上司に「この件ってどう思う?」と聞かれたとき、三流は「即答する」、二流は「少し考えてから答える」。では一流は?

2024年5月12日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

上司に「この件ってどう思う?」と聞かれたとき、三流は「即答する」、二流は「少し考えてから答える」。では一流は?

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GWが終わり、次の祝日まで約2か月も空いてしまうこの時期は、何かとストレスがたまりやすい。仕事に慣れなかったり、職場の人間関係がうまくいかなかったりして、「会社に行くのが憂鬱だなあ」と思っている人もいるかもしれない。しかし、悩みを一つひとつ解決していけば、意外にスッキリと心が晴れていくものだ。そこで今回は、2023年ベストセラーランキングビジネス書部門で1位(日販/トーハン調べ)となり、「もっと早く読んでいればと後悔すらした」「ぶっ刺さりすぎて声出た」と反響を呼び続けている『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者・安達裕哉さんと、『「言葉にできる」は武器になる』の著者・梅田悟司さんに、職場でスマートに発言する方法などについて聞いてみた。(構成/根本隼)

Photo:Adobe Stock

自分の発言を否定されるのが怖いです

Q. 緊張しやすい性格のため、会議で発言する勇気がなかなか出ません。意見を求められたときも、否定されるのが怖くて無難な答えしかできないのですが、どうしたらよいでしょうか。

安達裕哉(以下、安達) 気持ちはすごくよくわかりますね。

梅田悟司(以下、梅田) 僕の経験上、職場のコミュニケーションでは、「自分の考えはわかってもらえる」と思わない方がいいです。これは、どんな相手でも同じで、たいていの発言は理解されません。否定されることもしばしばです。

 これを前提として頭に入れておけば、もし自分の発言が否定されても「まあそうだよな」と気楽に構えられるし、「賛同を得るにはどうすればいいか」をより高いレベルで工夫できるようにもなります

安達 私が新人のときは、「否定されても構わないから、若手は会議で最初に発言して場を盛り上げろ」と上司から言われました。実際、私が最初に出す意見は通らないことが多かったですが、上司の声がけのおかげで精神的なダメージはあまりなかったです。

梅田 非常にいい上司ですね。すばらしい。あとは若手の場合、もしピントのずれた発言をしても、「また空回りしてるよ。かわいげのあるやつだな」と好意的に見てもらえる可能性も高いと思います。

安達 意見を出すだけで「すごいなあいつ」と思ってもらえますよね。

梅田 特に、会議の開口一番は、僕も重要だと思います。というのも、誰かがいきなり空気を読めない発言をすると、それがアイスブレイクになって「これなら自分も意見が言えるかも」とみんなが思えるからです。

 話の口火を切るのは、それだけでも歓迎されるべきことではないでしょうか。

「間違えても怒られない」フラグを立てる方法

梅田 もし若手の方であれば、意見を言うときに「若手の私から発言させていただきます」と前置きするのも有効だと思います。この一言で、もし場違いな発言をしても許されるようなフラグが立つからです。

安達 たしかに。何気ないですけど、すごく効果的な一言ですね。

梅田 若手でなくとも、みんなの前に立って発表するときは「高いところから失礼します」と言うなどして、場の雰囲気が穏やかになるようにセルフコントロールできるといいですね。

「この件ってどう思う?」と聞かれたときのベストな対応

安達 私がコンサルタントとして現場にいたときは、クライアントとの会話で失言が許されない場面も多々ありました。そのとき意識していたのが「相手の質問には安易に答えずに、まず真意を確認する」というテクニックです。

 たとえば、「この人事評価の施策について、どんな意見をお持ちですか?」と聞かれたとしましょう。この問いはポイントが曖昧なので、「確認なのですが、御社の人事評価制度の中でも、○○についてのお話でよろしいでしょうか」と、相手が具体的に何について聞こうとしているのかを詰めるんです。

梅田 なるほど、じわじわ確認していくんですね。

安達 というのも、漠然とした問いには、漠然とした答えしか出せないからです。一方で、相手が本当に聞きたい「核心的なポイント」をきちんと確認すると、その分シャープな回答ができますし、相手の頭の整理にもなります。

 目上の人に質問されると、つい深く考えずに即答しがちなのですが、ぼんやりとした回答は相手の心に刺さりません。相手が聞きたいことを明確にしない限り、少し時間をかけて考えたとしても、答えの質はさほど変わらないんです。

 上司やクライアントから「この件ってどう思う?」などと聞かれたら、「まずは真意を確認する」というメソッドをぜひ実践してほしいですね。

(本稿は、『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者・安達裕哉さんの対談記事です)

安達裕哉(あだち・ゆうや)
Books&Apps運営、企業コンサルティング
Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。仕事、マネジメントに関するメディア『Books&Apps』を運営する一方で、企業の現場でコンサルティング活動を行う。著書に、2023年ベストセラーランキングビジネス書部門で1位(日販/トーハン調べ)となった『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)など。

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