台風2号北上でアウターバンドが沖縄に 動き遅く荒天続くおそれ

2023年5月30日(火)10時30分 ウェザーニュース

2023/05/30 10:11 ウェザーニュース

5月30日(火)9時現在、大型で強い台風2号(マーワー)は沖縄の南の海上をゆっくりと北西に進んでいます。宮古島や石垣島など先島諸島が風速15m/s以上の強風域に入っています。
今後もゆっくりと北上を続け、先島諸島は6月1日(木)頃には暴風域に入る見込みです。動きが遅いことで沖縄では大雨や暴風、高波などの影響が長く続くおそれがあります。荒天への備えは早めに済ませるようにしてください。
週末以降は徐々に進路を北東に変えるとみられます。4日(日)は予報円が非常に大きく、進路や速度に幅があることを示しています。影響範囲やタイミングに違いが出てきますので、最新情報の確認が必要です。
▼台風2号 5月30日(火)9時
 中心位置   沖縄の南
 大きさ階級  大型
 強さ階級   強い
 移動     北西 ゆっくり
 中心気圧   950 hPa
 最大風速   40 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 60 m/s

台風の外側の雲が先島諸島に広がる

気象衛星可視画像

衛星画像では台風の外側に分布する「アウターバンド」と呼ばれる雨雲の帯が、先島諸島にかかり始めました。活発な雨雲も含まれていて、今後は断続的に雨が降る見込みです。
風と波に関しては少しずつ影響が強まっていて、最大瞬間風速は宮古島で17.9m/s、石垣島で17.8m/sを観測。宮古島地方と八重山地方、与那国島地方には波浪警報が発表されています。
台風の動きが遅いため、大雨や暴風、高波が数日程度、継続するとみられます。すでに品薄になっているものがある状況で、しばらく流通が止まる可能性もあるため、長期間の荒天への備えを周囲の方と助け合って早めに行うようにしてください。

世界の気象機関の予測

参考 世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果

この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。
これらのメンバーを比較すると、沖縄付近で北東に進路を変えて、日本の南の海上を進むコースで比較的揃っています。ただ、日本の沿岸に近いところを通るのか、日本から離れた南の海上を進むのかという違いはみられます。
また、速度に関しては大きな差があり、早いものと遅いものでは、日本の南を通過するタイミングが数日程度違う状況です。速度の違いにより沖縄での影響期間や、本州付近で雨が強まるタイミングが変わってきますので、引き続き最新の情報をこまめにご確認ください。

西日本や東日本も強い雨のおそれ

週間天気図

台風から離れた西日本や東日本でも大雨に注意が必要です。この先しばらくは本州付近に梅雨前線が停滞する見通しで、台風周辺の湿った空気が前線に向かって流れ込むため、雨雲が発達しやすくなります。
台風が北上してくるタイミングでは、台風と前線の雨雲が一体となって強い雨を降らせることも考えられる状況です。
上述のように台風の進路や日本の南を通過するタイミングには大きな予測の幅があるため影響は変わる可能性がありますが、台風の動きに加えて、停滞する梅雨前線の活動状況にも十分に注意をしてください。

台風の暴風域に入る確率

120時間以内に台風の暴風域に入る確率は以下の通りです。(気象庁)
 奄美地方      30 %
 沖縄本島地方    61 %
  本島北部・中南部 61 %
  慶良間・粟国諸島 60 %
  久米島      56 %
 大東島地方     6 %
 宮古島地方     84 %
 八重山地方     60 %
  石垣島地方    60 %
  与那国島地方   10 %

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風2号の名前「マーワー(Mawar)」はマレーシアが提案した名称で、マレー語の「ばら」を意味する語からとられています。

参考資料など

気象衛星可視画像:NICT-情報通信研究機構

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