新宿の名店「curry 草枕」4月末廃業へ、一般向け営業はすでに終了 コロナ後遺症の嗅覚障害で...店主悩んだ末に決断「余力のある今のうちに」

2024年4月2日(火)14時6分 J-CASTニュース

東京・新宿のカレー店「curry 草枕」が2024年3月31日、同日をもって一般営業を終了し、4月28日で閉店・廃業すると公式サイトで発表した。「コロナの後遺症で匂いが以前のようにとれなくなってしまいました」と、店主の嗅覚障害が理由だと説明している。

「少し変わったスパイスカレー」が売りの同店は、飲食店情報サイト「食べログ」でユーザー高評価を獲得して「食べログカレーTOKYO百名店」にもたびたび選出されてきた。

固定レシピで2年、「社長自身がわからないものを売るのはどうかとも」

curry草枕は「なすチキン」をおすすめとし、10段階で辛さを選べるカレーを提供してきた。公式サイトではこだわりを、「一皿あたり丸々一個程のすりおろした玉ねぎをたっぷり時間をかけて熱してベースを作り、そこにお店で配合した多種多様なスパイスを加えて香り豊かに仕上げています」と伝えている。

一般営業終了後の4月は、サービス券を持っている客、周年記念品を所有する馴染みの客、店の関係者を対象にウェブフォームからの完全予約制で特別営業するという。混乱回避のため、一見での予約や飛び込み客は断るとした。

閉店・廃業の理由については、冒頭のように、新型コロナウイルス感染の後遺症があると明かす。味覚障害などの諸症状は回復したものの、「鼻の方はお医者さんから今の医学では元通りに治るかどうかなんとも言えない、と言われています」とし、下記の通り経緯を説明している。

「ごまかしながら、店の従業員に助けてもらいながら固定のレシピでこの2年やってきましたが、カレーが好きでお店まで開いた私の気持ちとしてこの状況はつらいものがありますし、社長自身がわからないものを売るのはどうかとも思います。
またメニューの改善もできないこの状況では早晩うまくいかなくなるのは目に見えています。従業員や関係して下さる方々の事も考え十分に余力のある今のうちに閉めることに決めました」

客や関係者に「大変申し訳ありません。至らない店でしたし沢山のご迷惑をおかけしながらだったと思います」と詫びつつ、「またこれまで本当にありがとうございました。通い詰めていただいた常連さんや一緒に働いてくれた方々のお顔がたくさん目に浮かびます。感謝してもしきれません」と伝えた。

「もしコロナ前から多店舗展開や店の継承をめざしていれば」

店主は、「調理の仕事も終りがあるとは思ってましたがまさかこの年齢で終りが来るとは。。」ともこぼす。「大きな店であれば味の決定やチェックに人を雇ったり代替わり等できるかと思います」という一方、

「もしコロナ前から多店舗展開や店の継承をめざしていればレシピの言語化数値化や評価基準なんかの準備もしていたとおもいますが、後遺症が出てからでは全てが遅かったです」

と述べ、「そもそも店を増やす気も誰かに引き継ぐ気もなかったのでしょうがないですね」と結論付けた。

店を開いて17年という店主。「このまま埋もれさすのはもったいない」と、店の経営ノウハウをまとめた文書をブログサービス「note(ノート)」で販売する構想も予告している。

発表を受けてXでは、「大好きだった新宿のカレー屋・草枕が閉店。しかも閉店理由がコロナの後遺症で嗅覚が戻らないとのことで、大変悲しい」「ショック過ぎる...」「料理人の方のコロナはリスク高いよね...どうかご回復を祈ります」と惜しむ声が広がっている。

J-CASTニュース

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