新時代の職場環境改革。ハラスメント対策研修と講師養成を行う「一般社団法人日本ハラスメントリスク管理協会」の挑戦とは

2023年12月12日(火)10時0分 PR TIMES STORY

一般社団法人日本ハラスメントリスク管理協会は、ハラスメントを解消し品性のある組織つくりを目指すを理念として活動しています。

パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)により2022年4月にすべての企業にパワハラ対策が義務化されたことを期に、当協会ではハラスメント対策講師の養成を開始しました。

講師養成を開始してから約1年で、20名を超える講師が誕生し、各地で活躍しています。

活躍する講師の紹介とともに、当協会の今後の展望をお伝えしたいと思います。

問題のある上司は守られるのに、部下は使い捨てになるのはおかしい。自身が受けたパワハラ経験から起業を決意

写真:代表理事 金井絵理

私は、2020年に当時勤務していた企業を退職しました。このとき「もう会社員には戻らない」という思いがありました。

私自身がパワハラを受けやすいタイプでした。パワハラにより退職をすることとなったとき、人事責任者との面談で「金井さんでもダメだったか」という一言で理解しました。「この人なら大丈夫」と思われ、パワハラをしがちな上司の部下として配属されていたということです。

問題のある上司の立場が守られる一方、部下が使い捨てになるのはおかしいという想いが大きくなりました。

私は生まれつき肝臓の病気があり、会社における心身の負担から病の悪化が進んでいきました。理不尽な指示や指導を受け続けることは健康に良くありませんし、この負担を減らすために自分のペースで仕事をしようと、独立することを選択しました。

2020年にパワハラ防止法が施行され、パワハラ研修の企業ニーズは高まることが明白だったのでこの分野に絞り事業を行うことを決めました。

「事業」として進めていくには仲間が必要となります。過去同じ職場で働いていた先輩や、その縁で繋がった専門家に協力を得て5名のメンバーで一般社団法人日本ハラスメントリスク管理協会をスタートしました。

心身を蝕むハラスメント。対策は一過性のものにしてはいけない

私にとっては「理不尽で筋が通っていないことに従う」ことが何より負担でした。

自分が責任者として事業を進めることは大変ですし、かなり忙しいのですが今の方がよほど精神的に楽です。

ただ、協会を設立して約1年が経ち依頼が増えてきたころ、主治医から肝臓の状態が悪く余命5年であることと告げられました。助かるためには肝臓移植が必要となりました。

臓器移植は文字通り命がけの手術です。法人を閉じることも考えましたが、メンバーが不在時のフォローを丁寧にしてくれました。そのおかげで、顧客対応など仕事が滞りなく進みました。

この経験から、心身を蝕むハラスメントの対策は一過性のものにしてはいけないとこれまで以上に強く思いましたし、不在時にメンバーが守ってくれた協会でより頑張ろうという気持ちにもなりました。

「知らない」ことにより生じるパワハラを解決するため、研修に力を入れている

写真:オンラインで行われる認定講師の養成講座

当協会は「ハラスメントを解消し品性のある組織つくりを目指す」を理念に掲げています。

日本におけるハラスメントの現状は深刻です。

データを交えてお話します。2015年のISSP(国際比較調査)による、職場で身体的・精神的ないじめや嫌がらせを受けたことがある人の割合は、調査対象約40か国のうち4位でした。

令和2年度の厚生労働省の調査で「過去3年間での勤務先でパワハラを一度以上経験した人」の割合は31.4%です。およそ3人に1人が受けています。

看過できない状況といえます。法律によってパワハラ対策が企業に義務付けられましたが、正直なところ対応が不十分な企業は少なくありません。

ただ「知らないからパワハラをしてしまう人」や「知らないからうまく対策ができない企業」も少なくないのです。

では知ってもらおう、と当協会は研修に力を入れています。

今後数年間は研修に力を入れていく予定です。理解が進み、正しい知識が広まるまでは頑張りたいです。

講師は競合関係ではなく仲間である。仲間を増やすための講師養成を開始

現状として、ハラスメントを扱う講師は少ないです。パワハラ防止法ができ、企業に防止対策が義務化されたので、このテーマを扱う講師が増えてきました。

協会を立ち上げた当初、運営メンバーの5名という少ない人数でこの社会課題に対応していくのは難しいことは分かっていました。講師養成を行い、仲間を増やすことに力を入れることを決めました。

講師を養成したら、競合関係にならないのかと思うかもしれませんが、競合するかどうかという枠で考えていては、ハラスメントを解消し品性のある組織つくりを目指すという理念は達成できません。講師の皆さんは仲間です。

また、ハラスメント講師が個人でのスキルや知識を向上させることは厳しいと思います。研修の受講者から思ってもいないような相談や質問が来ます。

法律、心理学、人材組織の幅広い分野に知見がないと対応ができません。

複数の講師がチームとして互いの知見を共有しながらレベルを上げていく必要があると考えています。毎月講師の勉強会も開催し知識などの共有の機会を設けています。

約20名の講師は、業種、職種、年代などバラバラです。

共通しているのは、それぞれに組織におけるハラスメントの解消や予防に対して強い思いを持った方ということです。

社労士の方や、企業の人事やコンプライアンスの担当、現役の研修講師の方などそれぞれ専門性が高い方ばかりです。皆さん素晴らしい講師です。

中でも、私がいつもその行動力に驚かされる2名を紹介したいと思います。

■糸尾紀子さん

【プロフィール】

石川県出身。早稲田大学卒業後、石川県内金融機関にて営業店、広報部門等に従事。その後、大手損害保険会社にて19年勤務。現在、税理士法人北陸合同会計事務所の関連会社である「有限会社高田経営アシスト」にて、主に損害保険の募集や事務、事業計画策定など幅広い分野を担当している。

