大人気のシャインマスカットは33年かかって育成された!

2018年9月19日(水)15時43分 ウェザーニュース


2018/09/19 14:48 ウェザーニュース

9月から10月に出荷のピークを迎える黄緑色のシャインマスカット。種なしで皮ごと食べられ、とても甘いため人気は急上昇。いまや巨峰、ピオーネと並ぶ主力品種となっています。
デパートでは、ひと房4000〜5000円で売られている高級品種。国立研究開発法人の農研機構果樹茶業研究部門が開発したそうです。さっそく広報担当者に話を伺いました。

Q.開発には何年かかりましたか?

「シャインマスカットが交配されたのは1988年ですが、品種改良を重ねて正式に品種登録をしたのは2006年でした。また、シャインマスカットの親となる安芸津21号は1973年に交配されました。そこから数えると33年かかっているわけです。
安芸津21号と『白南』の交配から生じた115個体から選抜された1個体がシャインマスカットなのです。『輝くようなマスカットブドウ』になって欲しいという意味を込めて名付けられました」

Q.一番の難題は何だったのですか?

「もともとブドウはやや乾燥した場所を好み、日本のような多雨の地域では病気が発生したり実が割れたりする(裂果)ので、栽培が難しいのが実情です。生産者にとって重要なのは栽培のしやすさですが、つまり病気に強い、裂果のしにくい、さらに食味、食べやすさといった両方の性質を兼ね備えたブドウの育成になります。これが難題でした」

Q.シャインマスカットの最大の魅力は何ですか?

「生産者にとって作りやすく、消費者にとっても味と食べやすさを兼ね備えていることでしょう。特に味の点では、マスカットの香り、種なし、糖度が18度以上と高くて酸味が少ない、皮ごと食べられる、といった点が大きな魅力だと思います」

Q.栽培面積が拡大しているのですか?

「栽培面積については農林水産省が統計データを公表しています。 2008年は56.5haでしたが、年々栽培面積は広がり、2015年は992.3haと17倍以上です」

Q.農研機構ってどんなところですか?

「農研機構は、我が国の農業と食品産業の発展のための研究開発を行う機関です。正式名称は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構ですが、「農研機構」をコミュニケーションネーム(通称)としています。
現在、農研機構の中には本部と5つの地域農業研究センター、7つの研究部門、3つの重点化研究センター等があり、全国各地で研究開発や普及をおこなっています」
欧米ではブドウは、皮も種も丸ごと食べてしまうのが普通だとか。日本人はこれまで皮と種は出していたのですが、シャインマスカットの登場で皮と種を気にすることなく存分に秋の味覚を堪能できますね。


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