着物を日常に落とし込み受け継がれるファッション、そして雛人形へ。着物リメイク「キモノフク」「雛結衣」の挑戦とこだわり

2024年3月1日(金)12時47分 PR TIMES STORY



私たちTSURUTO(つると)は、デザイナー大方知子とディレクター宇波滉基の2名が中心となり展開する、”和”を暮らしの中へ取り入れたスローなライフスタイルを提案するブランドです。2018年より着物をアップサイクルした「キモノフク」作りをスタートし、これまで1000点以上の着物リメイクを行ってきました。

私たちが提供している「キモノフク」は、着物を解き、普段の生活で身にまとえる日常の衣へとリメイクし、形を変えたものです。

ご自宅に眠っているお着物をお預かりし、キモノフクへと生まれ変わらせる「サイカイの衣。着物リメイクや着物をエッセンスとした一点ものを中心に販売する「と、きもの(and Kimono)。この2つがキモノフクの柱です。サービス開始より7年目を迎え、延べ500名以上のお客様からお着物をお預かりしてきました。

幼いころからの環境問題に対する関心から、古着のリメイク活動を始めるが「キモノフク」に行き着いた

なぜ、私たちがキモノフクに辿り着いたのか。

その背景には、TSURUTOのブランドプロデューサーでデザイナーである大方知子が、子ども時代から寄せてきた環境問題への関心があります。

「風の谷のナウシカ」や絵本「ちいさいおうち」に影響を受けて育った大方。小学生時代から地球環境問題への興味関心を持ち、大学時代には「ファッションから考えるエコロジー」に関心を抱きます。

「エシカルファッション」や「SDGsを満たせるライフスタイル」について、ファッション視点から発信していけたら。今の自分に何かできることを始めたいとの想いから、2008年より古着を仕入れてアクセサリーにリメイクする活動を始めました。

取り組みを続けるなかで、リサイクル業者とのつながりが生まれ、何トンもの服が資源ごみとして回収され、積み上がっている様子も目にしました。アパレル業界の現状を調べていく内に、廃棄問題や労働問題について知ることで課題意識が強まっていきました。

高価で特別なものという印象だった着物が、実はエコロジーなファッションだったという発見

1番エコロジーなファッションスタイルは何だろう?

自問自答を続けていた大方は、あるときリサイクル業者から着物について相談を受けます。洋服だけではなく、着物もリサイクル業者に不用品として大量に集まっており、対応に困っている状況でした。それまで、大方にとって着物のイメージは「高価」「きらびやか」「ハレの日にしか身につけない特別なもの」。多くの若い女性が抱くであろう、ふだんの自分とは結び付かない別世界の衣類でした。

しかし、あらためて着物について知る中で、新しい発見がありました。

着物は、もともと無駄を生まない日本の文化の中で深められてきたものであること。

体型に合わせて柔軟にサイズを調整することができ、古くなったあとには雑巾やオムツとして最後まで使い切ることができるということ。

高価で普段着として着られないと思っていた着物はごく一部のものであり、日本の長い歴史の中で、培われてきた伝統工芸品であり、地域ごとに普段使いされてきた優れた織物があること。

実は、着物はエコロジーなファッションだったということ、そんなファッションが、自国の文化にあったのだと、大方が「着物で何かをしたい」と思った転機でした。

着物をリメイクした洋服を販売する「ときもの」からサービスをスタート。お客様の着物をオーダーメイドでリメイクする「サイカイの衣」へと広がる。

和の文化を発信したいという想いからTSURUTOが生まれたのは、2015年のこと。

その後、キモノフクが誕生したのは、2018年のイベント出店がきっかけでした。

セレクトした10枚ほどの古い着物から、友人のデザイナーに依頼し、キモノフクを製作。その出来栄えを見て、どこか古臭いイメージを抱いていた「着物リメイク」の可能性の大きさを感じ、着物リメイクを始めるきっかけとなりました。

はじめは「柄が可愛い」といった視点でリメイクする着物を選んでいたところから、徐々に生地の素材感風合いをより重視するようになりました。長く愛用してもらえるように、アフターケアのしやすいものや、ほころびが出にくいもの、破けにくいもの等々、つるとが着物を選ぶ基準が出来上がっていきました。

天然素材ゆえの着心地の良さと、日本各地に存在する独自性のあるユニークな生地の数々。洋服に形を変えることで、普段着として気軽に身につけることができるようになるのも、キモノフクの良さです。長く身にまとっていただけるよう、デザインは流行や年齢にしばられずに着られる、エイジレス・タイムレスなものを重視しています。時代を超えて美しいと思っていただける一着を作り続けています。

手放すことができない着物

着物リメイクの服作りをする中で、お客様から「実は、家に着ていない着物がしまわれていて」といった声が寄せられるようになり、これが、オーダーメイドのキモノフクサービス「サイカイの衣」を始めたきっかけとなりました。

