こりゃ背筋が凍る話だ…人生で「家族より仕事を優先した人」の末路

2025年1月13日(月)6時0分 ダイヤモンドオンライン

こりゃ背筋が凍る話だ…人生で「家族より仕事を優先した人」の末路

「あなたは人生というゲームのルールを知っていますか?」——そう語るのは、人気著者の山口周さん。20年以上コンサルティング業界に身を置き、そこで企業に対して使ってきた経営戦略を、意識的に自身の人生にも応用してきました。その内容をまとめたのが、『人生の経営戦略——自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20』。「仕事ばかりでプライベートが悲惨な状態…」「40代で中年の危機にぶつかった…」「自分には欠点だらけで自分に自信が持てない…」こうした人生のさまざまな問題に「経営学」で合理的に答えを出す、まったく新しい生き方の本です。この記事では、本書より一部を抜粋・編集します。

Photo: Adobe Stock

時間の使い方を間違えていないか?

 人生は「時間」という資本を「人的資本」別の資本に変えるゲームです。この大前提のルールを知っておくことが、まずはとても大事です。

 この時間資本を投下する対象には、

・仕事をする上で役に立つ資本・人生を豊かにしてくれる資本

の2つがあります。

 例えば人的資本について言えば、前者は、財務や会計やマーケティングの知識やスキルといった「仕事をする上で役に立つ資本」であり、後者は、ピアノやギターといった楽器、セーリングやサーフィンといったスポーツ、カメラや絵画といった芸術、料理やワインといった趣味などの「人生を豊かにしてくれる資本」のことです。

 注意しなければならないのは、こと最終的なゴールである「ウェルビーイングの実現」ということに関して言えば、前者の「仕事をする上で役に立つ資本」は、「社会資本の形成」や「金融資本の形成」を通じて、間接的にしかウェルビーイングの実現に貢献しないのに対して、後者の「人生を豊かにしてくれる資本」は、直接的にウェルビーイングの構築に貢献してくれる、という点です。

 この点をしっかりと意識しないと、時間資本を「仕事をする上で役に立つ資本」の構築だけに偏って投下してしまうという致命的なミスを犯してしまう恐れがあります。

人生で後悔すること、ベスト2は?

 オーストラリアのホスピスで緩和ケアを長らく務めたブロニー・ウェアは、末期を迎えつつある患者が、しばしば口にする後悔が

・あんなに働かなくても良かった・友人関係を続けていれば良かった

の2つであると指摘しています。

 この後悔を先ほどのフレームに当てはめてみれば「あんなに働かなくて良かった」という後悔は「時間資本を仕事に傾斜させすぎた」という後悔であり、「友人関係を続けていれば良かった」という後悔は、時間資本を「仕事をする上で役に立つ社会資本」に傾斜させすぎたという後悔であることがわかります。死の床にある人が最後に懐かしむのは会社員時代の役職や銀行の預金残高ではなく、家族や友人と楽しく過ごした時間についての思い出なのです。

 ブロニー・ウェアの指摘は、私たちに「失敗者の定義」を再考するきっかけを与えてくれます。ウェアの指摘を踏まえれば、「失敗者」とは、「お金を稼げなかった人」や「出世できなかった人」なのではありません。

 失敗者とは「働き過ぎてしまった人」「仕事ばかりに時間を使って家族や友人との楽しい時間を過ごせなかった人」のことなのです。

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