マレーシア海上天然ガス生産設備におけるメタン等のGHG排出管理および削減手法の技術検討プロジェクトを完了

2024年4月10日(水)11時16分 PR TIMES

〜世界的に対応が求められるメタン排出管理のソリューション提供を推進〜

日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之、以下:日揮HD)は、海外EPC事業会社である日揮グローバル株式会社(代表取締役 社長執行役員 ファルハン・マジブ、以下:日揮グローバル)が、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(以下:JOGMEC)の公募事業である「海上生産設備におけるメタンを含めたGHG※1排出量管理手法および削減手法の技術検討・策定にかかる委託調査業務(以下:本委託調査業務)」に採択され、その業務の一環として、マレーシア国営エネルギー会社であるペトロナス社が保有する天然ガス海上生産設備を対象としたGHG排出管理および削減手法の技術検討(以下:本プロジェクト)を完了したことをお知らせします。

1. 本プロジェクトの概要
日揮グローバルは、2023年11月から本年3月まで、ペトロナス社のマレーシア サラワク沖にある天然ガス海上生産設備において、日揮グローバルのGHG排出量定量化サービスであるHiGHGuard(R)*2を含めた先進技術を活用し、最適なメタン排出計測手法の策定を行いました。 
陸上生産設備と比べて、海上生産設備は、狭小で複雑であることや風の影響もあること等から、排出量を簡便かつ正確に計測することは容易ではないと言われています。日揮グローバルは、これまで、JOGMECのエネルギーサプライチェーンの炭素集約度(CI:Carbon Intensity)算定のためのCIガイドライン*3の策定への参加、複数の海外GHG排出量算定プロジェクトの実施等を通じてGHG排出量定量化の技術力を高めてきており、これらの経験と高いエンジニアリング技術を用いて、難易度の高い海上生産設備におけるメタンの計測手法の策定等を行いました。

具体的には、ドローンや固定センサーなどを使って設備全体の排出をとらえるトップダウン計測手法の策定、およびペトロナス社による排出源毎の排出量を測定・算出し積み上げるボトムアップ計測手法の策定をサポートしました。さらに、日揮HDの技術研究所(茨城県大洗町)の技術評価設備を活用しトップダウン測定技術を検証しました。トップダウンとボトムアップの結果は、比較による差分検証を通してGHG排出量定量化の精度向上に向けた定量化手法の見直しに使用されます。
また、本プロジェクトは技術力のある海外企業とのパートナーシップの下に進めていくこととし、ドローン計測によるメタン定量化を行うAeromon社(フィンランド)やSeekOps社(米国)、および固定式センサー等によるメタン定量化を行うProject Canary社(米国)、SLB社(米国)などと協業しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/65135/195/resize/d65135-195-c859bc466fcf6f12c969-0.png ]

2. 本プロジェクトの背景
メタンは、CO2の28〜84倍程度*4の温室効果を有しており、その影響度の大きさから、2021年9月、メタン排出削減を目指した国際的なイニチアチブであるGlobal Methane Pledgeが開始されました。天然ガスやLNG(液化天然ガス)は、燃焼時のCO2排出量が比較的少ないエネルギーですが、一方で、採掘、製造、輸送などのサプライチェーンの各段階から排出されるメタンを含むGHGの削減が求められています。
Global Methane Pledgeの参加国である日本とマレーシアは、世界有数のLNGの輸入国と生産国であり、それらのサプライチェーンにおけるメタン排出量の計測や排出削減に向けた取り組みを加速させています。2023年3月には、JOGMECとペトロナス社との間でカーボンニュートラル分野での事業創出に向けた協力覚書が締結*5されており、同覚書に基づき本プロジェクトが実施されることとなりました。

日揮グループは、天然ガス処理・LNG生産プラントのリーディングコントラクターとして、およそ40年に亘ってマレーシアにおける陸上LNGプラント全ての設計・建設工事に携わっています。また、従来から各種プラントにおけるメタンを含めたGHG排出量の定量化及び削減のために必要な技術・手法に関する知見と実績を積み重ねてきました。2023年2月には日揮HD技術研究所に、石油・天然ガス関連プラントから漏洩するメタンを検知・測定するためのアジア初となる技術評価設備*6を建設し、国内外の企業とのパートナーシップの下、最新技術の評価と現場での活用の検討、他企業に対する技術開発支援等を行っています。

3. 今後の展開
日揮グループは今後も、本プロジェクトの結果を精査しつつ当社グループの優れたGHG排出量定量化技術とプラントエンジニアリング技術を活用し、低・脱炭素社会に求められるサプライチェーン全体でのGHG排出の少ないエネルギー開発ならびに生産施設の実現を通じて、スムーズなエネルギートランジションに貢献してまいります。


※1:温室効果ガス(Greenhouse Gas)。大気中で温室効果を引き起こすガス。
※2:https://www.jgc.com/jp/business/oil-gas/lng/highguard/#1
※3:https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00120.html
※4:地球温暖化に与える影響度を示す数値。100年間または20年間で地球温暖化に与える影響が、メタンにおいては、それぞれ28倍と84倍程度となる。
※5:https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_00089.html
※6:大洗技術研究所のメタン計測技術評価設備の写真
[画像2: https://prtimes.jp/i/65135/195/resize/d65135-195-b115413bf237bd242c79-1.png ]

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