「買い取り業者にタンスの肥やしとなっている着物の買取を相談したのですが、値段がつかなかった」

「高価なものではないかもしれないけれど、捨てるのは忍びない

「シミや汚れがついているから、捨てるしかないのかな、と。でも、母が大切にしていた着物だから捨てることもできなくて

多くの着物が様々な環境で、後ろめたい気持ちと共に、家の奥にしまいこまれています。

一着の着物が持つ物語は、それぞれ異なります。

買い取り業者の査定では10円、20円の価値しかない*と言われた着物にも、誰かの記憶や思い入れがあるもの。キモノフクとして生まれ変わらせることで、何万倍もの新しい価値を得ることができる。そう、私たちは考えています。

リメイクしたキモノフクをお届けしたお客様から届く嬉しいメッセージ

「亡くなった母から嫁入り道具で持たされた着物が、何十年もタンスと一緒に心に引っかかっていた。洋服として着られるようになって、長年の心のつかえがとれました」

「父の形見が、普段着られる服になって、側にいてくれるような気がしてとても嬉しいです。」

「キモノフクを着るようになってから、着心地の良さを知ってしまい、キモノフクしか着れなくなってしまった」

お客さまからいただくこうした言葉が、私たちの活動を支えています。

日本で生まれた着物は、日本の気候風土に合った素材で作られ、圧倒的な意匠性と着心地の良さを誇ります。日本の文化を味わう選択肢の1つとして、キモノフクを提案しています。つい自然と手に取ってしまう、そんなキモノフクの良さもぜひ実感していただきたいです。

キモノフク作りの中で生まれた伝統工芸「ひな人形」との出逢い

埼玉県にて、三代続く雛人形工房「あいはる人形」とのコラボレーション

埼玉県越谷市で行われている「越ヶ谷宿の雛めぐり」を通し、埼玉県越谷市に工房を構える雛人形工房「あいはる人形」との出逢いがありました。雛めぐりでの展示を目的に、新しい雛人形を製作することになり、つるとオリジナルの雛人形「つるとひな」が2020年に誕生しました。

ヴィンテージ着物をアップサイクル「時を経ても美しい、雛さまの衣装」

時代を追うごとに和服を着る機会が減り、多くの着物が眠ってしまっている現在。

つるとひなは、確かな伝統技術とデザイナーの色彩感覚で、美しいグラデーションのお衣装を纏う、他にはない新しいお雛さまです。着物にフォーカスし雛人形の衣装として再び輝かせます。

つるとデザイナーが厳選する着物は、仕立てられたまま袖を通れなかった上質で美しい正絹のお着物。職人の伝統の技、丁寧な手仕事が施された着物を解き洗いにかけ、お雛さまの衣装に仕上げています。SDGsを体現する新しいスタイルのお雛さまです。大切な着物をアップサイクル。

SDGsな世界にひとつだけのお雛さま「雛結衣(ひなゆい)」が誕生。

受け継がれる、伝統文化と家族の思い。

「自分の手持ちの着物からも作れませんか」というお客さまの声を受け、持ち込みの着物による雛人形オーダー「雛結衣(ひなゆい)」がスタートしました。

お客さまご自身の着物から、デザイナー大方が衣装をコーディネートし、お雛さまの衣装へ仕立てる一点ものの雛人形を製作していくサービスです。思い出の詰まったお着物から、お孫様の初節句をお祝いする雛人形へと生まれ変わりました。

環境や作り手の事を思いながらファッションに関わる仲間とともに活動を続けていきたい

TSURUTOでは、売り上げの一部をNPO法人ACE(エース)に寄付する活動を行っています。ACEは、インドを中心としたコットン農家の子どもたちを支援する団体です。健全に作られているコットンが広く使われるようになってほしい。製造過程で環境や人が傷つけられることのないようにとの想いは、キモノフクへの想いと同じものです。

そういったエシカルな面から見た時にも、着物には良さがあります。1着のキモノフクを作る際に必要な水の量は、Tシャツの製造と比べて約98%**も削減可能。大量生産のできない非効率なモノづくりですが、環境負荷の面で見ると非常に効率的なものなのです。私たちもそれまで知ることのなかった自国の文化の良さを、キモノフクを通して気づことができ、今も学び途中です。キモノフクを通して、ひとりでも多くの方に日本文化の良さを知ってほしい。

「着物って、着づらい」「裕福な人の趣味でしょう?」といった、着物への先入観が外れ、着物の良さを知っていく人が増えていくよう、これからも活動を続けていきます。

2名の共同代表が率いてきたつるとは、キモノフクをはじめ、わたしたちの足元にある文化を大切にし、美しい循環を生み出していきたいと考えています。自分たちだけではなく、国内外とのアーティストとのコラボレーションにも行っていきたい。多角的な視点から見つめることで、日本文化の新たな解釈を生み出したい、そんな想いを抱いています。

鶴が大空に羽ばたき、そして未来に渡っていく姿をイメージし、ブランド名にした「TSURUTO(鶴渡)」。ブランド立ち上げから9年目を迎え、この3月よりアトリエを東京都港区西麻布に構えます。TSURUTOと一緒に活動したい。そんな方々と共に活動を盛り上げていける日を楽しみにしています。



* お客さまの声によるもの
** WWFとNational GeographicのMake Each Choice Countに基づくCotton T-shirt1着ができるまでに必要な水量より算出

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