ファイナンシャルプランナー2級、防災士、石川県立小松特別支援学校評議員。

【糸尾さんコメント】

私が取り扱っております損害保険の分野でも、近年ハラスメントに対応した商品が出ています。これはハラスメントによって企業が何らかの損害賠償金を支払わなければならないときの備えとなるものです。

ただし、これは事後対応です。ハラスメントが起きる前に何等か手を打つことが重要です。「何をしてはいけないか」が分かるとリスクを減らすことができます。

予防効果が大きいと言われている研修を通じて、ハラスメントへの理解を深め、一日の大半を占める「職場」での時間が、より働きやすく・ひとりひとりが輝ける場となるためのお手伝いをしたいと考えています。

講師未経験の状態から約半年ほどで、石川県内で3つの法人で研修の機会を頂きました。当社の営業担当がお客様のためになるからと、どんどん研修を提案してくれています(笑)

お客様の職場環境の改善や、良い状態の維持に少しでも貢献できれば嬉しいと感じます。

写真:石川県内で医療従事者向けの研修

■岸山裕子さん

【プロフィール】

日本ペイント株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 管理グループ勤務。

東京都出身。サービス業における接客業、広告制作会社や製造業における管理部門などを経て、現職。2021年に一般社団法人日本ハラスメントリスク管理協会にて「パワーハラスメントリスク管理者®」第1号の資格を取得。これを期に、職場におけるハラスメント防止は重要であるとの想いを強くする。

2023年7月に一般社団法人日本ハラスメントリスク管理協会認定講師となり、この3か月後にはマーケティング本部の業務を行いながら人事や総務のメンバーとのプロジェクトを開始し、日本ペイントとグループ会社約1,300名に向けたハラスメント対策動画を制作し配信している。

【岸山さんコメント】

日本ペイントはハラスメント撲滅へトップの強い想いがあります。組織として真摯に対策に取り組んでいます。

私が協会の講座を受講した有資格者ということは社内で話していたので「社外に講師を依頼するよりも現場を良く知る社員が講師をした方が良い」と総務部門より講師の相談がありました。

自分の好きな職場のためになるならと、もちろんお受けしました。私が所属するマーケティング部門、人事と総務の合同プロジェクトとしてプロジェクトがスタートしました。それぞれのメンバーがハラスメント対策に意義を感じており、主体的に取り組んだことで順調にプロジェクトが進みました。

日本ペイントとグループ会社の約1300名に向けて、パワハラの理解動画を作成しました。日常業務の合間に見やすいように、短い動画を単元ごとに分け、4回シリーズで作成しました。第1回の動画公開からすぐに1,000名以上からのアンケートが返ってきました。「ハラスメントが職場環境を悪化させることがわかった」

「困ったことがあれば人事に相談してよいことがわかったし、相談することのハードルが下がった」などの声が多くありました。過半数の従業員がハラスメントに対する心構えが変わったと回答しました。

動画を作るときにこだわったのはポジティブなメッセージです。

「やっちゃだめ」「言っちゃだめ」というメッセージの動画は観たくないと考え「もっとよくしていこう!」と伝えたことで皆さんがしっかり観てくれて、前向きなコメントを多く貰えたのではないかと思います。

写真:社内向け動画制作の様子

各職場に1人は「ハラスメント防止担当者」がいる状態にしたい

2025年までに100名の講師を養成したいと考えています。ご紹介した糸尾さんや岸山さんのように、周囲の人を巻き込んで行動に移す・発信していく講師が増えることが理想の状態です。さらに数年後には各職場に1人は「ハラスメント防止担当者」がいる状態にしたいですね。

今はハラスメントになる・ならないの判断軸が分からなかったり、知らない人が多い状態なので法律を中心とした研修に力を入れています。皆が知っている状態になったときには、心理面でのアプローチをしていきたいと考えています。

気を遣いすぎて叱れない上司や、叱ることがストレスとなる上司も増えています。

ハラスメントになることを恐れて、部下と距離を取る上司もいると聞きます。

それでは本末転倒です。

叱ることは悪いことではないという考え方、叱られる側も受け止め方を身に着けることでストレスが少ない職場づくりに貢献したいと考えています。

認定講師養成講座

協会が監修する「職場のハラスメント対策講座」を行うスキルを身に着ける講座。

2日間で講座で必要な知識と、講師としての話し方・伝え方をトレーニングするプログラム。毎月の勉強会などフォローアップがある。

年に4回開講。

https://harassment-rma.jp/course/traning/

*認定講師一覧ページ

https://harassment-rma.jp/instructor/

一般社団法人日本ハラスメントリスク管理協会

■理念 

ハラスメントを解消し品性のある組織つくりを目指す

■事業概要

・ハラスメントのリスクに関する公開講座の実施

・上記講座を開講できる講師の育成

・各組織へのカスタマイズ研修

・講演 など

■運営メンバー(参事:50音順)

 阿部淳一郎(あべじゅんいちろう)

 榎本あつし(えのもとあつし)

 白石明彦(しらいしあきひこ)

 野崎正明(のざきまさあき)

■所在地

東京都千代田区九段南一丁目5番6号 りそな九段ビル5F

■ホームページ

https://harassment-rma.jp/

■お問い合わせ

https://harassment-rma.jp/contact/


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