クラシコム代表に聞く。たまたま気に入った言葉から「北欧、暮らしの道具店」が生まれるまで

2024年4月10日(水)6時0分 ダイヤモンドオンライン

クラシコム代表に聞く。たまたま気に入った言葉から「北欧、暮らしの道具店」が生まれるまで

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理念経営のキーパーソンたちとの対談シリーズ「理念経営の実践者たち」もいよいよ第10弾となる。今回お話しいただいたのは、北欧雑貨などのECサイト「北欧、暮らしの道具店」を手がけるクラシコム代表取締役の青木耕平さん。ECサイトのみならず、オリジナル商品の企画開発、暮らし関連コンテンツの配信、タイアップ広告、など、多岐にわたる事業を展開しているクラシコムの根底には「フィットする暮らし、つくろう。」というミッションがある。『理念経営2.0』著者である佐宗邦威さんは、書籍の構想段階から青木さんに独自インタビューをし、クラシコムの理念経営に衝撃を受けていたという。それから5年が経過した先日、同社が理念体系を刷新したばかりのタイミングでお二人の対談が再び実現した。今回のテーマは、同社のミッションからどのように事業が生まれてきたかについて(第2回/全5回 構成:フェリックス清香 撮影:疋田千里)。

「フィットする暮らし、あった!」

佐宗邦威(以下、佐宗) 「北欧、暮らしの道具店」は今や大人気のECサイトですが、「フィットする暮らし、つくろう。」というミッションを掲げた青木さんたちは、どのようにしてこの事業にたどりつかれたのでしょうか?

青木耕平(以下、青木) 不動産事業が失敗して妹にも苦労をかけたので、最後にみんなでスウェーデンに社員旅行をすることにしたんです。向こうで知り合った人の家や職場に遊びに行かせてもらったんですが、そのときに僕たちは「フィットする暮らし、あった!」と感じたんですね。

40歳前後の管理職女性が16時に子どもの迎えに行き、自分の個室で遊ばせながら18時くらいまで働いている姿だったり、誰もが知っているグローバル企業のビルが19時には真っ暗になっている様子だったり。みんな早めに家に帰って、若者みたいに真夜中の2時くらいまで遊んだりしているんです。それなのに1人あたりのGDPは日本よりも高いのが衝撃でした。

人が人として生きる喜びを味わい、自分の人生を自分でコントロールしながら、経済的にも成功することが可能だと知ったのは、僕たちにとっては強烈な経験でした。もちろんその裏にはさまざまな事情がありますし、我慢しないといけない部分もあります。でも、こういう社会のあり方のほうが美しいと思ったんです。

佐宗 あくまでも「美しい」なんですね。

青木 諦めるべきことを諦めていないのって、美しくないなと思っていて。北欧は意識して引き算がされているんです。そして、とても大事な部分はしっかり残されている。その感動をなんとか日本に持ち帰って、みんなに伝えたいと思いました。

青木耕平(あおき・こうへい)

1972年、東京都生まれ。株式会社クラシコム代表取締役。2006年、実妹である佐藤友子氏と株式会社クラシコム共同創業。2007年、賃貸不動産のためのインターネットオークションサイトをリリースするが、1年ほどで撤退。同年秋より北欧雑貨専門のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を開業。現在は北欧のみならず、さまざまな国の雑貨・アパレルのEC販売を行うほか、オリジナル商品の企画・開発、広告企画・販売など、多岐にわたるライフスタイル事業を展開中。


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