芸術・情熱・苦悩6年。国際賞二冠を達成した10mのふすま絵「雲龍図」の長きにわたる挑戦とその軌跡

2024年2月7日(水)15時38分 PR TIMES STORY

本ストーリーでは、アーティストOHGUSHIが新たな水墨表現に挑戦したふすま絵「雲龍図」の制作から国際賞受賞までの軌跡についてお伝えします。

水墨・水彩アーティスト/OHGUSHI

作家ウェブサイト:https://ohgushi.jp

OHGUSHIは独自の水墨画と水彩技法を柱とし、国内外のグローバルブランド広告制作や、寺社仏閣の障壁画を手掛けるアーティストです。

1977年生まれ。現在葉山在中。

主な仕事:資生堂"TSUBAKI"、伊勢丹、Suntory「Roku」「碧Ao」パッケージ、マックカフェ、EMILIO PUCCIなど

ふすま絵 八大龍王尊「雲龍図」が、国際広告賞「ニューヨークADC賞」で銀賞・銅賞二冠達成

最上稲荷山妙教寺 八大龍王尊「雲龍図」ふすま絵

https://ohgushi.jp/works/clientworks/20221223_page9659.html

紙本墨画淡彩、ふすま8面

全長:横9.87m×縦1.83m

制作期間:約6年(構想、ラフ制作:4年、筆入れ期間:2年)

2022年に最上稲荷山妙教寺  (岡山市)に奉納

ふすま絵は、一年に一期間(6月から7月の夏季大祭時期)公開予定。

2023年5月、水墨画の技法を継承しつつ、日本の古典的な様式美を更新した斬新な作品として国際的評価を得ました。

●ADC 102nd Annual Awards とは

1921年に広告美術団体「アート・ディレクターズ・クラブ(ADC)」によって設立された、世界で最も歴史あるデザインの国際賞です。

最上稲荷山妙教寺

日本三大稲荷の一つ・1200年以上の歴史を誇る(岡山市)

「どう生きるか」の意識の芽生え、ご縁、そして「襖絵制作」の道へ

水墨・水彩アーティストOHGUSHIは10年ほど前から「どう生きるか」を作品や言葉で表現したいという意識が芽生え、100年、200年と受け継がれる寺社仏閣の障壁画を描きたいという目標がありました。そのタイミングで最上稲荷とのご縁をいただき、ふすま絵制作を申し出て、八大龍王尊のふすま絵を制作、奉納することになりました。

「伝統」は守りながら、水を司る神を「清らかな水」で独自に表現

OHGUSHI「八大龍王尊を描くとなった時に、「どう生きるか」を作品化するためには、過去の先人たちが作り上げた雲龍図に倣った水墨画を描くことだけは避けたかった。誰からも影響されない、狭いちっぽけな自分だけど、自分の中に確実に存在する八大龍王尊を100%の形で描きたい、それに賭けたいと腹に決めました。

一方、先人たちが積み重ねて守ってきた水墨技術の「伝統」は守りながら、表現では独自性を貫き「様式美を更新」したい強い意気込みがありました。

そして、水を司る神の姿を、人々に恵みを与える「清らかな水」そのもので表現することをベースに構想を重ねました。」

水滴を3000枚撮影。4年以上かけて緻密なふすま8枚の下書き作成。

4年間の制作工程:構想→水滴撮影→CG形成→プリント→下書き

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水滴の龍というアイデアをどう形にするか、試行錯誤を繰り返しました。

また、100年、200年と劣化しない墨、それに合う硯、そしてそれに合う紙の選定、さまざまな組み合わせをテストしました。

それから水滴の撮影をし、3000枚ほどの写真素材を作成。

そしてその写真素材をCGで八大龍王尊の姿に形成するのにも膨大な歳月が必要でした。

完成したCGをプリントし、下書きトレースを始めるに至るのですが、この時点で気づけば4年が経過していました。

人間の力を超えたレベルの緻密な描写を目指していたので、下書きも非常に緻密なものとなり、半年かけてふすま8枚全ての下書きを完成させました。

「10m」描くまでの過酷な道のりと美学の追求

OHGUSHI「水墨での筆入れに入りました。しかし、求める緻密さで描いてみたら1日頑張っても手のひら3つ分しか進まない….。でも絶対に妥協はできない。

約10m先のゴールが果てしなく遠く感じ、心が折れそうな時もありました。

そんな時は「一筆は一歩と同じ。ゴールに少しでも進めるのであればそれで充分だ。」と言い聞かせながら、余計なことを考えないようにして、筆入れをひたすら遂行しました。」

