一流コンサルファームが重視する資質「3位学歴」「2位知性」、1位は?

2024年3月13日(水)6時0分 ダイヤモンドオンライン

一流コンサルファームが重視する資質「3位学歴」「2位知性」、1位は?

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「コンサルティング業界の人気は高まり続けているのに、誰もコンサルティング業界のことを理解できていない」──。そう嘆くのは、コンサルティング業界に特化したエージェントとして、17年間転職支援をしてきた久留須 親(くるす ちかし)氏だ。久留須氏はコンサルティングファーム志願者の「駆け込み寺」として、多くの内定者を送り出してきた。著書『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』では「ファームに入社した人の共通点」「具体的にどんな対策をすれば受かるのか」「入社後活躍する人とは」などについて、史上初めて実際に入社した3000人以上のデータを分析し「ファクトベース」で伝えている。「コンサルティング業界への転職を考えている」という人はもちろん、「キャリアチェンジを考えたい」さらに「コンサルタントのスキルが気になる」という人まで、マッキンゼー、BCG、ベインなどの「経営戦略系ファーム」そしてアクセンチュア、デロイト、PwCなどの「総合系ファーム」対策の全てが詰まった完全保存版の一冊だ。※この連載では、書籍から一部を抜粋・編集して掲載します。

Photo: Adobe Stock

「頭がいいだけ」では採用見送りも

「コンサルティングファームは、人物面やマインドセットを重視している」 この事実を伝えても、正直ピンとこない人が多いです。「コンサルタント=地頭がよい」という印象が強いため、極端にいうと「頭さえよければコンサルタントになれる」というイメージが強いのかもしれません。しかし、これは大きな誤解です。

 コンサルティングファームが人物面やマインドセットを重視する理由は、長年培ってきた採用と育成の経験から、「コンサルタントとして成長するために必要不可欠」と結論づけているからです。実際にインテレクチュアルスキル(いわゆる地頭のよさ)のレベルが高かったとしても人物面の評価が著しく低いことが理由で、採用が見送りになるケースもあります。

 面接で見られるポイントは決して先天的なものではなく、後天的に身につけられるものです。まずは日頃の意識や行動から変えていくことが重要です。 まさに「意識が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる 運命が変われば人生が変わる」という有名な言葉の通りです。

ファーム「素直さ」を重視する理由とは?

 人物面で一番見られているのは、実は「素直さ」です。

 もちろん、コンサルティングファームの書類選考では「学歴」が重視され、面接でも「インテレクチュアルスキル」と呼ばれる頭のよさが必要であることは大前提です。でも、これらの要素を(素直さと)3つ並べて順位をつけるなら、「3位」「2位」に過ぎません。

 ファームが「素直さ」を重視する一番の理由は、その人の成長スピードを測るためです。

「素直な人ほどよく伸びる」といいますが、コンサルタントも例外ではありません。コンサルタントは、未経験採用が基本です。ほぼゼロからコンサルティングスキルを習得していくので、その過程で多くの人から色々な指摘やアドバイスを受けます。これらを取り入れて、一人前に成長できるかどうかを分ける一番大きな要因が「素直さ」なのです。 コンサルタントに求められるのは、あくまでクライアントが納得するアウトプットです。いくら自分が正しいと思っていようが、いくら時間をかけていようが、クライアントやレビュアーが「これは違う」とみなしたら、そのアウトプットに価値はありません。

 素直な人は、受けた指摘やアドバイスを取り入れて、即行動に移します。するとすぐにその結果が出ますから、指摘されたところが直っているのかどうかを素早く検証できます。もし直っていなかったとしても、さらなるアドバイスがきますので、また即行動に移して検証ができます。こうした高速サイクルを回せるかが、成長のカギとなります。結果的に、「素直な人ほど成長が速い」わけです。

 ここまで読んで「そうだよね」と納得してくれる人がほとんどだと思うのですが「言うは易し、行うは難し」です。私が17年間見てきて、ある程度社会人経験を積んで、業務において成果を出し、自信を持っている人ほど、アドバイスに対して素直ではない反応をしてしまいます。何かを指摘されると、つい反論してしまうのです。

 これは面接でも見られています。 面接官から「こういう考え方もあるのでは?」と指摘されたとき「いや、自分はそうは思わないです」と脊髄反射的に反論するのか、あるいは「確かにおっしゃる通りです」と一度受け止められるのかはとても重要なポイントです。

 もちろん、素直さは年齢だけで決まるわけではありませんが、30代以降は意識して「アンラーニング」をすることが必要です。ある程度の成功体験や自信を持っているなら、これらをいったん捨てて、コンサルタントとしてゼロから学ぶ気持ちでスタートしてみてください。 捨てるといっても、学び直しなので、過去の経験がなくなるわけではありません。いったんそれを置いてアンラーニングすると、その後の伸び代が増えます。 アンラーニングの段階を乗り越えてコンサルティングスキルを得た暁には、改めてこれまでの経験や知識を活かすことができるようになるのです。アンラーニングできるかどうかも、「素直さ」がカギになります。

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