秋が旬 美味しい栗の選び方 避けたほうが良い栗の見た目は?

2023年9月24日(日)5時10分 ウェザーニュース

2023/09/24 05:00 ウェザーニュース

ツヤツヤでふっくらした栗が店頭に並ぶ時季になりました。美味しそうだと思って買った栗が、食べてみるといまひとつだった、という経験はありませんか。
栗は固い皮に包まれているため、どこを見れば良品なのか、一見しただけではわかりません。そこで美味しい栗の選び方について茨城県の栗生産農家、星政和さんにお話を伺いました。

品種によってさまざまな特徴がある

同じように見える栗でもさまざまな品種があるそうです。
「栗が店頭に並ぶ時、リンゴやイチゴなどのように品種が明記されているものはそう多くはありません。しかし、栗にもさまざまな品種があります。
たとえば、日本で最も生産量が多いのが『筑波』で、うちでも栽培しています。大粒で皮につやがあり、果肉が淡黄色で甘味があり、栗らしい香りも強いという特徴があります。
また、江戸時代、大飢饉が襲った時、当時の通貨だった銀がたくさん寄ってくるほど高値で取引されたところからその名が付いた『銀寄(ぎんよせ)』は、どっしりとした扁平な形で、底の部分と皮の境界がはっきりしている見た目と、熱が入るとホロホロと崩れるような食感になります。
変わったところでは、加熱するとやっかいな渋皮までむけて食べやすい『ぽろたん』、皮につやが少ないのが特徴でホクホク食感の『丹沢』、深煎りコーヒーのような皮の色と、ふっくらと丸い形で甘味がとても強い『利平』などがあります。
品種がわかれば、選ぶ基準にもなるでしょう」(星さん)

美味しい栗の見分け方

生栗はこれからがトップシーズンに入りますが、選ぶ際はどのような点に気をつければよいのでしょうか?
「固い皮(鬼皮)に包まれている栗も、他の野菜や果物と同様、鮮度が大切です。品種によってツヤの多い少ないはありますが、おおむね皮の色が濃くてツヤと張りがあり、丸みがあるものを選んでください。完熟しているものはパンパンに張っていますが、未熟なものはシワがあり、味も今一つです。
また表面に穴があったり、白いブツブツがついているもの、底の部分が黒くなっていたりベトベトしているものは、虫に食われていたり、状態が悪いことがあるので、避けたほうがよいでしょう。
見た目に比べて軽さを感じるものは、収穫から時間が経って水分が飛んで味が落ちています。ずっしりと重いものを選んでください」(星さん)

栗は意外と保存が難しい

固い皮に包まれている栗は、長期間保存が効きそうですが、保存は意外と難しいそうです。
「栗は時間が経つと水分が飛んで味が落ちるので、買ったら早めに食べ切るようにしてください。保存する際は1〜2%の塩水で半日浸けてから水を切り、ポリ袋に入れて袋の口を結ばないで折りたたみ、冷蔵庫のチルド室に入れます。これで1週間程度は保存できます。
長期保存するなら、多少味は落ちるもののそのまま冷凍してください。食べる際には自然解凍すると水っぽくなるのでそのまま調理しましょう」(星さん)
本格的な栗のシーズン。茹で栗や渋皮煮、スイーツや栗ご飯など、栗のアレンジはさまざま。ぜひ旬の時季だけしか出回らない生栗を美味しく楽しみましょう。

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