SNSで誘い出し女子高校生を誘拐した疑い…生徒は山間部で遺体で発見、携帯は初期化
2025年5月14日(水)6時55分 読売新聞
SNSで10歳代の女子高校生を誘い出して車で誘拐したとして、山形県警は13日、福島市、無職の男(36)を未成年者誘拐容疑で逮捕した。男は、別の10〜20歳代の男女4人に対する自殺ほう助や嘱託殺人未遂などの罪で福島地検郡山支部が起訴済み。
発表などによると、男は昨年6月頃〜9月2日頃、県内の10歳代の女子生徒が未成年であると知りながらSNSで誘い出し、同日午前に山形市内で車に乗せて上山市内まで誘拐した疑い。県警は捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
保護者は山形署に行方不明届を出したが、女子生徒は9月23日、上山市の山間部で、遺体で見つかった。同市の男性が発見した。司法解剖の結果、死亡したのは同月上旬頃とみられる。県警は死因を明らかにしていない。
遺体近くに練炭
捜査関係者によると、女子生徒は同月2日午前、山形市内のコンビニ店で家族の車を降りてから行方がわからなくなった。遺体が見つかったのは上山市下生居の山間部に設置されたテントで、遺体は白骨化し、近くには使用済みの練炭があった。見つかった女子生徒の携帯電話は初期化されていたという。
県警は、男が女子生徒の死亡について事情を知っているとみて捜査している。
SNS起因未成年の被害増、昨年13人
県警人身安全少年課によると、SNSに起因する犯罪で被害者となった県内の18歳未満は、近年は年間4〜10人で推移していたが、昨年は13人に増えた。
SNSを通じて面識のない相手と知り合い、性被害に遭う事例が多かった。被害の内訳は、県青少年健全育成条例違反が6人、不同意性交が2人、不同意わいせつが2人、児童買春が2人、児童ポルノが1人だった。
被害者は高校生が8人で最多。中学生は4人、無職少年は1人だった。
警察庁のまとめでは、全国のSNSに起因する18歳未満の犯罪被害者の大半が有害サイトにつながらないようにするスマートフォンの「フィルタリング機能」を利用していなかった。
同課の庄司孝義次長は「保護者が子どものインターネット利用を適切に管理する『ペアレンタルコントロール』を活用し、家庭でルールを作り、安全なネット環境を整えてほしい」と呼びかけている。