 

10mの襖絵の半分が紙屑に。絶望から這い上がる。

OHGUSHI「背景の広がりのある滲みを表現するために和紙ではなく、水彩洋紙を使用したのですが、水彩洋紙をパネルに貼ってから7、8か月も経てば表面のドーサという滲み止めが劣化してしまい、美しい水墨のにじみの表現ができなくなります。

しかし、その時は不勉強でそれを知りませんでした。

8か月かけてふすま絵8枚中の半分まで水墨の筆入れが進む頃に、残り4枚は歳月の経過でドーサの劣化が進行し、水墨のにじみがうまくいかなくなりました。このまま制作を続行することは難しく、残り4枚を破り捨てました。

新たな4枚をまた0から始めることになり、絶望しました。

しかし、遠回りかもしれないですが、妥協を許さない道を選んだ誇りは自分の魂を奮い立たせる力にも繋がります。絶望の淵からなんとか立ち上がり、3、4か月かけて新たな4枚の下書きを終わらせました。

やがて水墨のにじみが理想通りに綺麗に広がった時に強い手応えを感じ、そこからは迷いなく楽しく筆を進めることができました。

やがて、長い様であっという間だった6年の歳月を経て、ふすま絵は完成しました。」

作品解説:流動的に躍動する社会情勢を反映した雲龍図

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本作は、日本の伝統的な書道具を使用し、約10mに渡り緻密な描写を重ねて描かれています 。

一方の背景の雲や嵐は自然現象として表現すべく、墨を流動的に滲ませる技法が使われています。

それにより、具象と抽象が共存した、雄々しく躍動する作品が完成しました。

作品右側の嵐は現在の困難な社会情勢(当時のコロナや世界の紛争)を表現し、

一方で、作品左側の空白は光を表しています。これは「全人類が明るい未来へ向かうように」という作者の願いを込めています。

この襖絵は永続的に年に一期間公開される予定。100年、200年と受け継がれることでしょう。

2024年度も 八大龍王尊「雲龍図」が特別公開されます

https://inari.ne.jp/unryuzu/

期間:2024年6/28(金)-7/22(月) 10:00-15:00

会場:最上稲荷山妙教寺 大客殿・入場無料

〒701-1331 岡山県岡山市北区高松稲荷712

八大龍王夏季大祭(2024年は7月21日開催)にあわせ、最上稲荷山妙教寺大客殿にて期間限定で公開します。圧巻のお姿を、ぜひご覧ください。

その後も、「清らかな水」そのもので表現した水墨画を探究

龍頭観音菩薩

水墨/ 水彩画用紙/ 180×145cm/ 2023年10月

https://ohgushi.jp/works/clientworks/20231206_page10513.html

本作は雲龍図から続くスタイルで、水を司る水神の姿を人々に恵みを与える「清らかな水」そのもので表現した水墨画です。水の描写を、雛人形の目を入れる極細の面相筆をメインとして使用し、雲龍図よりも微細に描いています。

6年をかけた雲龍図の8分の1サイズの作品とはいえ、構想含め3か月の製作期間しかありませんでしたが、全力を出しきれて完成できたので達成感がありました。

「龍頭観音菩薩」は開運を招く龍神に乗り、あらゆる願いを叶えて人々を救う、古来より信仰されている菩薩様です。水瓶から無尽蔵に水を湧き出させ、あふれる水が人々の煩悩を洗い流し、希望とご利益をもたらすといわれています。

OHGUSHIの新作水墨画が銀座"GINZA SIX"で2024年3月7日(木)から展示されます。

タイトル:ブレイク前夜展2023@GINZA SIX Artglorieux of Tokyo

期間:2024年3月7日(木)〜3月13日(水)

会場:GINZA SIX Artglorieux of Tokyo

〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10−1 GINZA SIX 5F

内容:BSフジ『 ブレイク前夜 〜次世代の芸術家たち〜』に出演したアーティスト15名の作品展

会場WEB サイト: https://artglorieux.jp

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