6月の株式市場の傾向って?【2024年】

2024年6月4日(火)12時20分 All About

6月相場は軟調に推移しがちな5月から一転し、投資家が再び買いを始めるといわれていますが、実際はどうなのか。過去の株価データから調べてみました。

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6月の株式市場の傾向は?

6月相場は、保守的な決算内容を嫌気した投資家が再び買い戻しを始める月といわれていますが、実際はどうなのでしょうか。過去の株価データから統計的に検証してみました。
■検証対象:全銘柄
■検証期間:2000年1月1日〜2024年4月30日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:5月末の寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後の翌日営業日に、寄り付きで売り
5月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、6月は株価が上がりやすい月となります。反対に、損益がマイナスであるならば、6月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、次の通りです。

株式市場の傾向(6月)の検証結果


勝率:53.49%
勝ち数:45,124回
負け数:39,228回
引き分け数:1,775回
平均損益(円):2,462円
平均損益(率):1.23%
平均利益(円):16,315円
平均利益(率):8.16%
平均損失(円):−13,363円
平均損失(率):−6.68%
合計損益(円):212,003,882円
合計損益(率):106,003.23%
合計利益(円):736,209,825円
合計利益(率):368,115.65%
合計損失(円):−524,205,943円
合計損失(率):−262,112.41%
PF(プロフィット・ファクター):1.404
平均保持日数:26.90日
以上が、株式市場の傾向(6月)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は53.49%、1トレードあたりの平均損益は、+1.23%となっています。勝率が5割を超え、平均損益もプラスになっていることから、6月は上がりやすい月と判断できるでしょう。
6月相場が上昇しやすい要因として、5月相場が軟調に推移しやすい点が挙げられます。5月は、3月決算企業の決算発表が本格化します。日本企業は保守的な見通しを出すことが多く、投資家は決算内容を嫌気して保有株を手放す動きが強まります。反対に6月は、5月に売られた株式の買い戻しが行われるため、株価が上昇しやすい傾向があります。

6月の好調銘柄ランキング!

今回の検証では、6月相場は株価が上がりやすい傾向であると確認できました。そんな中、6月の株式市場で好調な銘柄を確認してみましょう。

表は先ほどの検証結果において、勝率の高い銘柄のランキングです。「タクミナ<6322>」「サンメッセ<7883>」「大丸エナウィン<9818>」などの企業が比較的よいといえるでしょう。
ランキング上位の銘柄を詳しく見ると、スタンダード市場の銘柄が多いことが確認できます。
6月はボーナス月なので、個人投資家の投資資金が増えます。5月に売られた株式の買い戻しが行われるため、6月は上記のようなスタンダード市場の銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。
(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)
国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))

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