グリーンイノベーション基金事業で新たに「次世代型太陽電池実証事業」に着手しました

2024年9月20日(金)16時46分 PR TIMES

ペロブスカイト太陽電池の早期の社会実装を目指し、量産技術開発とフィールド実証の両輪で推進します

 NEDOは、グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発」プロジェクト(以下、本プロジェクト)で、ペロブスカイト太陽電池の量産化技術開発と、社会実装を実現するためのユーザーと連携したフィールド実証を、並行して実施する「次世代型太陽電池実証事業」を新たに開始し、1件の研究テーマを採択しました。
 本プロジェクトでは、軽量性や壁面などの曲面にも設置可能な柔軟性などを兼ね備えたペロブスカイト太陽電池の早期社会実装を目指しており、今回、採択した研究テーマでは、フィルム型のペロブスカイト太陽電池の量産化技術開発と、耐荷重の小さい屋根や高層ビル壁面への設置など、さまざまなフィールドでの実証を行います。
 NEDOは本プロジェクトを通じて、ペロブスカイト太陽電池の早期の社会実装を図るとともに、日本の太陽光発電産業の競争力強化を目指します。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135644/113/135644-113-1a18338e46f2dab410e39027dc26bb36-820x460.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]次世代型太陽電池イメージ
1.グリーンイノベーション基金事業について
 日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど、現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDOに総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業(以下、本基金事業)を立ち上げました。本基金事業はグリーン成長戦略※1で実行計画を策定している重点分野を支援対象としています。また、令和4年度第2次補正予算により3000億円が積み増しされており、令和5年度当初予算により4564億円が積み増しされました。
 なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくために、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト※2」を公開しています。

2.本プロジェクトの背景
 本プロジェクトでは、シリコン系太陽電池に対抗しうる太陽電池として有望視されるペロブスカイト太陽電池の開発・製品化・市場開拓を早期・着実に進めるために、産学官の連携した開発体制を構築し、太陽電池の性能向上と実用化レベルの大型化を実現するための技術開発を進めてきました。今回の研究開発内容「次世代型太陽電池実証事業」では、品質を安定させつつ大量生産を可能とするための量産技術の開発と、国内外の市場を想定したフィールド実証を並行して実施します。これにより発電コスト14円/kWhの達成とペロブスカイト太陽電池の早期の社会実装を図るとともに、日本の太陽光発電産業の競争力強化を目指します。

3.事業内容
【1】事業名
グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発/次世代型太陽電池実証事業
【2】予算
378億円(NEDO支援規模)
【3】期間
2024年度〜2030年度(7年間)
【4】事業概要
 品質を安定させつつ大量生産可能な量産技術の確立に向け、一連の生産プロセス(ライン)として高いスループット※3や高い歩留まりを実現する技術開発を行います。例えば、ロール・ツー・ロール(R2R)方式の製造に適した材料、製造装置と製造プロセスの開発とその検証および改善点を抽出しフィードバックなどを通じて、量産技術の確立に取り組みます。
 また量産化技術の確立と並行して、ペロブスカイト太陽電池の特徴である軽量性・柔軟性を活かした設置方法や施工方法などを含めた性能検証のため、耐荷重の小さい屋根や高層ビル壁面への設置など国内外の市場を想定したフィールド実証(建築物などの実用箇所への施工、運用試験)を行い、必要に応じて検証結果を踏まえた改良を行うことで、ペロブスカイト太陽電池の実用化を促進します。

4.採択テーマ
 【1】テーマ名
 軽量フレキシブルペロブスカイト太陽電池の量産実証
 【2】概要
 フィルム型のペロブスカイト太陽電池のR2R方式による量産化技術開発と、耐荷重の小さい屋根や高層ビル壁面への設置などのさまざまなフィールド実証を行います。
採択テーマと実施予定先は、以下の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。
(別紙1)実施予定先一覧
(別紙2)事業概要資料

※上記「別紙1」および「別紙2」については、いずれも以下のURLよりご確認ください。
 https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101779.html

5.今後の予定
 NEDOは今後も、「次世代型太陽電池実証事業」にて追加的に公募を実施するなど早期の社会実装へ向けて研究開発を推進します。

【注釈】
※1 グリーン成長戦略
日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を、経済と環境の好循環につなげるための産業政策として、2021年6月18日、経済産業省が関係省庁と連携して、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
※2 グリーンイノベーション基金事業 特設サイト  https://green-innovation.nedo.go.jp/
※3 スループット
単位時間あたりに処理できる作業量であり、ここでは単位時間あたりの生産量の意味です。

PR TIMES

「太陽電池」をもっと詳しく

「太陽電池」のニュース

「太陽電池」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