香港前場:ハンセン0.1%安で3日続落、上海総合は0.2%下落

2024年4月8日(月)13時30分 サーチナ

 週明け8日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比14.24ポイント(0.09%)安の16709.68ポイントと3日続落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は0.98ポイント(0.02%)高の5864.55ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は605億8770万香港ドルに拡大している(5日の前場は422億5520万香港ドル)。
 米長期金利の上昇が重しとなる流れ。堅調な3月米雇用統計の結果を受け、先週末の米債券市場では、米10年債利回りが急上昇した。金融政策で米国に追随する香港でも、金利上昇の圧力が増すと警戒されている。また、中国不動産デベロッパーや地方政府の債務問題がくすぶっていることもマイナスだ。もっとも、下値は限定的。米中関係の悪化懸念がひとまず薄らいだことや、中国景気の持ち直しも改めて材料視された。イエレン米財務長官と中国の李強・首相は7日に北京で会談し、イエレン氏は「過去1年の厳しい話し合いを通じ両国関係は改善している」との認識を示し、李強氏は「両国は敵対関係ではなくパートナーであるべき」と述べている。ハンセン指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が6.7%安、ビールメーカー大手の百威亜太HD(1876/HK)が6.6%安、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が4.5%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国不動産の一角が安い。世茂集団HD(813/HK)が14.3%、建発国際投資集団(1908/HK)が6.1%、中国奥園集団(3883/HK)が3.1%ずつ下落した。世茂集団については、債務再編のとん挫が懸念されている。同社は8日、債権者の中国建設銀行(亜洲)が香港高等法院(高等裁判所)に対し、同社の清算申し立てを行ったことを明らかにした。
 オンランインゲーム関連もさえない。智傲HD(8282/HK)が9.6%安、創夢天地科技HD(1119/HK)が4.0%安、IGG(799/HK)が1.5%安、心動(2400/HK)が0.9%安で引けた。
 半面、レアアース・非鉄関連の銘柄は高い。希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が4.3%、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が4.0%、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が2.6%、ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が2.2%ずつ上昇した。市況の先高観が強まっている。先週のロンドン金属取引所(LME)では、中国などの需要回復が期待され、銅先物価格が約1年2カ月ぶりの高値を付けた。そのほか、金相場が連日で史上最高値を更新する中、産金株も物色されている。
 一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.17%安の3063.95ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。不動産株、医薬株、酒造・食品株、保険・証券株なども売られた。半面、素材株は高い。エネルギー株、公益株、銀行株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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