Point=再度言いたいこと」の順番で話せば、わかりやすく伝えられるというフレームワークのことです)。

 ですが、それで伝わらなかったときは、いったいどうすればよいのでしょうか。

『弁論術』でつかんだ本質を活用すれば、少なくともあと2つ、リカバリーのためのアプローチがあり得ます。

「理解」=わかりやすく伝えてもダメだったのであれば、今度は相手の「感情」に訴えてみるような伝え方ができないかと思案してみる。

 あるいは、そもそも相手から十分に「信頼」されていなかったからこそ、必要以上にツッコミを受けてしまった可能性もあります。その場合は、「ではどうやって相手の信頼を勝ち取るか」といった観点で改善策を検討すればよいのではないでしょうか。

 たとえば、プレゼンの冒頭に自己紹介スライドを入れ、そこにこれまでの実績を盛り込んでおく。あるいは、事前にプレゼン相手の興味関心を調べ、もし共通の趣味等があれば、途中で雑談をしながらその話題で盛り上がってみる。

 もし事前情報が得られなくても、積極的に自己開示をしていけば、それだけでも警戒感は薄れますし、信頼感にもプラスに寄与していきます。

 以上はほんの一例にすぎませんが、大切なことは、こうやって3つのアプローチでコミュニケーションを捉えられるようになっていれば、たとえうまく伝わらなかったとしても、いくらでも打ち手が浮かんでくるようになるという点です。

「理解」アプローチ一辺倒でコミュニケーション力を磨いてきてしまった人ほど、『弁論術』から得られる学びを今後マスターしていってください。

『ひと目でわかる! 見るだけ読書』は、パッと見るだけの圧倒的なわかりやすさで、名著の本質が分かる1枚シートに加え、著者の用意した1枚ワークを埋めるだけで、読み返しがいらなくなるほど、名著のエッセンスが一読で身につきます。ぜひ、活用してください。

(本原稿は書籍『ひと目でわかる! 見るだけ読書』の一部抜粋、再編集したものです)

ダイヤモンドオンライン

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